園子温ヒミズ」をレンタルでDVDを借りてまで観たのは、フランソワ・ヴィヨンの詩の引用があるから、と知ったから。山崎方代がずっと大事にしていた詩集がフランソワ・ヴィヨン詩集で、影響も受け、住所録替わりに書き込み使っていたという。このヴィヨンとは、もちろん太宰の「ヴィヨンの妻」のヴィヨンである。ジャンヌ・ダルクと同時代人という、このフランスの詩人の生涯は謎が多く、魅力的で、いま読むとしたら岩波文庫鈴木信太郎訳『ヴィヨン全詩集』がいちばん手っとり早いか。しかし、映画で二階堂ふみ(なんだか宮崎あおい、に見えて仕方なかったが)が暗唱するのは、どうやら鈴木訳(文語体でやや古臭い)ではないようだ。天沢退二郎訳だろうか。岩波文庫か、光文社の古典新訳文庫で、新訳が出ないだろうか。
本日は30年目ということで、日航機墜落事故の特番ばかり。吉岡忍『墜落の夏』、横山秀夫クライマーズ・ハイ』を読んでいるので、けっこうこの事故についてはくわしいのだ。