北山耕平『雲のごとくにリアルに』(ブルースインターアクションズ/2008)を買う。中身は、「ワンダーランド」から「宝島」、そして70年代雑誌文化の時代を生きた人の回顧で、これはもう面白いに決っているが、タイトルで損をしている。副題も「長い距離を旅して遠くまで行ってきたある編集者のオデッセイ 青雲編」と、気取り過ぎ。これでは、この本を求めている人に届かない。『70年代マガジン青春記 「ワンダーランド」から「宝島」へ』とか、もう少しやらしく、中身がわかる方がいいのではないか、と思う。「マガジン青春記」は先例があるが。言いたいことはわかってもらえると思う。いや、じつにいい本なのです。
なかで、片岡義男との出会いが、いかに重要であるかを語った個所。「片岡さんは、ぼくがはじめて出会った『物書き』という職業の人であると同時に『自分が模範とすべきネクタイを締めない世界の社会人』であった」。古雑誌を求めて、都電で神田(神保町)の古本屋街へ通ったという話も出てくる。
連日、ある作業に熱中し、レギュラーの仕事に穴が空きそうになってきた。自重して、軌道修正をしないと。

花森安治装釘集成』が、みずのわ出版からこのたび刊行される。
社主も言ってるが、「とと姉ちゃん」が終わってから、というタイミングのずらし方が、シブい。
すごい本になることは間違いない。
唐澤平吉・南陀楼綾繁林哲夫 編
2016年11月初旬出来(中旬にずれる可能性あり)
B5判並製288頁 収録タイトル500点超 カラー図版約1,000点
税込定価 8,640円(本体8,000円+税640円)