okatake2018-01-23

雪が降るとうれしい、なんて書いたが、とんでもない積雪となった。うちは西郊で、都心よりさらに寒い。けっきょく昨日は、郵便受けまで歩いたのが最長距離。その郵便受けにドサリと郵便物。そのなかに、原書房の新刊『石上三登志スクラップブック 日本映画ミステリ劇場』(原正弘編)が入っていた。編者と編集者、凝り性コンビがドサリと重い本を作った。映画、ミステリ、SF、マンガ(手塚治虫)など多方面で、膨大な原稿を残し、あるいはそのために一般的な評価が遅れた評論家が石上で、ここに対談や映画評を含め、単行本未収録を丹念に拾って一冊として、再評価を問う本が生まれた。パラパラと読んでいるが、ファンの延長として、興奮をそのまま伝える軽快な文章、しかも一編が長いものが多い。キネ旬など、原稿料が安そうな雑誌に多産しているため、勢いをつけて書く手法が定着したか。しかし、じつによく観て、よく読んでいる。膨大なコレクション図版も興味深い。こうしてみると、スクラップブック・スタイルの本を作る為に、原稿を書き、いろんなものを遺したような人であった。編者の原くん、ごくろうさま。乾杯したくなる労作ですね。たまに道や某所で遭遇して言葉を交わすが、5歳年下の同郷で、どうも千林の古本屋を巡っていたようで、かつて、どこかですれ違っていたかも知れない人物である。「せんばやーし しょうてんがーい!」というテーマソングを聞いて育ったはずである。
今日もいちにち、家に閉じこもる。
雪は意外に、強い陽射しで溶け始めている。午後、家の前の道路を雪かきしたが、30分ほどで、腰がイタくなる。これを毎日、繰り返しやる雪国の人は、仕方なしだろうが、本当にエラい。ぼくが住む町内の近隣エリアでも、みなスコップで雪かきしている。隣家の高校生はさすがに若い。ずっとモクモクとスコップを動かしている。隣家の庭に柚子が植わっていて、しかし、あんまり使わず、実が成ったまま。高校生に声をかけ「○○くん、柚子、二三個くれるか?」と言うと、「はい、いいですよ。二三個と言わず、うち、使いませんから」と、すぐ十個ぐらいをビニール袋に入れ、そのまま手渡すのは悪いと思ったのか、家に入り、手提げのついた紙袋に入れて、ニコニコしながら渡してくれた。こういう気の遣い方のできる高校生って、いるんだ、と感心する。
牛乳、コーヒーに入れる粉クリーム、マーガリン、酒がなくなり、自転車で近くのスーパーへ、午前中行ったが、まだ雪が残っていて、難儀した。なんか、窮乏感に襲われ、五千円ぐらい買い物をしてしまう。