おけぐわの日記

2ch系さいたまフラッシュサイト「おけぐわの微笑」管理人の OKGWA の日記です。かつては毎日更新を心がけていましたが、今は不定期更新です。

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[2004-08-11]

[] 谷川流『涼宮ハルヒの消失』  谷川流『涼宮ハルヒの消失』を含むブックマーク

(※この記事は2004年に書かれたものです)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

先日、『涼宮ハルヒの消失』を買って読んで面白かったので、思い出など交えつつレビュー。

『涼宮ハルヒの何々』シリーズは、「憂鬱」「溜息」「退屈」「消失」と、4巻目を数えています。

好き好き大好きっのYU-SHOWさんのレビューを読んで興味を持ったのが、私がこのシリーズを読み始めることになるきっかけでした。

 奴の名は涼宮ハルヒ。黙っていれば、誰もが羨む美少女であるところの彼女は、しかしてその実は大変人であり、ある種電波的であり、ましてや傲岸不遜な暴虐無比の存在であり、「普通」なものであるはずだったキョンの高校生活を、あっという間に非日常へと導いてゆく。

好き好き大好きっ - 6月12日(木)

といった調子の書き起こしのあらすじつきの気合いが入ったレビューです。アオリ感たっぷりのあらすじですが、この部分はディテールを述べているのみです。この作品の本質は上質なSFであり、そこに利いているスパイスが上記のような強烈なキャラクターなのです。

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

とにかく1巻目の『涼宮ハルヒの憂鬱』は文句なしに面白いです。もっとも、作中でひどい目に遭う「コンピュータ部の部長」に感情移入しすぎてしまったりして、読んでて不快になる人はいる様子ですが(Ref. 好き好き大好きっ - 7月9日(水))。

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

2巻目の『涼宮ハルヒの溜息』はちょっと評価が分かれていました。相変わらず面白いという人と、マンネリになってるという人と。

From dusk till dawn のbeakerさんのレビューは厳しめでした。特に主人公のハルヒについて次のように述べています。

あれでは、涼宮ハルヒというキャラクターが物凄い我侭で自分勝手で天上天下唯我独尊で、だけど割と可愛いところもあったりするというものではなく、物凄い我侭で自分勝手なだけにしか見えないのです。

From dusk till dawn - 10月2日【○○】

一方、YU-SHOWさんの評価は以下のように割と好意的でした。

たとえるなら、ハルヒは大暴れする猫です。それも子猫。
──中略──
なんとなくその暴れっぷりを愛でずにはいられないという存在ではないかと。だって子猫って、馬鹿なところも含めて可愛いもん。問答無用で。いや、猫嫌いな人は本気で駆除したくなるだろうけど。
──中略──
子猫はそれを受けて、主人のことが好きなんだかどうでもいいんだかわからないまま(はたから見る分には。でも多分好き。その前提があるからこそ猫は可愛らしい)、結局猫的に好き勝手生きている、と。

好き好き大好きっ - 10月4日(土)

この例えは面白いです。私もどちらかというと容認派でして、小説のデフォルメとしてならまだ許される範囲内かと。マンガやアニメになっちゃうと、もしかしたら「やりすぎ感」が際だってしまうかも知れませんけど。

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

3巻目の『涼宮ハルヒの退屈』は短編集でして、YU-SHOWさんも

昨年中に読めなかった、『涼宮ハルヒの退屈』『バラエティギフト』などを読みつつ、まったりまったりした正月を。こういう短編集は、だらりだらりと読めて良いですなあ。

好き好き大好きっ - 2004.1.3.sat

と、軽く触れるに留めています。

そして4巻目の『涼宮ハルヒの消失』ですが──

いやはや、実に上質なSFでした。正直な話、アイディアはドラえもん〈ネタバレ回避〉に、〈ネタバレ回避〉的要素を混ぜた感じなのですが、その状況に持って行くまでの舞台作りと伏線の張り方が絶妙なのです(ちなみに〈ネタバレ回避〉のところにカーソルを乗せるとツールチップで表示されます)。

とはいえ、やはり独自というか、独特のアイディアもあります。

昔に戻ってやり直したいと考えることはよくあるし、タイムマシンがあれば昔に戻って干渉できます。もちろん下手するとタイムパラドックスに陥るわけですが、未来の自分が過去の自分に干渉する話は使い古されたアイディアですので読み手も割とすんなり受け入れます。

が、それをひっくり返したのが『涼宮ハルヒの消失』です。何をどうひっくり返したかを詳細に書くとネタバレになりますので書けませんが、それをもって読者の死角を突き、さらにきちんと「説明」してあるあたりが上質のSFたる所以です(まあ、多少のご都合主義的な部分はなくもないですが)。

いや本当に、力一杯お勧めできる作品です。でも、いきなり「消失」を読んでも仕方がなくて、とりあえず既刊を全部読まないと楽しめません。特に3巻目の短編集が重要な伏線だったことが明らかになります(まあ、既に3巻でメタな感じで言及されてはいたのですが)。

こういう作品は薦めるのに困りますね。まあ、4巻程度ならまだしも、10巻20巻とかだと気軽には薦められません。

とりあえず1巻目を手にとってもらわないことにはどうにもならないので、1巻から紹介してみたのですがいかがでしょう、読みたくなりましたかねぇ。

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