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おきなが明久レポート

2018-03-23

2017年第1回定例会 討論(2018年度当初予算等について)

17:43

それではただ今議題となっております議案及び陳情について、賛成並びに反対の討論を行います。

 まず、議案第1号から議案第6号までの2017年度の一般会計、特別会計企業会計補正予算については、概ね妥当なものと判断し、賛成をするものであります。

 次に、議案第7号の2018年度の一般会計予算及び議案第8号の国民健康保険事業特別会計について反対の討論を行います。

新年度予算の特徴 土木費の大幅増、民生費・衛生費の減額

 2018年度の一般会計予算の総額は、407億2604万円で、前年度比マイナス1・3%となっております。これは、2017年度補正予算で、2018年度実施予定であった小中学校施設整備事業費2億3461万2千円を、国の補正予算による交付金の関係で、前倒しすることとなり、その分が当初予算から差し引かれていることによるもので、これを加えるとほぼ前年度並みの予算編成ということができます。その中で、目的別歳出の前年度との比較的大きな増減を見て参りますと、増額となっているのは、土木費が9億1136万8千円の増。総務費が2億4096万3千円の増となっており、減額では消防費が11億888万4千円の減、民生費が2億6412万3千円、衛生費が2億2452万3千円の減となっております。

 土木費の増は、主に小田急相模原駅前西地区市街地再開発事業において、公共床の取得、公共床内装工事、再開発組合への補助金などで約7億円、ペデストリアンデッキの設置工事で約3億5千万円、合計10億5千万円を支出することが大きな要因となっており、総務費の増は、職員給与費の増によるものとなっております。一方減額では、消防費の減は、新消防庁舎の完成に伴うものであります。民生費の減は、児童保育費や小児医療助成の中学生3年生までの拡充など増となったもののがあるものの、国民健康保険事業特別会計への繰出金が、約3億7千万円の減、生活保護扶助費が約2億7千万円の減となっていることなどによるものであります。衛生費の減は、主に高座清掃施設組合運営費負担金が約3億円の減となったことによるものであります。

 以上のことから、新年度予算の特徴は、土木費が25%増となる中で、国民健康保険事業特別会計への繰出金の減額と保険税の値上げなど低所得者に対する負担が強化されていることであると言えます。

 それでは、こうした特徴をもつ新年度予算について、反対の理由を述べて参りたいと思います。

小田急相模原駅前西地区再開発 「事業の採算性は支障がない」はずだったのに

 まず、土木費の増の主な要因となっている小田急相模原駅前西地区市街地再開発事業についてであります。本事業については、新年度当初予算において、再開発事業費として7億2427万7千円、上空横断施設(いわゆるペデストリアンデッキ)整備としてで3億7035万6千円、合計10億9463万3千円が計上されております。

 本事業は、市街地再開発事業第一種事業、権利返還方式によって施行されているものであります。権利変換方式とは、土地の高度利用によって生み出される新たな床(保留床と呼ばれていますが)、これを新しい居住者や営業者などに売却し、事業費を捻出し、従前からの土地所有者に対しては従前資産評価に見合う床(権利床と呼ばれていますが)、これを受け取ることができるという仕組みであります。つまり、保留床の売却が事業の採算性の担保するものであります。

 一方、この市街地再開発第一種事業に対する地方自治体の関与としては、事業主体である市街地再開発組合への補助金支出一般的なものでありますが、90年代バブル崩壊以降に行われた市街地再開発においては、保留床の売却が思うようにいかず、地方自治体がやむを得ず保留床を税金で買い取り、なんとか事業のつじつまを合わせるといったような事態が数多く見受けられておりました。

 そうした中、長年にわたって事業が凍結状態であった本開発事業の再開にあたって、私は、2014年3月議会において本事業の採算性について質したところ、当時の都市部長の答弁は「すでに事業者が取得する床、いわゆる保留床の取得予定者として参加組合予定事業者が選定されていることから採算性は支障がないものと考えております」とのことでありました。

 しかしながら、商業棟の延べ床面積1951屬里Δ繊店舗は1階部分のわずか481屬里澆如⊂Χ氾錣量鵤横機鵑砲垢ません。一方、座間市の本来の権利床面積は147屬砲垢ないものを、その10倍にあたる1448屬鯡鵤群円で買い取るとこととなったわけであります。「事業の採算性に支障はない」という話は一体どこへいってしまったのでしょうか。

 さらに、設計費も含めれば約4億円近くとなるペデストリアンデッキ設置の妥当性についても指摘をしておかなければなりません。本来なら、ペデストリアンデッキは、駅と商業棟とを結ぶ集客動線として、また、隣接する相模原市域の再開発ビル商業施設等との回遊性を確保するために機能しなければならないもののはずですが、デッキが接続する商業棟3階には1階にしか店舗はなく、地表に降りた先にも商業ゾーンといえるような連続性はありません。あえて言うならば、昨年も指摘しましたが、高層階居住者の利便性確保のためのものであり、公益性が高いとは思えません。

 よって、以上の点から、小田急相模原駅前西地区市街地再開発事業に係る関係予算の支出に反対するものであります。

一般会計から国保会計への繰出金を大幅減額 国保税の大幅値上げ

 次に、前年度対比で大きな減額となった国民健康保険事業特別会計への繰出金についてであります。新年度、繰出金の予算計上は8億7527万5千円で、前年度より3億7270万3千円の減。このうち、法定外繰出金は、4億8245万7千円。前年度が8億8821万9千円ですから、法定外繰出金のみでは、3億9423万8千円、44.1%の大幅な減額となっております。

 この要因は、当初予算とともに本定例会提案されております座間市国民健康保険税条例の一部改正により、調定額ベースで10・67%もの値上げを行ったことによるものであります。今回の保険税の値上げについて当局は、「国民健康保険の制度改革により、都道府県が財政運営の責任主体となり、国保税の課税総額については、県が決定する国民健康保険事業納付金をもとに算定するように変更されたため」とし、値上げとなった所得割、均等割、平等割の税率及び額は、「県が定める標準税率との乖離を段階的に解消していく」という旨の説明がされております。つまり、県が定める標準税率に合わせるため、一般会計からの法定外繰出金を最終的にはなくすことを目標とし、段階的に保険税を値上げするということであります。

 ご承知のとおり本市では、被保険者の担税力が低下している現状を考慮し、一般会計からの法定外繰出金により、国保会計の不足する財源を補塡し、国民健康保険事業の財政運営を図ってきました。これは、本市の国保加入者の所得状況からすれば、当たり前のことと言えます。本市の国保加入世帯の所得階層では、(これは2014年の統計しか当局からしめされておりませんが) 所得100万円以下が49%、所得200万円以下が72%と大半を占め、2015年度の基準総所得金額は、74万7962円で、アベノミクスの恩恵はどこへやらとばかりに、過去3年間連続して低下しつづけております。また、年齢構成においても60歳から74歳までの加入者が約半分と、高齢化が進んできております。

 こうした状況の中で、これまで本市は、国保加入者一人当たりの保険税、世帯あたりの保険税いずれも県内19市中最低に抑え、加入者一人当たりの法定外繰出金の額は県内19市中トップというように、県内他市との相対比較では、最も国保加入者の所得状況を考慮した財政運営を行ってきたわけであります。ところが、今回の税率改定では、国保制度の変更に伴い、ある意味これを奇貨として、本市が一般会計から国保会計への法定外繰出金ゼロに向けた道、すなわち段階的値上げの道を選択したことについて、厳しく批判をしておきたいと思います。厚生労働省も、当局も、よく「制度の持続可能性」という言葉を使い、国民負担を合理化しようとします。しかし、「人々のくらしの持続可能性」はどうなるのでしょうか。

 当局より、今回の保険税改定後のモデル世帯保険税の試算を出していただきましたが、この中で最も収入や所得に対する負担率が多くなるのは、医療分、後期高齢者支援分、介護分が発生する4人家族で、収入273万円、所得173万1千円の世帯です。この世帯の場合、現行保険税は年額23万7400円であったものが、改定後は26万5400円へ2万8000円の値上げとなり、最終目標である標準税率どおりとなると年額31万1300円と現行税額より年額7万3千円もの値上げとなります。この場合所得に対する負担率は、国保の負担率だけでも18.0%。となります。さらに、このモデル世帯のその他の所得税、市県民税、国民年金保険料をあわせた負担額は、私の試算では年額96万6710円となり、収入及び所得に対する負担率は、収入に対して35.4%、所得に対しては55.8%にものぼることとなります。

 こうした負担強化は、市民の担税力に見合うものなのでしょうか。この私の疑問に対して、当局は今定例会議論においても正面から答えることはありませんでした。本定例会の審議でも明らかとなったように、本市から県への納付金は義務であっても、県が定める標準税率の採用は義務ではありません。故に、本市の保険料水準をどのくらいとするのか、国保財政への法定外繰出金をどのくらいとするのかは、本市の自主的な判断、すなわち自治の問題であります。よって、本市の国保被保険者の所得状況からすれば、さらに基準総所得金額が毎年低下している状況の中で、保険税の値上げ、法定外繰出金の減額は到底容認することはできません。

 また、こうした低所得者への負担強化は、結果として可処分所得を減少させ、さらに消費を縮小させ、景気に対して悪影響しか与えないということを申し上げておきたいと思います。

マイナンバーカード推進のために自動交付機を廃止

 次に、市民部所管の戸籍住民台帳管理経費及び住民票等コンビニ交付事業についてであります。新年度予算では、住民票、印鑑証明の自動交付機廃止に伴う経費が計上されております。これは、現在市役所庁舎内と小田急相模原駅駅ビル内に設置されております自動交付機を廃止しようとするものであります。当局は、廃止の理由として自動交付機の製造メーカーが製造を中止し、部品の供給ができなくなることと、マイナンバーカードによるコンビニ交付を推進するためと説明しております。

 しかし、新年度予算に計上された住民票手数料、印鑑証明手数料の交付見込み件数では、住民票の窓口交付が4万7440件で65.4%、自動交付機が2万1430件で29.6%に対しコンビニ交付は3620件で5.6%にすぎません。印鑑証明は、窓口交付が1万3410件で33.1%、自動交付機が2万4310件で60%に対し、コンビニ交付は2830件で7.0%にすぎません。 自動交付機とコンビニ交付では10倍近くの利用者数の違いがあります。

 また、新年度予算ベースでの一枚当たりの交付単価は、窓口交付が471円、自動交付機が61.5円に対し、コンビニ交付は2823円とこれもまた大きな開きがあります。

 このように利用者の数においても、一枚当たりの交付単価においても利用価値が高いことは明らかであるにもかかわらず、「マイナンバーカードの推進」という国策のために自動交付機が廃止されることは、到底容認することができません。よって、関係経費の支出に反対するものであります。

行政の意思形成過程の情報公開

 次に、新年度予算の審議、審査を通じて明らかとなった行政事務の執行のあり方について指摘をしておきたいと思います。具体的には、行政の意思形成過程、すなわち審議・検討段階の情報公開及び情報提供についてであります。

 今定例会には、座間市リサイクルプラザ条例の一部を改正する条例他、6本の公共施設の使用料改定に係る議案が提出されておりました。これらの公共施設の使用料改定は、今年度に改訂された「公共施設の使用料設定にあたっての基本方針」に基づいて見直しが行われたものでありますが、同基本方針に示されている使用料算定方法で算出された金額を用いた施設と用いなかった施設があります。

 私は、基本方針に示されている使用料算定方法で算出された金額を用いなかったことが問題だとは思っておりません。問題は、用いなかった施設について、算定方法で算出された金額がいくらであったのかということが、最終的には示されましたが、なかなか明らかにされなかったということであります。まず、総括質疑の前に当局からのヒアリングの際にもお聞きしましたが、明らかにできないということでありました。総括質疑でもお聞きしましたが、ここでもお答えいただけませんでした。一般質問でもお聞きしましたが、一問目ではお答えいただけず、三問目でやっとお答えいただいたという具合でありました。

 なぜ、ここまで検討段階の数字を明らかにすることに消極的なのか理解に苦しむ次第です。明らかとなった数字を見れば、現行使用料と算定使用料の乖離が著しいことは誰の目にも明らかであり、算定金額を採用しなかった理由を議会や市民に対して説明ができるはずであります。さらに気になる点としましては、改訂前の基本方針では、見直しにあたって市民に明確にすべき事項として、「算定の基本ルールに基づく算出金額」「上記に付加した要素がある場合は、その内容と理由」という項目が明記され、市民に対する説明責任を果たそうとする姿勢が伺えましたが、改訂後はこのことが削除されております。市長も担当部長も「この姿勢は変わっていない」と述べられておられましたが、再度基本方針に明記すべきであります。そして、この点のみならず、行政のすべての分野において、最大限、意思形成過程の情報公開情報提供に努めるよう求めておくものであります。

 以上をもって、2018年度の一般会計予算及び国民健康保険事業特別会計予算に対する反対の討論と致します。

水道事業会計 営業収支の赤字の原因は県営水道からの受水費

 次に、議案第11号の水道事業会計予算について反対の討論を行います。新年度予算の第2条業務の予定量では、年間総給水量は、1319万8600㎥、一日平均給水量は3万6100㎥と定められております。さらに、当局から示された計画給水表によると一日最大給水量は4万900㎥。取水量は自己水源から一日3万2700㎥、県営水道からの受水は5300㎥となっており、県水のブレンド率は13.9%となっております。第3条収益的収入及び支出と予定損益計算書によると、営業損益では1億988万811円の営業損失が見込まれるものの、営業外損益特別損益では黒字が見込まれ、当年度純利益では約2億が計上されております。

 このように営業収支の赤字を営業外収支等でカバーし、全体では黒字となるという収支構造は、例年と変わっておりません。そして、営業収支の赤字の原因となっている要因が、かつてに比べると多少減額されているものの年間約4億3000万円にのぼる県水受水費であることも例年どおりであります。

 一方、本市の自己水源能力は、一日4万3900㎥ですから、一日平均給水量の3万6100㎥も、一日最大給水量の4万900㎥も十分にクリアしておりますので、自己水源だけで水道事業を運営することは可能であります。

 よって、私は以前より、神奈川県企業庁との分水契約を解除するか、、分水契約における日量3万7300㎥分の受水費ではなく、実際に使用する日量5300㎥分の受水費とするよう契約変更を行うよう求めて参りました。分水契約を解除した場合は年間約4億3000万円、使用水量のみの受水費とする場合は、年間約3億3000万円の公金の浪費が解消され、本市の水道事業は営業収支も毎年黒字となります。

 こうした措置をとることなく、いたずらに公金を浪費する水道事業会計予算に反対をするものであります。

公共施設使用料の値上げに反対 「受益者負担」はまちがい

 次に、ただ今議題となっております条例及びその他の議案についてでありますが、議案第13号、15号、16号、18号、21号、22号、23号、24号、25号、28号、32号、33号、34号、35号、36号、37号については概ね妥当である判断し、賛成し、その他の議案については反対をするものであります。なお、議案第14号の環境美化条例については、総括質疑でも指摘致しましたが、落書きの定義が立法技術上妥当性に欠くため、趣旨は認めるものの、採決にあたってはその態度を留保するものであります。

 このうち、公共施設の使用料改定に関する条例改正については、問題点を指摘しておきたいと思います。まず、これらの議案の提案説明において副市長は「受益者負担原則に基づき、使用料の適正化を図るため」と述べられておられましたが、使用料について「受益者負担原則」は、地方自治法をはじめ関係法令において、どこにもその規定はありません。

 例えば地方自治法第224条分担金においては「特に利益を受ける者から、その受益の限度において、分担金を徴収することができる」とあり、受益者負担の趣旨が示されておりますが、第225条使用料においては、「普通地方公共団体は、行政財産の使用又は公の施設の利用につき使用料を徴収できる」と定めれているだけで、いわゆる「受益者負担原則」なるものは記されておりません。よって、まず法令根拠のない「受益者負担原則」をもとに、使用料の改定を行うのは適当ではないということであります。

 次に、負担の公平性についてであります。当局は「公共施設の使用料設定に当たっての基本方針」において、「公共施設を利用する市民と利用しない市民との負担の公平を図る観点から受益者である公共施設を利用する市民には応分の負担をしていただきます」と述べております。これは、受益者とそうでない者との違いがあるので、受益者に負担させるという論理であります。

 ところが、肝心の受益に、問題がつきまといます。まず、受益とは何かが極めて不明確なことです。例えば、私的企業が公共施設を利用する場合は、使用料はコストの一部であり、それによる便益は利益に反映され、計測が可能ですが、市民が社会教育活動や福祉活動などで利用する場合の受益は計測不可能であります。さらに、こうした活動は広い意味で公益性があり、その場合は使用する人々の受益というより、行政にとっての受益となる場合も多くあります。

 次に、負担の公平性についてですが、公共サービスには市民のだれでも利用できるようになっているものとそうではないものがあります。公共施設の利用は、特定の市民が排他的に利用しているのではなく、現在利用していない人々にも広く開かれています。一方、たとえば市営住宅などの場合は、当たり前ですが特定者によって排他的に利用されています。排他的に利用する場合は、受益は明確であり、負担の根拠となるでしょう。しかし、排他的利用ではない、誰でも、いつでも利用できる公共施設の場合、利用しない者との不公平が生じるなどということはありません。もし、市民の中にそのような意識があるとすれば、それば単なる感情にすぎません。行政は、施設の設置目的と公益性を説明するとともに、積極的な利用を促進し、そうした感情論を払しょくすることが本来の役目ではないでしょうか。

 以上、当局のいう受益者負担原則と負担の公平性について、その問題を指摘しましたが、昨年改訂された「公共施設の使用料設定に当たっての基本方針」については、座間市のバブリックコメント史上最大の数の意見が寄せられ、そのほとんどが反対の意見だったことを重く受け止め、再度、市民とともに新たな基本方針を導き出すよう、求めておきたいと思います。

 次に、陳情についてでありますが、陳情第15号、20号については採択すべきではないと判断し反対し、陳情第27号については、趣旨に賛同し、採択すべきものと判断し賛成するものであります。

 以上で、討論を終わります。

2017-09-30

2017年第3回定例会 討論(2016年度決算認定について)

14:09

ただ今議題となっております議案及び陳情について、賛成並びに反対の討論を行います。

当該決算年度の一般会計歳入決算額は413億7770万8千円、歳出決算額は402億8964万6千円で、歳入歳出ともに史上最大規模の決算額となっておりますが、これは、少子高齢化社会の進行の中で、毎年確実に増加する扶助費と、国の一時的な施策である臨時福祉給付金等によるものと言えるでしょう。

実質単年度収支が赤字に

そうした中で今決算の特徴を挙げれば、単年度収支のみならず、実質単年度収支のおいても△8億1805万7千円の赤字となったことと、前年度88.3%であった経常収支比率が96.8%と上昇したことであります。2010年度以降、6年連続実質単年度収支の黒字を計上してきた本市が赤字へと転落した理由については、様々な要素が考えられますが、端的に言えば、最も大きな要因は、市内にある大規模法人1社の動向が大きく作用したと言えるでしょう。

具体的には、法人市民税は、2014年度9億6488万9千円の決算であったものが、2015年度は71%増の16億4996万2千円となり、それがまた2016年度では9億8186万8千円と乱降下したことと、合わせて当該決算年度の地方交付税においては前年度の法人市民税の増加に伴い、基準財政収入額が増となり、交付税額が前年度対比で4億3265万2千円マイナスとなったこと、さらに消費税8%への増税からわずか2年目であったにもかかわらず、地方消費税交付金が前年度から約10%約2億円の減額となるという歳入面でのトリプルパンチに対し、約10億円の財政調整基金の取り崩しにより歳入を補ったことが実質単年度収支の赤字の最大の要因であると言えるでしょう。

市長は、この実質単年度収支の赤字への転落について、「一時的なものであること」「年度間の財源調整機能として財政調整基金が機能した」という見解を本定例会において示されました。確かに、当該決算年度は、前年度の法人市民税の増額決算に伴う地方交付税のマイナス要素と法人市民税のマイナス要素が重なった、すなわち二重のマイナス要素が重なり合ったことによるものですから、来年度以降、2017年補正予算で増額補正された法人市民税が同様に16億円規模で歳入される状況が続くならば、来年度は地方交付税も含めて二重のプラス要素が期待できるという点では、おっしゃるとおりだと思います。

しかし、この法人市民税の動向は現状では極めて不安定であるとともに、特に、大規模法人1社の収益状況、すなわちここ2〜3年の間では5〜6億円ほどの法人税割額の増減が、本市の財政状況全体に大きな影響を与えているという現実は、注意深く見ておく必要があると思います。そして、このことは、本市の財政構造の特徴でもあり、ある意味で財政構造の脆弱性を示すものでもあると捉えておく必要があると思います。

それでは、こうした特徴を持つ2016年度決算の認定について、私が反対する主な理由を申し上げて参ります。

「実施計画事業を網羅できた」と言うけれど

市長は今決算について、「第4次総合計画に掲げている9つの将来目標の着実な推進に向け、実施計画事業を全て網羅することができた」という趣旨の評価をされておられました。ご承知のとおり、第4次座間市総合計画は、基本構想、実施計画、戦略プロジェクト、という構成になっております。10年間の目標を定めた基本構想、それを具体化するための事業計画と予算配分を示す実施計画、さらに市政上の最重要課題を戦略目標とする戦略プロジェクトから成り立っているわけであります。ご承知のとおり、基本構想は議会の議決事項でありますが、実施計画と戦略プロジェクトは議決事項ではありません。いわば、行政裁量的部分であります。よって、この行政裁量的部分である実施計画に沿って事業が執行されたかどうかという視点は、行政の内部的評価としては理解はできますが、議会のチェック機能としては、実施計画自身が妥当なものであるのかどうかという視点と、その評価が求められると思います。

そこで、この行政裁量的部分である実施計画及び戦略プロジェクトと当該年度の決算結果を見て参りますとと、大きな変更があった事業さらに実施計画にはなかった事業として、都市部所管の座間南林間線道路改良事業と上下水道局所管の上下水道局庁舎等整備事業があります。

都市計画道路座間南林間線は見直すべき

座間南林間線道路改良事業は、実施計画、戦略プロジェクトに位置付けられておりましたが、ともに、市道4号線視距改良工事として小田急線踏切から約400mの交通安全対策として、踏切及び道路の拡幅を行うものであったものが、当該決算年度の6月議会において、突然、都市計画道路座間南林間線の整備用地として、踏切に隣接する720屬療效呂7200万円で買い取ることが議会提案され、これまで進めてきた市道4号線視距改良工事を中止し、小田急線踏切の立体交差化と都市計画街路として整備が打ち出されてきたわけであります。

この計画変更について私は、この地域の歴史的景観の保存のために多額の事業費を投入してきた街並み環境整備事業との整合性、さらに景観条例で特定景観計画地区に指定してきたこととの整合性、さらに概算見込みで踏切立体交差だけで27億円、さらに街路整備事業費をあわせると40億円〜50億円にも上ると言う財政的な負担の面からも、都市計画街路としての整備に反対の旨を表明してきたところであります。よって、これまでの市道4号線視距改良工事を中断し、都市計画街路としての整備方針へと転換した当該年度の予算執行並び行政事務執行を認めることはできません。

なお、座間南林間線の都市計画街路としての整備については、慎重に議論を重ね、再考すべきと考えますが、もし、整備を進める場合でも少なくとも10年単位の年数を要すると思われますので、現状をそのまま放置するのではなく、その間の交通安全対策を講じるべきであることを申し添えておきたいと思います。

PPP(官民連携)事業による上下水道局庁舎整備事業は認められない

次に、上下水道局庁舎等整備事業についてでありますが、この事業は実施計画にも、戦略プロジェクトにもなかったものが、2015年度より当時の上下水道部内で検討が開始され、当該決算年度である2016年度の8月議会において、5億2260万6千円の債務負担行為が議決され、2017年2月に大和リース株式会社と5億2254万円の譲渡特約付き賃貸借契約が結ばれております。

この上下水道局庁舎等整備事業については、事業方式の妥当性としては、公設・公営方式の方がPPP・リース方式より財政的には有利であったことはすでに詳しく指摘をしておりますので、ここでは繰り返しませんが、水道料金を原資とする今後20年間にわたる公金の支出としては妥当性に欠くことは明らかであり、当該年度の決算を認定することはできません。

そして、こうした事業方式の妥当性の問題と合わせて深刻なことは、事業の推進過程、特に意思決定過程における手続きの問題であります。当該年度の決算にあたって監査委員が作成した決算審査意見書では、「民間活力有効利用指針に基づいた取り組み姿勢を評価し」と記されておりますが、すでに指摘したとおり、今回の上下水道局庁等整備事業においては、民間活力有効利用指針に示されている手続きに基づいたものではありません。

また、昨年8月議会提案された債務負担行為の設定にあたっては、事業スキームが6月議会の答弁とは大きく変更されていたにもかかわらず、その説明は一切ありませんでした。

さらに、事業者選定にあたっては、公募型プロポーザル方式が採用されたものの応募事業者は1社しかなく、品質を担保するための最低基準点が設定されていなかったため、低い評価点であったにもかかわらず、応募事業者との契約に至っております。

こうした行政事務執行は、まさに「PPP事業ありき」で事務が進められてきたものであり、大変危うさを感じざるをえません。現在、国が推進しようとしているPPP事業は、その是非については私自身、様々な問題点があると思っておりますが、その国でさえ、PPP事業の推進にあたって出された様々な通知の中で、「事業の発案から終結に至る全過程を通じての透明性や公平性の確保」を強調しているわけですから、本市初のPPP事業というふれこみとは裏腹に、誠にお粗末なものとしか言いようがありません。当局に対しては猛省を促すものであります。

将来見通しがずさんなファシリティマネージメント(施設管理)推進事業

次に、同じく行政事務執行上の問題として、ファシリティマネージメント推進事業について指摘をしておきたいと思います。本市の公共施設管理(ファシリティマネージメント)については、2012年度に「座間市公共施設白書」が作成されたの皮切りに、2014年度には「座間市公共施設利活用指針」が、2015年度には「座間市アセットマネージメント基本方針」が策定され、当該決算年度2016年度には、「座間市公共施設再整備計画基本方針」が策定されております。そして、現在では、当該決算年度に策定された基本方針をもとに、2019年度を目途に「座間市公共施設再整備計画」が策定されることとなっております。

今後の人口減少、超少子高齢化社会へと向かう中で、公共施設のあり方やその管理方法を最適化していくことは私も必要だと考えます。その際に重要なことは将来見通しをどのように設定するのか、ということであります。

しかし、本市のこの間のファシリティマネージメントに係わる各種指針や方針において、前提条件となる将来見通しがほんとうに妥当なものであるのかという疑念が今決算審査で明らかになりました。

具体的には、今後の施設更新の費用試算についてであります。2015年度に策定された「座間市公共施設利活用指針」では、今後20年間に必要な建て替え・大規模修繕の費用は約408億6900万円、年平均約20億円の支出が必要となる一方で、2009年度から2011年度の維持管理費用は約5億円。すべての施設を大規模修繕し、建て替えを実施する場合は、年間約15億円、今後20年間で約300億円の新たな支出が必要であると、結論付けていたものが、翌年の2016年度に策定された「座間市アセットマネージメント基本方針」では、今後20年間の維持更新費用は総額約389億5400万円。これに対し過去3年間の普通建設事業費(都市基盤系施設を除く)の平均支出額が13億6100万円であることから、年間約6億円の不足額が生じ、現有公共施設を3割程度縮減しなければ今後の維持が困難であるとしています。

このように年間の不足額がわずか1年で、約15億円から約6億円へと変わっているわけですが、これは「公共施設利活用指針」では、支出費目を「維持補修費」で計算していたものを、「アセットマネージメント基本方針」では、普通建設事業費から道路、橋りょう等の都市基盤施設を除いたものに変更したことによるものと思われます。確かに建て替えや大規模修繕は、「維持補修費」ではありませんから、変更後の普通建設事業費の数字を用いるのが正しいと思いますが、変更にあたって、なぜ変更したのか等の説明は全く記されておりません。今後20年間の将来見通しにあたって、不足額が300億円から120億円へと大きく変わっているにもかかわらず、何の説明もなしに変更されているというのは、理解に苦しむ次第であります。

また、当該決算年度で策定された「座間市公共施設再整備計画基本方針」では、前年度の「アセットマネージメント基本方針」と同様に、普通建設事業費の過去3年間の平均値をもとに年間6億円の財源不足額とし、「現有公共施設を3割程度縮減しなければ今後の維持が困難である」と結論付けております。

ところが、ここで用いている普通建設事業費の過去3年とは、2012年度から2014年度であり、直近の2014年度から2016年度の数値を用いると大幅に変わってきます。担当課にお聞きしたところ、直近の数値は持ち得ていないとのことでしたので、あくまでも私の試算によるものですが、普通建設事業費から都市基盤系施設を除いた額は、2014年度が18億8097万円、2015年度が24億9411万3千円、2016年度が25億4507万5千円となり、直近3ヵ年の平均は、23億671万9千円となります。この数値からすると、今後20年間で必要とされる年平均20億円を上回り、論理的には現有公共施設を全て維持することができるという具合に結論が大きく変わってくることになるわけであります。

当該決算年度に策定した「座間市公共施設再整備計画基本方針」は、今後3ヵ年かけて各部局が公共施設再整備計画を策定していく上での、まさに基本方針を定めたものであるにもかかわらず、こうした推計値の違い、しかも現有公共施設を維持するのか、3割縮小するのかという基本的な問題の結論が違ってくるわけですから、どのようにして再整備計画を策定するのでしょうか。約750万円の委託費をコンサルタント会社に支払い策定した基本方針ですが、現状では再整備計画を策定するにあたっての基本方針足りえないと言わざるを得ません。再度、公共施設再整備基本方針を見直す必要があるということを申し上げておきたいと思います。

次に、マイナンバー制度導入に伴う関係経費の支出に反対するものであります。当該決算年度では、マイナンバー関連のシステム改修事業及び個人番号カード交付事業の総額は、9669万3千円。このうち国からの補助金の総額は4698万9千円にすぎず、残りの4970万4千円は本市の単独財源によって賄われていることが明らかになりました。国からの一方的な制度であるにもかかわらず、補助率100%どころか、半分以下でしかなかったいう現実は到底容認することができません。国が支出する初期投資額の総額は約3000億円、これに地方自治体の負担分をあわせると少なくとも6000億円以上の経費をかけながら、国民にはほとんどメリットはなく、個人情報の漏えいが本市を含め全国の地方自治体で多発するという状況の中で、適正な支出であると認めることはできません。

チェック機能を果たすことができる座間市議会

以上、2016年度の決算認定に反対する主な理由を申し上げて参りました。住民福祉の向上のために限られた財源をどの分野にどのくらい配分をするのか、ということは、地方自治の永遠のテーマでもあります。

再度、申し上げますが、議会が議決した総合計画は、政策、施策方向性を示したものであり、これを具体化するのが、当局の裁量部分である実施計画や毎年度の予算編成であります。故に、「実施計画のとおりに予算が執行されたから良い」とするだけでは議会のチェック機能を果たしたとは言えません。総合計画に示されている政策・施策方向性の中で、事業化されていない施策や実施計画に盛り込まれていたとしても、適正な予算措置がされていない施策、あるいは必要以上に過大に予算措置されている施策など様々なものがあるでしょう。こうしたことについて、座間市議会が、市民の立場にたって、活発な議論が交わされる議会となることを心から願うものであります。

次に、陳情についてでありますが、ただ今議題となっております陳情のうち、陳情第16号「薬害肝炎救済法の延長を求める意見書の採択を求める陳情」及び陳情第17号「所得税法第56条の廃止を求める意見書を国に提出することを求める陳情」については、その趣旨に賛同し採択すべきと考えます。陳情第14号「北朝鮮ミサイルに備えた避難訓練等の実施を求める陳情」については、その趣旨に全く賛同することはできませんので、不採択とすべきであると申し上げ、議員の皆様のご賛同をお願いし、討論を終わります。

2017-06-13

2017年第2回定例会 一般質問

20:10

ただ今より、一般質問を行います。

1.入札制度について

1)「市内業者」に厳しい座間市の入札参加要件

さて、一般質問の第一点目は、「入札制度について」であります。座間市工事請負に関する条件付き一般競争入札事務取扱基準では、条件付き一般競争入札の参加要件は、予定価格の金額に応じて、地域区分及び格付け等級ごとに定められております。

本市の土木一式工事の参加要件を例にとってみるならば、予定価格1500万円未満の工事の地域区分は、「第1地域」及び「第2地域」となっております。「第1地域」とは「本店所在地が市内」の業者であり、第2地域とは「本店所在地が市外で、市内に受任者」、すなわち支店を設けている業者のことを言います。

予定価格1500万円以上1億円未満の工事の地域区分は、「第1地域」「第2地域」に加えて「第3地域」までとなっております。「第3地域」とは、「本店所在地が海老名市綾瀬市大和市厚木市愛川町清川村にある」業者が、入札参加することができるというものです。なお、予定価格の金額区分は、経営審査に基づいた業者の格付け等級(A〜Dの4段階)によって、今、申し上げたものより細かく区分されておりますが、今回は地域区分について焦点をあてて指摘をするために、格付け等級による区分は省略しております。

では、土木一式工事の近隣他市の参加要件はどうなっているのでしょうか。資料1をご覧ください。海老名市の場合は、1億円未満の工事はすべて市内本店の業者しか入札に参加することができません。1億円以上1億3千万円未満の工事になるとやっと、市内本店とあわせて市内支店の業者が参加することができるいうものになっております。綾瀬市の場合は、市内本店のみしか入札参加できない金額はさらに大きく1億5000万円未満の工事となっており、大和市も同様であります。厚木市の場合は、すべての工事において、原則市内本店の業者しか入札に参加できず、特殊工事や大型工事などで市内事業者のみでは入札参加者が確保されないことが予想される場合にのみ市内限定ではなく、地域を拡大しているとのことであります。こうした近隣他市の入札参加要件は、おそらく地元業者の受注機会の確保という観点からの措置と考えられます。

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以上、ご覧になっておわかりのとおり、本市と近隣他市とでは入札参加の地域区分による基準が、大きく異なっております。簡単に言えば、本市の市内業者は、本市発注の工事の入札にあたって近隣の市外業者とのし烈な競争にさらされておりますが、一方で本市の市内業者が近隣他市の入札に参加するのは、実質上不可能に近い状態になっているということであります。

これは、1998年本市において市内業者による談合事件が発覚したことから、談合防止、適正な競争という観点で、近隣他市と比べて、地元業者にとっては「厳しい入札参加要件」を課しているものと思われますが、その後、電子入札制度が導入され、かつ予定価格2000万円未満の工事においては、最低制限価格とほぼ同額の入札価格に多くの業者が集中し、くじ引きにより落札者が決定しているという現状からすれば、また、近隣他市との均衡を図るという点からすれば、「第1地域」=「市内本店」限定の区分を設けることや、「第1地域」「第2地域」の予定価格区分を引き上げるなど、入札参加要件見直しを進めていくべきだと考えますが、当局の現状評価及び見直しの考えについて所見を求めるものであります。

2.上下水道局庁舎問題について

次に、一般質問の第二点目は、「上下水道局庁舎問題について」であります。この問題について私は、昨年6月の一般質問、本年3月の一般質問及び予算決算常任委員会都市環境分科会において、当局に不明な点を質して参りましたが、率直に申し上げて、今回、PPP・リース方式を採用したことの妥当性においても、また、その意思決定過程においても、不可解な点が数多く見受けられました。そこで、今回の一般質問では、再度、不明な点を質して参りたいと思いますが、本市にとっては、初めてのPPP(官民連携事業)の取り組みでもありますので、今後に向け、しっかりとした教訓を導き出していければと思います。よって、当局におかれましては、明快かつ誠実な答弁を期待するものであります。

1)事業の概要及び経過

ではまず、改めて事業の概要及び経過を振り返ってみたいと思います。この上下水道局庁舎等整備事業は、本市では初めてのPPP(Public Private Partnership)官民連携事業であります。本事業は、座間市上下水道局が(最初の起案時は上下水道部ですが)、市庁舎に隣接する市有地に商業施設及び水道料金お客様センターを併設する上下水道局庁舎の設計・建設・維持管理を、一括して民間事業者に発注し、上下水道局は20年間リース料を支払い、その後、建物は上下水道局へ譲渡されるというものであります。

2015年度に当時の上下水道部から「日水コン」というコンサルタント会社へ「民間資金等による公共施設整備支援業務委託」が行われ、同社より「座間市上下水道局庁舎、導入可能性調査業務報告書」が提出されております。この報告書を受けて2016年2月、当時の上下水道部は「リース方式による一括発注が可能である」として、「プロポーザル方式による業者選定の準備を進めます」との回議書を提出し、市長の決裁が行われております。この段階で、まず庁内的な意思決定が行われていることになります。

その後、2016年3月には本事業に対する民間事業者の意見やアイデアを取り入れいることを目的とした「民間事業者との対話」が実施されております。そして、5月には「(仮称)座間市上下水道局庁舎等整備事業実施方針」が公表されました。8月には議会において20年間で総額5億2260万6千円の「債務負担行為」が議決された後に、同じく8月に「募集要項」及び「要求水準書」が公告されました。しかし、募集期間中に応募事業者はなく、公募は不調に終わり、2016年11月に新たな「募集要項」及び「要求水準書」が公告され、今回契約に至った大和リース株式会社1社が応募。2017年1月に「座間市上下水道局庁舎等整備事業に係わる公募型プロポーザル選定委員会」で同社が優先交渉権者と確定され、2月に同社と上下水道局との間で「譲渡特約付賃貸借契約書」が締結されております。

以上が、本事業の概要及び経過でありますが、今回の一般質問では、大きく二つの観点、一つは「PPP・リース方式選択の妥当性について」、もう一つは「本事業の推進過程」特に意思決定過程について、検証してみたいと思います。

2)PPP・リース方式選択の妥当性について

なぜ、2018年4月開庁?

まず、「PPP・リース方式選択の妥当性について」でありますが、2015年度に実施された「座間市上下水道局庁舎 導入可能性調査業務 報告書」によると、調査開始段階において、「事業スケジュール」について、次のような記述があります。

平成30年4月までに新庁舎での営業を開始したいという市の方針に対し、公設方式やPFI方式では時間的余裕がない」「公設・公営の場合、実施設計及び建設工事に約3年かかるため、スケジュールに見合わない」

としていますが、これはいわば当たり前の話であって、新庁舎での業務開始を2018年(H30年)4月とすれば、それだけで公設・公営方式やPFI方式は自動的に選択肢から外れることを意味します。さらに「公設・公営方式ではスケジュールに見合わない」とのことでありますが、その違いはわずか1年であります。この「1年の短縮」にどれほどの意味があるのでしょうか?2018年4月に業務開始しなければならない、特段の理由があるのでしょうか?2015年の導入可能性調査段階で、「2018年(H30年)4月開庁」とした理由について、まずは説明を求めるものであります。

想定利益率は適正だったのか?

次に、リース方式選択の妥当性を検証する重要な論点として、事業フレームの変更や上下水道局が事業者に求める要求水準の度重なる変更があります。資料2をご覧ください。これは、2015年導入可能性調査報告書におけるリース方式による事業スキームであります。このスキームでは、例示されているコンビニエンスストアなど商業施設の賃借料は、事業者へ収入されるものの、上下水道局が事業者へ支払うリース料と相殺され、局側の負担が削減されるというものであります。

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次に資料3、資料4、資料5をご覧ください。これは、導入可能性調査報告書における公設・公営方式とリース方式とのコスト比較で、資料3は公設・公営方式の試算、資料4はリース方式で民間事業者の一括発注等により事業費が12%削減された場合の試算、資料5は事業費が17%削減された場合の試算であります。

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ご覧になればおわかりのとおり、事業費が12%削減の場合、上下水道局が支払うコストは、20年間で4億242万7千円。公設・公営方式のコストは4億243万9千円。その差はわずか1万2千円で、ほとんど変わりません。ところが報告書では、この比較(1万2千円の違い)について、「総事業費削減効果はあることが確認された」と記されております。一方、事業費が17%削減された場合の方は、事業費の削減率を増やすだけではなく、商業施設の賃借料収入を3倍以上引き上げ試算しております。その結果出てきたのが、上下水道局の20年間の実質コストは2億4000万円、年間1200万円、というもので、現在の市役所庁舎使用料と変わらないという大変「夢のような」プランでありました。これを上下水道局長は、昨年6月議会において、事業費削減効果として説明をしていたわけであります。のちほどご覧いただきますが、ちなみに、今回の契約に至った大和リースの事業提案書では、総事業費は、削減どころか約12%公設公営方式より増加しております。

さて、ここで、注目していただきたいのは、リース方式の場合の「支出」項目に記載されている「リース費用」という費目です。これは、工事費等施設整備費の10%を「想定利益率」として、額としては事業費12%削減の試算では2697万4千円が、17%削減の試算では2564万9千円が計上されております。これは、20年間の事業者利益、有体にいえば事業者の取り分と考えられますが、年間にすると約128万円〜135万円ほどであります。わずかこれだけの「事業者利益」で、民間事業者がこの事業に参入してくるとお考えだったのでしょうか?ちなみに、その妥当性はともかく、今回契約をおこなった大和リースの事業者提案書では事業利益は20年間で2億円、年間1000万円となっております。

そこでお聞きするものでありますが、導入可能性調査報告書の事業スキームで想定されている事業者利益とは、「リース費用」の項目に計上されている20年間で「2697万4千円」又は「2564万9千円」と理解してよいのでしょうか?また、もしそうだとすれば、この事業者利益の想定は適切かつ現実的なものだったのでしょうか?説明を求めるものであります。

事業フレームの変更はなぜ?

次に、事業フレームの変更内容についてお聞きして参ります。この導入可能性調査段階での事業フレームは、2016年3月「民間事業者等の皆様との『対話』実施要領」、2016年5月「(仮称)座間市上下水道局庁舎等整備事業 実施方針」までは変わっておらず、資料2のように、上下水道局は事業者に対しリース費用を支払い、商業施設賃借料は事業者に収入されるものの、上下水道局が支払うリース料と相殺され、これにより上下水道局の費用負担が軽減されるというものでありました。

資料6ご覧ください。ところが、2016年8月の債務負担行為の議決後に公告された「募集要項」及び2016年11月に再公告された「募集要項」では、商業施設賃借料と上下水道局が事業者に支払うリース料が相殺されるものではないという形に変更されております。これはおそらく、導入可能性調査段階での事業フレームでは、適正な事業者利益を見込むことができないと判断し、商業施設賃借料の全てを事業者利益として見込むことも可能としたうえで、できることならば全てを事業者利益とせず、多少はリース費用から差し引いてもらればという願望をも込めて、事業フレームを変更したものと考えられますが、改めて事業フレームを変更した理由について、説明を求めるものであります。

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また、本年3月の第一定例会において上下水道局長は、「私どもにとって有利なのものであれば、当然実施方針や事業スキームを変更することがある。また、逆に何か支障とか困難なことがあれば、最善の対応を私どもはまかされている」と答弁されておられますが、では、この事業スキームの変更は、局側にとって有利な事業スキームだったのでしょうか?それとも「困難なことに対する最善の策」だったのでしょうか?説明を求めるものであります。

要求水準(駐車場の配置)の変更はなぜ?

次に、「要求水準」の変更について、お聞きします。上下水道庁舎に併設されるコンビニ等の商業施設については、駐車場の確保がその収益性に大きく影響してくると思われますが、駐車場の配置条件は次のように変更されております。資料7をご覧ください。

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これは、2015年の導入可能性調査報告書に記載されている配置図ですが、ご覧のとおり駐車場は建物の東側に9台分が確保されております。さらに、2016年5月に公表された「実施方針」でも、「敷地内には9台以上の駐車スペースを確保することとし、(中略) また駐車場への進入については、東側道路からの進入とする」と明記されております。これは、私が本年3月議会一般質問で指摘した内容と同じであり、適切な駐車場台数の確保という点からも、また、交通安全対策という点からも妥当な案であります。ちなみに、この質問時には私は導入可能性調査報告書を入手しておりませんでしたが、まあ、ふつうに考えれば、極めて常識的な考え方だと言えると思います。

これが、2016年8月公告時の「要求水準書」では、「敷地内には、外来者用の駐車スペースを確保する。(中略) 東側道路からの進入とする」と東側道路からの進入は残されたものの、駐車台数は明示されなくなりました。さらに、2016年11月の「要求水準書」では、「敷地内に外来者用の駐車スペースを確保」とだけになり、進入経路の指定も行われなくなりました。その結果、大和リースの事業提案書では、台数は身障者用駐車スペースを含んで5台分、進入経路は交通安全上問題が多いと思われる北側道路からの進入となっているわけであります。

これはおそらく、コンビニ等の収益性からも、交通安全上からも、東側道路からの進入で、駐車台数を最大限確保する施設配置が最適であると認識しつつも、これを要求水準とすれば、既存の擁壁の撤去、土地の造成、新たな擁壁の築造などの整備費が重荷となり、事業者の事業利益を確保できないのでないかという点から、要求水準が緩和されたと思われますが、駐車場の配置条件が変更されてきたことについて、その理由の説明を求めるものであります。

公設公営の方が安い

次に、リース方式選択の妥当性を検証する上で、最も重要な論点となる公設・公営方式とリース方式とのコスト比較について、改めて議論したいと思います。資料8をご覧ください。これは、昨年8月の債務負担行為議決前に当局が公設公営方式とリース方式とのコスト比較を再計算したものと、大和リースの事業提案書を合わせた表であります。

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当局の見解によれば、リース方式の場合の上下水道局の負担額は20年間で5億2260万6千円で、公設・公営方式の場合の5億5922万9千円と比べて、3662万3千円ほど安くなり、リース方式の方が有利であるとのことでありました。しかし、公設・公営方式の当局の試算における上下水道局の負担額5億5922万9千円は、施設整備費やメンテナンス費用等の総事業費の合計額であって、自ら試算しているお客様センター賃借料5966万4千円と商業施設賃借料6079万4千円が差し引かれておらず、これらを総事業費から差し引くと、公設・公営方式の場合の上下水道局の負担額は4億3877万1千円となり、リース方式より8383万5千円ほど安いということになります。

これについて当局は、リース方式の事業フレームが変更となり、賃借料収入とリース料が相殺されないフレームに変わったため、公設・公営方式の場合も総事業費から賃借料を差し引かないとおっしゃっておられますが、率直にいって理解不能であります。当たり前の話ではありますが、施設整備とメンテナス等において同一条件のもとで比較するわけですから、公設・公営方式の場合は商業施設などを併設する施設建設をしたとしても、その賃借料は収入されないと想定して比較するのは明らかに間違っております。公設・公営方式の場合、なぜ賃借料を総事業費から差し引かないのか?改めて説明を求めるものであります。

お客様センターの賃借料は誰が払うのか

次に、お客様センター賃借料について、お聞きして参ります。資料8の表をご覧いただければおわかりのように、お客様センター賃借料は当局の試算では20年間で5966万4千円であったものが、大和リースの事業提案書では1億7107万2千円と3倍近く膨れ上がっております。では、この1億7107万2千円は一体誰が実質上負担するのか、と言う点について考えてみたいと思います。

現在、上下水道局は株式会社東計電算と水道料金及び下水道料金徴収等業務委託契約を締結し、東計電算は「水道料金お客様センター」を市役所近くの賃貸ビルにおいて開設しております。この業務委託の「業務仕様書」において「事務所借上げに係わる経費」は、受託者=東計電算が負担する経費として明記されておりますが、上水道局が同委託業務にあたって作成した「業務委託積算内訳書」では、事務所家賃月額30万円、水光熱費月額8万円が計上されております。再び、資料8の表をご覧ください。お客様センター賃借料の試算では、公設・公営方式、リース方式どちらも20年間で5966万4千円、月額24万8600円と想定されておりますが、これは現行の委託料の内訳書に示されている月額30万円より少ない額として見積もられております。しかし、大和リースの事業提案書では3倍近く賃借料は引き上げられことになります。

ではこの賃借料を実際は誰が負担することとなるのかという点ですが、今回の大和リースとの契約書を見て参りますと、第4条(賃借料及び支払方法)の第10項ではお客様センターが支払う賃借料は大和リースと別途契約する旨が規定されております。つまり、形式上といいますか、契約上は市の受託業者が支払うということを定めたものであります。次に、第11項では平成30年開業時においては、大和リース提案する費用でお客様センター受託事業者と契約する旨が定めらております。これは、おそらく大和リースが事業提案書で示した年額賃料ではなく、大和リースと受託事業者との間で任意に設定される賃借料だと思われます。(おそらく現行のどおり) なぜなら、受託事業者からすれば現在の委託料の含まれている事務所賃料分では賄うことができず、もし上下水道局の支払う委託料を増やして対応しようとするならば、受託業者との契約はすでに2021年度までの長期契約が行われているため、変更契約をしなければならなくなるからです。さらに第12項では、お客様センター事業者が変更された場合、大和リースが事業提案書で示した賃借料を下回る場合は、上下水道局が負担することが定められております。これは、2021年度以降、受託事業者が変更された場合、委託料がどのような額になったとしても(入札によるものなので)賄えない分は、上下水道局が支払うこと、いわば債務保証が定められたものであります。

以上のことを整理すると、上下水道局庁舎における「お客様センター」賃借料は、契約上は受託業者が支払うこととなりますが、上下水道局が受託業者へ支払う委託料に賃借料分は含まれおり、さらに大和リースと受託事業者との契約において、事業提案書で示された額を下回った場合は、上下水道局が差額を支払うこととなるわけですから、実際上は上下水道局が負担するものと思われます。そこで、お聞きするものでありますが、お客様センター賃借料について、こうした理解でよろしいでしょうか?見解を伺うものであります。

2)事業の推進過程、意思決定過程の問題について

次に、今回のPPP・リース方式による上下水道局庁舎等整備事業を検証していく二つ目の観点、事業の推進過程、意思決定過程の問題について議論を進めて参りたいと思います。

本事業は、座間市で初めての官民連携事業であったわけでありますが、事業を進めるにあたって、PPP事業を実施する際の手続き及び庁内体制などを定めた規程やガイドライン等は整備されていたのでしょうか?まずは伺うものであります。

次に、本市では2006年12月に「民間活力有効利用指針」が策定され、2015年3月に改訂されております。改訂版では「民間活力有効利用の手法」の中にPPP事業が位置付けられました。また、改訂版では、「8選定にあたり」として、「担当課で民間活力の有効利用が可能と判断した事業については、財政課、企画政策課との調整後、行政改革推進委員会に諮ることとする」とあり、「民間活力有効利用予定事業採択フロー」が記されております。

資料9をご覧ください。これがフローチャートですが、では、上下水道局庁舎等整備事業は、この「民間活力有効利用予定事業採択フロー」に基づいて事業採択が行われたのでしょうか? 説明を求めるものであります。

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また、2016年2月の段階で、導入可能性調査の結果をもとに、上下水道局庁舎等整備事業をPPP・リース方式で推進するという判断をされているようですが、この判断は、当時の上下水道部内の判断なのでしょうか、それとも政策会議や行政改革推進委員会等、全庁的な会議体における判断なのでしょうか?説明を求めるものであります。

次に、事業者の選定過程についてお聞きします。今回の公募型プロポーザルでは、座間市上下水道局庁舎等整備事業に係わる公募型プロポーザル選定委員会が組織され、大和リースが提出した事業提案書が審査されております。審査においては、事業計画、施設計画、維持管理計画提案金額について、全体で25項目の評価基準に基づいて、各委員が5段階評価評価点を記入する方法が取られております。本件の場合、評価基準点の満点130に対して選定委員の平均は77.8、得点率は58.81%でありました。100点満点にすると59点ぐらいだったということですね。選定委員8名の中で、最高の得点率は67.69%。最低は46.15%であったとのことであります。

本件の場合、応募事業者が1社であったため、評価基準点による相対評価は行うことができず、絶対評価となりますが、58.81%という低い得点率であっても優先交渉権者に決定されております。本件が、座間市で初めてのPPP事業方式による事業であったことを考えるならば、最低基準点を設け、事業内容の品質の確保に努めるべきであったと考えるところでありますが、最低基準点を設定しなかったのはなぜでしょうか。説明を求めるものであります。

次に、議会対応についてお聞きします。昨年6月議会での私の一般質問に対する局長答弁から8月議会債務負担行為の議決時までに、本事業の事業スキームは、大きく変更されております。しかし、8月議会では議案提案にあたって、上下水道局より事業スキーム変更の説明は行われておりません。また、債務負担行為議決後も、8月公告時と11月再公告時では、さらに施設条件及び維持管理条件が変更されておりますが、議会への報告等はありませんでした。事業の発案から終結に至る全過程を通じて透明性が確保されることは、PPP事業の原則の一つではないでしょうか。こうした重要な変更については、適宜適切な議会等への報告が必要であったと考えるものですが、見解を伺うものであります。

3.水道事業の今後のあり方について

現在、国会に「水道法の一部を改正する法律案」が提出されております。会期切れを間近に控え、大幅な会期の延長がない限り今国会での成立は不可能と思われますが、改正の主な内容は、「1.関係者の責務の明確化」「2.広域連携の推進」「3.適切な資産管理の推進」「4.官民連携の推進」「5.指定給水工事事業者制度の改善」と説明されております。このうち、特に注目すべき点として、「1.関係者の責務の明確化」及び「2.広域連携の推進」については、「都道府県は水道事業者等との広域的連携を推進するよう努めなければならない」として、「努力義務」が課せられ、都道府県と関係市町村及び水道事業者等との「協議会設置」が定められております。旧厚生省時代から、国は水道事業の広域化を推奨してきた経緯がありますが、本法律案が今後成立するならば、「広域連携」「広域化=事業体の合併」等が加速する可能性があります。

また、「4.官民連携の推進」では、「地方公共団体が、水道事業者としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」として、いわゆるコンセッション方式の導入を可能とするものとなっております。これは、国民の大切なライフラインである水道事業の運営を営利企業へ委ねるという水道民営化に道を拓くものと言えます。

そこで、企業管理者に伺うものでありますが、水道法の一部を改正する法律案」について、上下水道局の評価問題意識、また懸念等あれば、お聞かせいただきたいと思います。また、本市の水道事業の今後のあり方として、「広域化=事業体の合併」やコンセッション方式について、どのようにお考えか、所見を伺いたいと思います。

以上、16項目にわたり質問致しました。明快な答弁を求め、一旦降壇致します。

2017-03-26

2017年度第1回定例会 討論

18:08

それではただ今議題となっております諸議案のうち、議案第8号の2017年度の一般会計予算に対する反対討論、議案第12号の水道事業会計予算に対する反対討論、及び陳情第11号「平成29年度からの特別徴収税額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載する件についての陳情」に対する賛成討論を行います。

アベノミクスの破綻と地方財政

まず、一般会計予算についてでありますが、2017年度の座間市一般会計予算の総額は、412億6876万2千円。この予算について市長は提案説明において、次のように述べられております。

「歳入が見込めず非常に厳しい状況であるため、身の丈にあった着実かつ堅実な財政運営が必須である」

これについては、私も同感であります。日銀による国債の大量買い付けやマイナス金利の継続により、日限が供給するマネーの総額は、昨年の6月段階で400兆円を超えております。デフレ時の対応としての金融緩和は、別段驚くに値するものではありませんが、400兆円というマネー供給量は我が国の名目GDPの八割にあたり、二割程度のアメリカユーロ諸国と比べても群を抜いております。問題は、これだけのまさに「異次元」の金融緩和を行いながら、一向にデフレ状態から脱却できす、大量のマネーの多くが株式市場に投入され、実体経済とはかけ離れた株価の「高値安定」という状況をつくり出され、多くの国民の生活実感からすればアベノミクスの「恩恵」などはどこにもないということであります。

議員の皆さん方も、新年の会合などで多くの市民のみなさんや事業者の方々とお話しする機会がおありだったと思いますが、「景気がよい」「業績がよい」とおっしゃっておられる方は何人いらしゃったでしょうか。アベノミクスは完全に失速した上、その出口を見いだせない状態です。こうしたことが、現下の地方財政、そしてわが市の財政の状況に如実に表れております。

綱渡りの予算編成

こうした経済状況の下、本市の2017年度当初予算の特徴を一言で表すならば、「綱渡りの予算編成」とでも言うべきものでありましょう。市長も提案説明の中でこう述べられております。

平成28年度予算の執行管理を徹底する中で、歳出の抑制を図り、執行残額を的確に把握した上、3月補正に計上し、その中から生み出された財源の一部を財政調整基金へ積み立てることにより、平成29年度当初予算の財源を捻出した」

おっしゃる通りなのですが、これに補足をしますと、正確には「2016年度の一般会計補正予算において、各事業の執行残額6億1565万6千円の一部というよりほほその大半と、さらに急遽、公共用地取得基金を廃止し、本来なら公共用地の取得のために積み立てておいた約1億1000万円余りの基金残高を一般財源として繰入れ、財源調整し、その結果5億2600万円余を財政調整基金に繰り入れ、基金残高を一旦は約9億9000万円ほどにしたものの、当初予算でここから8億1296万2千円を取り崩して、予算編成を行った。」というべきものであります。

さらに、その結果、財政調整基金の残高がどうなったのか、この点については市長の提案説明では触れられておりませんでしたが、今回の当初予算後の財政調整基金の残高は、わずか1億7629万9千円。一年前の2016年度当初予算成立後の同基金の残高は12億2931万9千円でしたから、わずか1年で、額にして約10億5千万円、率にして86%も大幅に減少しております。また、この財政調基金残高が1億円台まで減少したことがこれまであったのか、という質疑を企画総務常任委員会において質しましたが、当局の答弁は「初めてのことである」とのことでした。

まさに「綱渡りの予算編成」でありますが、必要なことは、なぜこうした状況に陥っているのか、その原因を分析し、財政運営のあり方を見直していくことであります。

財政調整基金の大幅減少 原因は何か

ではなぜ、財政調基金という年度間の財源調整を行う留保資金がここまで減少してきたのでしょうか。客観的にみると、二つの要因が考えられます。一つは直接的要因。もう一つは、本市の財政構造に起因する問題。

直接的要因は、2016年度に見られた法人税の大幅な減額。特定の大企業法人市民税の減額や過去分の還付によるもので、その額は2016年度だけで約8億3000万円にのぼっており、本市のような財政規模の自治体にとっては、その「瞬間風速」による影響は大きく、これにより留保財源である当時の財政調整基金残高の大半を失うこととなりました。

もう一つの財政構造に起因する問題とは、投資的経費と標準財政規模(経常一般財源)とのバランスの問題であります。ご承知のとおり、教科書的に言えば投資的経費とは「公共施設の建設や用地購入など社会資本の形成に資する経費」で、予算参考資料の説明では普通建設事業費として区分されるものであります。一方、標準財政規模とは「国庫補助金や市債などの特定財源を除いた、市税や地方交付税など通常経常的に収入される一般財源の額」で、ある意味で地方自治体の「自力」を表すものと言えます。

具体的に見ていくならば、投資的経費は市長の2期目がスタートした2012年決算では12億4527万円であったものが、2015年度決算では、34億3858万4千円。2016年度3月補正段階では37億8045万8千円。2017年度当初予算では36億8497万円とこの5年間で3倍以上に増加しております。一方、標準財政規模は2012年度が227億1850万2千円であったものが、2015年度決算では231億1499万1千円。2016年度3月補正段階では235億2190万3千円とこの5年間でわずか3.5%、約8億円ほどしか伸びておりません。

つまり、自治体の基礎体力である標準財政規模はほとんど変わらないにもかかわらず、投資的経費は3倍となっているわけであります。このバランスに注意を払わなければ、財政上の更なる困難を抱えてしまうことになります。

実施計画事業の見直し

市長は、今定例会の中で「総合計画に沿った事業実施、これを公約として示し、それを身の丈に合った形でなしていきたいということを申し上げております。この総合計画自体が私は座間にとっての身の丈だというふうに思っています」と述べられておりますが、ご承知のとおり、総合計画は分野別の政策目標とそれに基づく施策の重点及び方向性を示したものであり、そのもとでの事業及び予算については具体的には示されておりません。事業及び予算は、行政裁量で策定される実施計画予算案によって具体化されるわけですから、事業実施にあたっての予算化は、当然ながら財政状況を考慮にいれながら、進めなくてはなりません。要は何を言いたいかと言えば、実施計画に盛り込まれた事業であっても、財政の状況から、その優先度を再度判断し、見直しを行うべきであるということであります。

私は、現下の財政状況の中では、実施計画事業であったとしても、特に投資的経費については、その資源配分について見直しを行い、必要最低限に抑え、市民の暮らし、健康、福祉、教育に重点的、優先的に資源配分、すなわち「人への投資」へ限られた財源を振り向けていくべきだと主張するものであります。

それでは、こうした観点から、2017年度当初予算に盛り込まれた事業費のうち問題がある主な事業について指摘し、反対理由の説明としていきたいと思います。

耐震性が疑問視される「総合防災備蓄倉庫」

まず、市長室所管の総合防災備蓄倉庫等整備事業費についてであります。本事業の審査にあたって私は大きく三つの観点から、当局と議論を進めて参りました。一つは、総合防災備蓄倉庫へ改築される現消防庁舎の耐震性能の問題。二つ目は、現消防庁舎南側法面土砂災害警戒区域に指定されていることから、それに対する対応策の問題。三つ目は、防災備蓄品の集中管理と分散管理の問題であります。

このうち、二つ目の土砂災害警戒区域に対する対応は、今後市道30号線道路改良事業において、法面全体にわたって擁壁工事を行う予定であるとのことから、その対応については適切なものであると判断しました。また、三つ目については集中管理方式により、有事の際にこの防災拠点がダメージを受けた場合のリスクを懸念しておりましたが、避難所等での備蓄と総合防災倉庫での備蓄とを組み合わせた方式であることがわかりましたので、適切なものあると判断しました。

しかし、一つ目の耐震性能については、今回の議論では、その懸念は解消することができませんでした。現消防庁舎は、1972年に建設されたものですでに45年が経過しております。1998年に耐震補強工事を行っているものの、耐震性能を示す指標であるIS値は0.88となっております。IS値について耐震改修促進法の告示では、一般建物については0.6、病院、学校、庁舎などの防災拠点となる建物については重要度に応じてその1.25倍〜1.5倍、すなわち0.75〜0.9以上が必要とされています。この基準からすると、最重要度の建物の基準0.9には達しておらず、さらにIS値を算出する指標の中には「経年指標」も含まれております。耐震補強工事から20年近くが経過しておりますから、再度耐震診断を行い、必要とあらば改築工事と合わせて耐震補強も行うべきだと考えます。

しなしながら今定例会の予算審査における当局の答弁は、耐震診断については「費用対効果の点からどうか」「防災備蓄倉庫は常時人がいるわけではない」という理由で行わないというものでありました。東日本大震災の教訓からしても、災害においては「最悪の事態」を想定した対応が必要だと思われます。よって、新年度当初予算においては、耐震診断も含めた予算措置を行うべきであり、本事業費については認めることはできません。

小田急相模原駅前西地区再開発 公益性が少ないペデストリアンデッキ

次に、都市部所管の小田急相模原駅前西地区市街地再開発事業費についてであります。本事業については、新年度当初予算において3億4192万8千円が措置されておりますが、事業の全体を概括すれば、2014年度から2019年度までの6か年の総事業費の見込みは19億3194万4千円で、市街地再開発事業に対する補助金、保留床を市が取得する経費、及び上空横断施設(いわゆるペデストリアンデッキ)の建設費が主な内容となっております。

本事業の問題点は、再開発事業への補助にとどまらず、保留床の取得に約7億3000円、デッキの建設に約3億円、合計10億円以上の経費をかけることであります。以前当局は、本再開発事業の採算性について「保留床の取得予定者として、参加組合員予定事業者が選定されることから採算性は支障がない」と明言して事業を再スタートさせたわけですが、結果的には商業棟の75%を市が公共床として取得せざるを得なくなり、都市計画の変更決定の際には、設置が未定であったペデストリアンデッキの建設が加わり、事業費を押し上げることになったわけであります。現時点において、保留床の取得が前提として事業フレームが成り立っている以上、市が保留床の買い取りを放棄することは現実的ではない面もありますが、最低限、デッキの建設は断念すべきであります。

当局はデッキの公益性について「相模原市再開発ビルとの往来ができ、回遊性が確保できる」ということを理由としておりますが、商業棟の店舗はほぼ一階のみで、デッキが接続される3階には店舗はありません。何のための「回遊性」なのでしょうか。どちらかと言えば高層マンション居住者の利便性が確保されるだけのものではないでしょうか。そうした点から、デッキの公益性は少なく、たとえなくても再開発事業に特段の支障はないものと思われますので、デッキ建設の実施設計委託料が措置されている本事業費を認めることはできません。

投資的経費を大幅に押し上げる都市計画道路座間南林間線の整備

次に、同じく都市部所管の座間南林間線道路改良事業費についてであります。都市計画道路座間南林間線の整備方針の政策的な問題点については、この壇上において重ねて指摘しているところでありますので、繰り返しは致しませんが、今後の投資的経費を大幅に押し上げる要素となることからしても、整備方針見直しが必要だと思います。当局の見通しとしては、2019年度頃に都市計画の変更決定を行い、その後用地買収を行うとのことでありますが、当局の試算でも踏切立体交差だけでも事業費は27億円。用地買収と工事を含めると40億〜50億の大規模事業となります。もちろん、単年度ですべて行えるものではありませんが、本市の財政の基礎体力からして、この莫大は事業費負担は可能なのでしょうか。もし、そのまま突き進むことになれば、財政上、他の分野にそのしわ寄せが生じることとなります。今一度、立ち止まって考えなおすべきであります。

本市のインフラ整備の重点としては、こうした大規模な都市計画道路の整備を優先するのではなく、生活道路のバリアフリー化など「高齢者子どもたちも安心して歩くこと出来る歩行空間」の整備に重点的な資源配分を行うべきであります。投資的経費を本市の財政の身の丈にあったものとし、超少子高齢化社会の到来の中で、健康、福祉、教育など、あるいは地域の商業、中小企業など地域のコミュニティの中で、懸命に働く人々、すなわち「人への投資」に力を入れるべきであります。こうした点から、今後の投資的経費を大幅に押し上げる座間南林間線道路改良事業費を認めることはできません。

以上をもって、2017年度の座間市一般会計予算に対する反対討論と致します。

上下水道庁舎 当局はPPP(官民連携)方式・リース方式の利点をどう説明していたのか

次に、議案第12号の2017年度の水道事業会計予算に対する反対する討論を行います。ここでは、PPP(官民連携)方式で行われる上下水道局局庁舎の建設、維持管理について、今回の予算審議において明らかとなった問題点を指摘をして参りたいと思います。

まず、今回上下水道局庁舎の建設、維持管理をPPP方式リース方式で行うこととした理由について当局は、次のように説明されておりました。

資金調達、設計、建設、施設の維持管理等を民間事業者に一括発注することにより、従来の公設公営発注方式と比較して事業費の削減、事業推進の効率性などが望める」

「PPP事業方式により財政負担額を軽減する手段の一つとして、上下水道局庁舎に商業施設を併設し、賃貸借料を収入として見込み、上下水道局がリース会社に支払う費用負担を軽減する考えである」

と、これまでの議会の答弁で述べられておりました。

公設公営方式の安い

昨年6月議会段階の試算では、上下水道局が負担する費用すなわち20年間のリース料総額は2億4900万円(年間1245万円)であったものが、本年2月に行われた大和リースとの契約においては、5億2254万円と2倍以上に膨らんでおります。

これについて当局は本定例会において、この昨年6月議会の答弁以降、昨年8月、債務負担行為の設定にあたり再試算をしたところ、公設公営の場合は5億5922万9千円、リース方式の場合は5億2260万6千円となり、比較すると公設公営方式方式に比べリース方式の方が3662万3千円安くなる」と答弁されました。

ところが、当局が公設公営の場合の費用負担額として持ち出してきた5億5922万9千円は、建築費や維持管理費などの支出の総額であり、お客様センター賃料や商業施設賃料は差し引かれておりません。このことを予算決算常任委員会都市環境分科会において問いただしたところ、当局は公設公営の場合のお客様センター賃料は5966万4千円、商業施設賃料は6079万4千円と試算していたことを明らかにしました。

要するに当局は、自ら公設公営の場合の賃料を収入として試算しておきながら、リース方式との比較においては、それを差し引かずに比較をするという、全く持って、不可解かつ非合理的な態度をとっているわけであります。故に、当局が自ら試算された公設公営の場合の費用負担額は、支出から収入を差し引くと4億3877万1千円で、リース方式より約8300万円ほど、公設公営の方が安くなるというのが、妥当な比較であります。当局の「比較」は、リース方式の方が「安い」ということ演出するための、極めて作為的なものとしかいいようがありません。

リース料の総額(20年間)は5億2260万6千円だけではない

さらに、上下水道局が支払う20年間のリース料総額は、5億2260万6千円となっておりますが、費用負担はこれだけではありません。先ほども紹介したとおり、当局は「資金調達、設計、建設、施設の維持管理等を民間事業者に一括発注することにより、従来の公設公営発注方式と比較して事業費の削減、事業推進の効率性などが望める」とおっしゃられておりましたが、今回の契約では維持管理費のすべてをリース会社が負担するわけではありません。

今回の事業者公募にあたっては、昨年8月に事業者公募を行ったものの応募者がなく、11月に再度公募を行い、大和リース株式会社1社のみが応募しておりますが、上下水道局が事業者に求める要求水準書では、8月と11月を比べると求める水準は事業者側にとって有利な内容へ緩和されております。8月段階では事業者が行うものとされていた「建物内部の清掃業務」「害虫駆除業務」「廃棄物処理業務」が11月では削除されており、この費用は当然上下水道局の負担となります。

また、法定点検・定期点検によって発見された不具合に対する事業者の対応は、8月段階では「対応する」であったものが、11月では「報告する」に変更されております。「報告」後の対応は定められておりませんから、上下水道局と大和リース株式会社との「協議」によるものと思われますが、その結果上下水道局側の負担が生じる可能性があります。

さらに、大和リース株式会社との契約書では、第4条(賃貸借料及び支払方法)の12項では「前項のお客様センター事業者が変更された場合には、乙(大和リース)が提案書にて提示した費用を基に市と協議して賃貸借料を決定するものとするが、決定した賃料を下回る場合には甲(上下水道局)の費用において支払うものとする。」と定められております。これは、市から委託されたお客様センターの事業者が賃料を支払えない場合は、不足分を上下水道局が支払うことを定めたものであり、いわば上下水道局が債務保証する形となっております。

以上の点から、上下水道局の負担はリース料の総額5億2254万円にとどまるものではありません。確実にこの額に加えて費用負担が生じることとなり、その額は上下水道局が作為的に示した公設公営の場合の費用負担額5億5922万9千円をも上回ることになるでしょう。これでは、民間活力を導入した方が、事業費の負担は軽くなるという話は一体どこへ行ってしまったのか、と言わざるを得ません。

民間活力の導入による庁舎建設 妥当性はない

今回のこうした「民間活力の導入」による上下水道庁舎の建設、維持管理については、コスト比較の妥当性の問題、準備事務における当局の説明責任の問題、さらにこうしたずさんな試算のもととなったアドバイザー契約及び導入可能性調査を行ったコンサルタント会社への委託費支出の妥当性の問題などから、新年度予算において措置されているリース料の支払いは認めがたく、反対をするものであります。

今後の公共施設再整備 しっかりとした検証を

なお、現在本市においては「公共施設再整備計画基本方針」が策定されようとしております。示されている素案では、「民間活力の導入」として「民間企業等のもつ多様な知識ノウハウの活用等、より効率的な管理運営に資する方策を積極的に取り入れます」とし、さらに「施設の所有権を民間に移譲することについても、費用抑制につながるのであれば、中長期的な視点から選択肢の一つとします」と記されており、アンケート調査では市は公民館や文化センター、図書館などについて「民間活力の導入による効率的な事業運営」を例示しております。

今後、公共施設再整備計画が策定されることと思いますが、本来なら今回の上下水道庁舎建設における「民間活力の導入」は、その最初の事例として、「成功例」をつくりたいという衝動が、官民コスト比較における客観性を欠いたものとしたように、私には思われます。市長はじめ当局におかれましても、議員諸氏におかれましても、今後の官民連携事業においては、しっかりとした検証が必要であるということを最後に申し添えておきたいと思います。

必要のないマイナンバーの記載はやめるべき

次に、陳情第11号「平成29年度からの特別徴収税額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載する件についての陳情」に対し、賛成討論を行います。 本陳情は、「給与所得者等による市町村民税道府県民税特別徴収額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載しないこと」等を求めたものであります。

これは、本市の行政事務に置き換えてみますと、市が市民税・県民税の特別徴収額(いわゆる給料からの天引き額)を事業者へ送付する際に、特別徴収を受ける従業員の個人番号を記載する欄が設けられ、その記入については、「記入してくださいよ」という助言が国からあったということであります。

法令上からすれば、個人番号の記載欄は、総務省令である「地方税法施行規則の一部を改正する省令」の中の「様式」として定められているものであり、記入に関しては地方自治法第245条の4に基づく「技術的助言」に過ぎません。なお、省令は、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができないこととなっております。故に記入にあたっては省令ではなく、「技術的助言」という形をとっているわけであります。当たり前の話ですが、「技術的助言」ですから、それに従うのか従わないのかは、地方自治体の独自の判断によるものでありますので、自治体によっては自らの判断で個人番号を記載しないことを決めている自治体もあります。しかし、残念ながら本市も含めて多くの自治体が国の「助言」に、ひたすら従う姿勢を見せている中で、個人情報保護観点から、その対応をあらためるよう求める陳情であると理解致しました。

市から税額の決定の通知を受けた事業者が、住民税のいわゆる天引きに係わる事務を行うに当たって、個人番号は一切必要はありません。このことは、市当局の答弁でも改めて明らかになりました。また、必要がないにもかかわらず個人番号を記載することは、特別徴収を行う全ての事業者に送付されるわけですから、個人番号の漏えい、流出のリスクが生じてきます。さらに、勤務先に個人番号の提供を拒否した従業員からすれば、本人の承諾なしに、個人番号が事業者へ知らさせることとなります。

これは、個人情報の自己コントロール権を侵害するものでありますので同陳情に賛成するとともに、当局においては、特別徴収額の税額決定等に通知にあたっては、必要のない個人番号を記載しないよう求めるものであります。

以上、私の意見を申し上げながら、討論を行って参りました。賢明なる議員諸氏におかれましては、是非ともご賛同いただきますよう、お願いを申し上げ、討論を終わります。

2016-03-25

2016年第1回定例会討論

17:48

 それでは、ただ議題となっております議案、陳情のうち、2015年度の一般会計補正予算、各特別会計補正予算、水道事業会計補正予算及び2016年度の一般会計予算、国民健康保険事業特別会計予算、座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例、及び陳情ついて、賛成及び反対の討論を行います。

2015年補正予算について

 まず、2015年度の補正予算についてでありますが、議案第10号の一般会計補正予算に反対し、議案第11号から議案14号までの各特別会計補正予算及び議案第15号の水道事業会計補正予算については、概ね妥当なものとして、賛成をするものであります。

 なお、一般会計補正予算に反対する理由は、社会保障・税番号制度システム、いわゆるマイナンバー制度に反対する観点から、その関係経費の支出に反対をするものであります。

2016年一般会計予算について

1)内閣府の「月例経済報告」はこう読むべき

 次に、議案第16号。2016年度の一般会計予算について反対の討論を行います。先日市長は、2016年度当初予算の編成にあたっての考え方を述べられた際に、内閣府が先に発表した本年1月の月例経済報告の中身を引用されました。具体的には、以下のようなものでありました。

 「景気動向について、『景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている』とした基調判断を示し、『先行きについては、雇用所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、アメリカ金融政策の正常化が進むなか、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。こうしたなかで、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある』」

というものであります。

このような政府の基調判断を、市長はどのように評価されているのかは承知しておりませんが、私は、次のように読むべきだと思っております。

 「『景気はこのところ、株高と円安だけに依存してきたアベノミクスの失速が続いている』という基調判断のもと、『先行きについては、雇用所得環境については、トリクルダウンなどというものはあり得ないということが多くの国民に明らかになりつつあるので、消費税税率10%への引き上げ断念や、5%への引き下げというウルトラCも、選挙対策として視野にいれつつ、アベノミクスの破たんを隠ぺいすることが期待される。その際には、中国の景気下振れの影響のせいにすればよい。こうしたなかで、金融資本市場の怖さを思い知った年金資金30兆円の損失が、ばれないように留意する必要がある』」

といったところでしょうか。

2)アベノミクスはいかに座間市の財政に影響しているのか

 まさにこの方が、事実に即した、適切な景気動向分析となろうかと思いますが、アベノミクスの失敗は2015年補正予算2016年度当初予算を見ても、、確実に本市の財政にも反映していることがわかります。

 2015年度の一般会計補正予算において、市民税全体では1647万9千円の増額補正となっておりますが、個人市民税は1億1714万2千円の減額補正となっている一方で、法人市民税は1億3362万1千円の増額補正。しかも、法人市民税は昨年の9月定例会において5億3926万5千円の増額補正をした後に、更に今回の増額補正ですから、2015年度当初予算額9億7050万円からすれば、今回の補正で額にして6億7288万6千円、率にしてなんと69.3%増となっております。

 また、2016年度の一般会計当初予算でも、個人市民税は前年度比-2.1%、額にして1億5888万3千円の減となっている一方で、法人市民税は+52.6%、額にして5億1010万円の増と補正予算と同様の対比が示されております。そして、当局の説明では個人市民税の減については、「一人当たりの所得金額が減少したことによる減」、法人市民税の増については、「大企業を中心とした業績の回復」とされております。

 まさに、「ごく一部の大企業のみが潤い、市民の所得は減少する」というアベノミクスの実態が如実に示されているのであります。

3)2016年座間市一般会計当初予算の特徴

 では、こうした景気動向の中で提案された座間市一般会計当初予算の特徴を概括すれば、まず第一に、市政史上最大となる総額414億1450万1千円という規模が挙げられると思います。前年度当初予算対比で、+5.2%、額にして20億4835万3千円の増となっておりますが、歳出では、目的別経費では民生費(+19億1664万3千円)、性質別経費では扶助費(+13億5113万6千円)の増が最大の要因となっており、特に障害者福祉費の増が顕著になっております。またこのことは、歳入では、歳出における扶助費の増に伴う、国・県の負担額の増による「国庫支出金」「県支出金」の増となり、予算規模を大きく押し上げております。

 第二の特徴は、先ほど述べましたようにアベノミクスの影響を受け、歳入においては市税では個人市民税が減少する中、法人市民税の大幅増、さらに配当交付金株式譲渡所得交付金の大幅増という形でその影響が見られます。

 そして、第三の特徴は、同じく歳入において消費税の8%への増税による地方消費税交付金の伸びが顕著になってことであります。

 以上の三つの特徴のうち、第一の特徴である扶助費の増高については、少子高齢化社会の進行の中では不可避なものであり、必要な経費であると思う次第であり、また、今年の特徴である障害者福祉費の大幅増は、これまで毎年のごとく年度途中での大幅補正が繰り返されてきたことから、前年度実績に基づく予算計上から、伸び率を見込んだ計上へとしたことは、妥当な措置として評価をするものであります。しかし、第二、第三の特徴については、アベノミクス消費税増税という中央政府の政策展開によって生じたものであり、地方自治体に与える影響としては、今後の景気動向との関係で、注意深く見ておかなければならないと思う次第であります。

4)バクチで30兆円すった政府が、3000億円をばらまく

 では、こうした特徴を持つ一般会計当初予算について、私が反対をする主な理由について、申し上げて参ります。

 まず、福祉部所管の臨時福祉給付金等給付事業費についてであります。本事業は、行政事務の分類としては、国からの法定受託事務ではなく、自治事務でありながら全額国庫補助によるもので、低所得年金生活者等に対して、対象者一人あたり3万円を今年7月に予定されている参議院選挙前に給付するというものであり、本市の当初予算では、臨時福祉給付金と合わせて5億1802万円が計上されております。

 すでに多くの人々から、参議院選挙を前にしたアベ政権による国家的買収行為に他ならないという的確な指摘がされておるところでありますが、さらに付け加えれば、株価だけが景気のバロメーターと信じて疑わないアベ政権は、年金積立金管理運用独立行政法人GPIF)の株式運用枠を拡大し、国民の支払った年金保険料を市場の株高を演出するために使ってきました。そして、その結果、国民の年金資産約170兆円のうち、30兆円以上の損失を出すという大失態と犯しております。

 まさに、国民から預かっている年金資産を、バクチにつぎ込んで30兆円もすったにもかかわらず、今度は選挙前に3000億円をばらまくというのは、尋常な感覚ではなしえるものではなく、到底認めることはできません。よって、本事業に関する経費の支出に反対をするものであります。

5)毎年毎年膨れ上がる新消防庁舎建設事業費

 次に、消防本部所管の新消防庁舎建設事業費についてであります。市長は、先日の提案説明において「総合計画の実施計画事業を最優先として、すべてを網羅した予算」と述べられましたが、実施計画の財政見通しの額を大きく上回ったのが、この新消防庁舎建設事業費であります。

 2016年度当初予算では、4億9401万円が計上され、新年度より工事が着工されることとなりますが、以下の点を指摘しておきたいと思います。

 まず第一には、議会審議にあたって新消防庁舎の実施設計の詳細が明らかにされていないことであります。実施設計は2015年度予算において委託契約が行われているにもかかわらず、成果物が公表されておりません。実施設計の詳細が明らかにされていない状態では、工事予算の妥当性を議論することはできません。こうした手法は、本市においてはこれまでも繰り返されてきており、予算審議の形骸化をまねくこととなりかねませんので、厳しく指摘をしておくものであります。

 次に、第二の指摘事項としては、先ほども申しましたように事業費の総額が、2015年2月に策定された実施計画から30%近く膨らんでいることであります。現段階での総事業費は、設計委託料、監理委託料、工事費、用地購入費合わせて3ヵ年で、28億1144万7千円。昨年2月の実施計画から約6億2000万円も増加しております。

 施設の工事費で見て参りますと、基本構想段階では約16億3400万円だったものが、基本計画段階では約18億円へ。さらに基本設計段階では約20億6700万円だったものが、現段階では約24億1200万円と、わずか4年の間に16億3400万円から24億1200万円と5割近く膨れ上がっているわけであります。

 施設の内容も、基本計画段階では3階建て、延べ床面積約4000平方メートルとされていたものが、現在では4階建て、訓練施設も含めると延床面積は5240平方メートルと増えております。

 このように、基本構想、基本計画、基本設計、実施設計と事業の詳細が明らかになるたびに、事業費が拡大しており、果たしてこれが、基本構想で定めた「経済性を考慮した施設」なのかと言わざるを得ません。

 次に、第三の指摘事項は防衛省補助金の問題であります。新消防庁舎建設事業における事業費の大幅な伸びの背景には、防衛省補助金、すなわち「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」に基づく、8条交付金(民生安定施設の助成)、9条交付金(特定防衛施設周辺整備調整交付金)が大きく影響していることは言を俟たないところでありましょう。

 当初、当局は新消防庁舎建設にあたって、座間市9条交付金の交付対象となったものの、同交付金が公用施設には適用されないことから、新消防庁舎の中に「防災拠点の整備」という名目で、公共スペースを設け、同交付金を建設費の一部として充当するという、いわば「裏ワザ」的な手法により、市の財政負担を軽減するとしておりました。その後、座間市防衛省との「良好な関係」が功を奏したのか、8条交付金適用を受けることとなり、建設工事費の約35%にあたる8億5000万円ほどが、同交付金として交付される見込みであるとのことであります。

 8条交付金が交付対象となることは、本市にとってみれば、市債や一般財源の投入を軽減できるというメリットがあることは確かでありましょう。しかし、市長並びに当局は、本来想定されていた施設規模、事業の見込み額を大きく上回る設計へと変更し、総事業費を膨らませたわけであります。

 確かに一般論として、消防庁舎及びその付帯施設において、財政的制約がなければ、充実させることにこしたことはないでしょう。しかし、建設工事費において、当初計画から8億円近くも増加しており、もし、当初計画どおりの施設規模であったならば、その分の市債や一般財源をその他の事業へ充当することが可能であったはずであります。

 よって、新消防庁舎建設事業には同意するものでありますが、その規模と財政の資源配分の観点から、今回の予算措置には反対をするものであります。

6)続 市長給与の大幅なアップをめぐって

 次に、人件費、その中でも市長など常勤特別職の給与についてであります。

 先日の一般質問において、市長の所見を求めましたが、時間の都合で、十分に私の意見を申し上げることができませんでしたので、この際ですから、市長の発言に対して、私の反論を述べておきたいと思います。

 市長の具体的な発言をもとに、以下、私の意見を申し上げて参ります。

 まず、私が今回の常勤特別職や市議会議員の期末手当支給率のアップについて、人事院勧告に準拠するというならば、その内容は勤勉手当のアップであって、勤勉手当を支給されていない常勤特別職や市議会議員に当てはめるのは妥当性に欠いているという主張に対して市長は、「議員の主張をそのとおりとするならば、期末手当支給割合から勤勉手当分を引き下げるべきということになる」と述べられ、さらに「ではなぜ、27年の夏の支給分について勤勉手当合算分の期末手当を受け取ったのか」と、おっしゃられました。

 それに対する私の意見を端的に申し上げるならば、そのとおり、常勤特別職及び市議会議員の期末手当支給割合から勤勉手当分を引き下げる措置をとられればよろしいかと思います。

 一方、「なぜ、受け取ったのか?」に関しては、では、逆にお聞きしたいものですが、受取を拒否することが法的に可能でしょうか?例えば、値上げ分の受取を拒否し、市へ返還するとすれば、それは市への寄付行為にあたり、公職選挙法に抵触する可能性が大であります。法的には不可能であるにもかかわらず、「なぜ、受け取ったのか」とするのは、議論の作法としてはいかがなものかと思う次第であります。

 次に、私が、市長給料のアップ分が、2014年3月段階と比べると21.3%増、額にして月額16万2千円アップに対し、一般職職員の給料は、昨年度は平均マイナス1.84%、今年度は、平均プラス0.38%、平均額では、月額わずか694円であるということ。さらに市長の期末手当は、2013年度と2015年度との比較では、135万6299円の増となっている一方で、一般職職員は、平均6万9000円にとどまっていることを示し、「あまりにも均衡に欠けざるを得ません」と主張したことについて、市長は、「性質や背景の違う一般職給与常勤特別職の給与を単純に額や率だけを取り上げて論じるのは不適切」と述べられました。

 これについては、市長がおっしゃるとおり一般職給与常勤特別職の給与は、その性質においても、給与体系においても異なることは十分承知しております。しかし、その上で、両者の均衡性を論じるのは不適切なのでしょうか。

 一昨年、常勤特別職及び市議議員の給料及び報酬の引き上げについて審議をしていた特別職報酬等審議会の議事録を読むと、委員より、次のような意見が出されています。「特別職の報酬を考える時に、バランスとして一般職の動向もあると思う」また、別の委員からは、「一般職とのバランスというのも、ここで整合性がとれていくだろう」と述べられており、同審議会の審議において特別職と一般職給与のバランスが議論されていることがわかります。

 また、同審議会に提出された市作成の資料の中には、「常勤特別職と一般職の最高支給者との給与の比較」あるいは過去17年間にわたる「一般職給与改定状況」という資料があり、特別職と一般職給与のバランスが議論され、考慮にいれられていることは明らかであります。

 私は、同審議会答申内容について、同意するものではありませんが、市長が「論じるのは不適切」とおっしゃった常勤特別職と一般職との均衡が、同審議会では論じられていることをしっかりと認識されるべきであります。

 次に、市長が「「特別職給料の削減措置は、報酬審議会意向にそむいて独自の判断で削減するものなので、これ自体が不均衡。減額する場合は、年度を区切り、なぜそういう判断をするのか説明し、ご理解をいただくことが必要だが、元へ戻すのは、本則に戻すのであるのから、特に説明をする必要がない」とおっしゃったことについてであります。

 これについては、何度も申し上げておりますが、まず、自分自身の不明を恥じなければならないと思っております。それは、市長が常勤特別職給料を、条例本則上の規定からの減額を条例附則で規定していた期限を失念し、2015年給与引き上げの際には、東日本大震災による臨時特例減額措置は終了したものの、独自削減分については、未だ減額措置が続いているものと認識していたことであります。

 しかし、私の不明を認めた上で、指摘せざるを得ないのは、なぜ独自減額措置を止めたのかということであり、その説明責任であります。市長のおっしゃられていることは、要は「減額するときは説明をするが、止めるときは、元にもどすのだから特に説明の必要はない」ということですが、それが最大の問題であります。

 減額の理由は、本市の財政状況を鑑みての決断であったわけですから、減額を止める際には、「このように財政状況は好転した」と、その判断根拠を示すべきであります。それが説得力あるものならば、市民も納得をするでしょうが、それなしにいつの間にか市長給料が大幅にアップされていたということでは、先ほどの補正予算や当初予算で示されているように、市民の所得が減少し、個人市民税がマイナス計上となっている中、さらに、各種社会保障に関する市民負担が増大しているなかで、市長を始め常勤特別職の給料だけが大幅に引き上げられるというのは、市民感情としても納得がいかないところではないでしょうか。

 以上の述べてきたような理由により、人件費のうち、市長など常勤特別職の給与及び市議会議員の報酬に関する支出について、反対をするものであります。

 その他、各部局の事業予算において、事業の目的そのものが妥当性に欠けるもの、あるいは事業目的は適切なものであっても、目的達成において有効性に欠ける予算措置が少なからずありますが、ここではこの程度にとどめ、2016年度の一般会計予算に反する討論としたいと思います。

国民健康保険事業特別会計予算及び国民健康保険税条例の一部改正について

 次に、議案第11号、2016年度の国民健康保険事業特別会計予算、並びに議案第41号、座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。

 今回市長は、2013年3月に引き続き国民健康保険税の引き上げに関する条例並びに予算案議会に提出されました、具体的には、所得割現行7.8%を8.7%へ0.9%の値上げ、均等割を2万9500円から3万2000円へ2500円の値上げ、平等割を2万8200円から2万9600円へ1400円の値上げ、賦課調定額ベースでは7.68%、額にして1億9964万6千円の増税という内容になっております。

 この値上げは、前回2013年と同様に、第2期国民健康保険事業財政健全化計画を策定し、2016年度から2018年度までの財政収支見通しを行ったところ、16億3800万円の不足額が生じるとして、今回の保険税の値上げ提案に至ったと説明されております。

 では、私の評価並びに反対理由を以下、申し上げて参ります。

 まず、2015年度に策定された第2期国民健康保険事業財政健全化計画についてでありますが、まず、評価すべき点を申し上げます。それは、財政収支の見通しにおける各歳入・歳出科目の試算において、前回とは異なり、過去の実績に基づく平均値で試算したことです。このことは、私が2013年3月議会において指摘をしたところでありますが、変動の大きい国保財政において、その財政推計は確かに難しいものがありますが、常識的な数値で試算したことは率直に評価をするものであります。

 しかし、再び指摘をしておかなければならないのは、財政収支見通しの起点である数値を前回同様、当初予算、今回の場合は2015年度当初予算にしていることであります。前回も指摘しましたが、変動要素の高い当初予算数値を起点とするのではなく、確定した決算数値を起点とするのが妥当なはずであります。今議会においても2015年度の国保会計補正予算で、保険税収入は1億8300万ほどの減額補正をし、法定外繰入金を約4300万円ほどの増額補正をしておりますが、前回はおよそ実現不可能な、(現在でも達成されていませんが)収納率現年分90%、滞納繰越分30%で予算計上し、意図的に法定外繰入金を低く見積もり、その低く見積もった法定外繰入金を3ヵ年固定した財政収支の不足額を算出するといった、いわば数字の操作によって不足額の水増しを行っていました。

 これは、保険税値上げの是非以前の問題であります。本来なら比較的妥当な推計数値を基に、客観的に本市の国保財政を見通した上で、そのギャップを埋めるためにどうように対処するのかということが当局側に問われていたはずにもかかわらず、こうした手法は、適切かつ建設的な議論を妨げるものと言えますので、改めて指摘をしておくものであります。

 次に、今回提案された具体的な保険税値上げ案について、指摘をして参ります。

 ここでもまず評価すべき点が申し上げます。それは、今回の保険税の税率改定を区分別に見て参りますと、医療給付費分については、所得割を0.3%引き上げる一方で、均等割を900円減額、平等割を2000円減額しており、これは国保加入者の低所得化が進行する中で、所得割部分の税率を引き上げ、所得に関係なく賦課される均等割、平等割を減額するというのは、妥当な措置であると評価するものであります。

 しかし、この所得のある方々へ負担増をお願いし、所得の少ない方々の負担を軽減するという考え方が、後期高齢者支援分、介護納付分には貫かれておりません。後期高齢者支援分では、所得割は医療給付分と同率の0.3%引き上げるものの、均等割は2200円の増、平等割は2000円の増となっており、介護納付分も所得割は0.3%の引き上げ、均等割は1200円の増、平等割は1400円の増としていることは、評価することはできません。

 市長も、当局も認めるとおり、本市の国保加入者の所得水準は、県央地区の他市と比べても低く、担税力も弱いものがあります。ならば、法定外繰入金を必要額確保するか、あるいは値上げをせざる得ないとすれば、比較的担税力のある所得割が発生する方々への税率、すなわち所得割の税率を引き上げ、均等割、平等割額を固定または引き下げるのが、とるべき必要な措置ではないかと思います。

 もちろん、これは国の財政負担が著しく低下していること、かつ国保財政が抱える構造的問題の解決が根本問題としてあるということを前提として、現状の中で地方自治体の取り得る選択肢の問題として指摘しておるものであります。

 以上のような点から、2016年度の国民健康保険事業特別会計並びに座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に反対をするものであります。

陳情について

 最後に、陳情についてありますが、ただ今議題となっております全ての陳情について、その趣旨に賛同し、賛成をするものであります。

 特に、陳情第52号、53号の消費税増税中止を求める意見書の提出を求める陳情については、安倍政権ですら「柳の下の二匹目のどじょう」を狙った消費税10%への増税中止や、あるいは選挙に勝つために政策などどうでもいいとばかりに、「消費税5%」への引き下げといったアクロバットまで考えているのではないかということが、まことしやかに語られておりますので、議員のみなさまに置かれまして、ここは自らのご判断で、現下の経済状況で消費税増税した場合、どうなるのかを真剣にお考えいただき、陳情に賛成されるよう求めまして、私の討論を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。