2011-11-02
2011年11月 補正予算質疑(子ども手当)
それではただ今より、議案第75号「専決処分の承認」2011年度座間市一般会計補正予算(第5号)について、質疑を行ないます。本補正予算は、提案理由で述べられているように、「平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法」が、10月1日より施行されたことに伴い、子ども手当支給に係るシステム改修が必要となったことによるものであります。この子ども手当に関する特別措置法が、国会において議決されるまでの政治過程を振り返って見るならば、その原点は、本年8月4日に民主党、自民党、公明党の3党で「子どもに対する手当の制度のあり方について」が合意されたこと、いわゆる「3党合意」によるものであります。
では、3党合意に基づく「子どもに対する手当の制度のあり方」の主な内容とは一体どういうものか見てみますと、支給額は、0歳〜3歳未満は、月額15000円。3歳から小学校修了前は、第1子、第2子が月額10000円。第3子以降は月額15000円。中学生は月額10000円。財源の経費負担は、旧児童手当部分は児童手当と同額の負担割合。それ以外の経費は全額国庫負担(公務員は所属庁が負担)。割合。それ以外の経費は全額国庫負担(公務員は所属庁が負担)。2012年度6月分以降は、所得制限をおこない、その基準は年収960万円程度とする。 支給要件として、国内居住要件。児童養護施設入所児童に関する施設設置者への支給。本人同意による保育料、学校給食費等の手当からの徴収。などとなっております。
この3党合意について、自民党・公明党側は、「子ども手当の廃止、児童手当の復活」と主張し、民主党側は「恒久的な子ども手当」「理念は変わっていない」としておりますが、冷静に見れば、民主党が掲げていた子ども手当の理念は投げ捨てられ、制度設計上はかつての児童手当の「拡充」程度にすぎないことは明らかであります。そこでまず、市長にお聞きするものでありますが、市長はこの3党合意に基づく制度変更について、どのような評価をされているのでしょうか。その所見をお聞きするものであります。
次に、この3党合意が、子育て世帯にどのような影響をもたらすのかという点から質疑を進めて参ります。今回の制度改訂による最大の影響は、支給額の削減とすでに実施されている税制改訂による子育て世帯の家計へのマイナス効果であります。ご承知のとおり、2011年度から所得税において、16歳未満の扶養親族に係る扶養控除(年少扶養控除)33万円が廃止されると共に、16歳以上19歳未満の特定扶養親族に係る扶養控除(特定扶養控除)の上乗せ分12万円が廃止されております。また、地方税である市・県民税では2012年度以降の同様に年少扶養控除と特定扶養控除の上乗せ分が廃止されることになっております。
私は、昨年9月議会において、次のように指摘しておりました。本年9月分までの一律月額13000円の支給額では、所得税、市・県民税の年少扶養控除廃止によって、児童手当制度の時よりも家計にとってマイナスとなる層が出てくること。これを解消するためには子ども手当を民主党のマニフェストどおり、月額26000円に引き上げること。そうすることによって始めて、低所得者が除外される旧来の税控除方式から給付方式に改め、「子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる」という政策目標に合致したものとなること。さらに最悪の事態は、所得税、住民税の扶養控除は廃止されるにもかかわらず、支給額が月額13000円にとどまることである。
以上のようなことを指摘しておりました。しかし、事態はもっとひどくなる可能性が出てきております。支給額が3歳未満児と3歳以上の小学校修了前の第3子以降は、月額15000円となったものの、その他はすべて月額10000円となりますから、扶養控除の廃止によって、間違いなく家計にとってマイナス効果となる世帯が増えることになるわけです。
そこでお聞きするものですが、すでに本年所得税の年少扶養控除が廃止されておりますが、家計上のマイナス効果に対し、なんらかの措置はされるのかどうか。
また、来年度以降、所得制限を設けることにより3党合意では、「所得制限世帯における所得税及び住民税の扶養控除の廃止による減収に対する必要な税制上、財政上の措置を検討し、平成24年度から所要の措置を講じるものとする」とありますが、文面から見る限り、あくまでも「所得制限世帯」すなわち年収960万円以上の層に対する措置であり、所得制限以下の中堅層で「差し引き増税」となる世帯への対応はどうなるのか、お聞きするものであります。
次に、所得制限についてお聞きします。3党合意では、所得制限の基準は「年収960万円程度」としか書かれておりません。ではこの「年収」とは一体誰の年収なのかということがわかりません。児童手当の時は、夫婦のうち収入の高い方に所得制限をかけていました。このやり方を踏襲するならば当たり前の話ですが、夫が年収960万円、妻専業主婦の場合は、所得制限の対象となり支給を受けることはできませんが、夫婦共稼ぎそれぞれ年収900万円の場合は合計年収が1800万円であったとしても支給をうけることができ、家計の合算年収においては、2倍の差があっても年収の高い方が支給されるという逆転現象が生まれてしまいます。子ども手当では所得制限はありませんでしたから、こうした問題は解消されていましたが、来年度からの所得制限では誰の所得が対象となるのか、お示しをいただきたいと思います。また、児童手当の時は、所得制限は被用者、非被用者では基準に違いがあり、市町村の事務も大変煩雑でありましたが、来年度以降の所得制限ではどうなるのでしょうか。お示しをいただきたいと思います。
次に、今回の制度改訂が地方自治体の事務に与える影響についてお聞きして参ります。今回の特別措置法では、2011年10月からの手当ての受給にあたって、支給要件に該当する全ての人から認定請求を提出してもらうことになります。この認定請求、認定、通知に至る市町村の事務について、説明を求めるものであります。 また、手続き事務にかかわる人員体制、経費について説明を求めるものであります。
次に、今回のシステム改修の主な内容は、支給額が一律13000円だったものが、15000円と10000円に分かれることによるものと3歳以上小学校修了前までの第3子以降の加算分ということですが、来年度所得制限が設けられた場合、再びシステム改修が必要となります。来年度以降のシステム改修、さらに現況届け等の事務手続きについて説明を求めるものであります。
次に3党合意に示されている、保育料や給食費について手当から特別徴収することができるという点についてお聞きして参ります。2011年10月からの手当制度に係る特別措置法では、本人同意を前提として子ども手当から、保育園の保育料や学校給食費を特別徴収することができるという規定が設けられております。 この仕組みについては、省令で細目が規定されるようですが、まずどのようなものが対象となるのか、明らかにしていただきたいと思います。さらに、本市における対応について、どのように考えているのか合わせて明らかにしていただきたいと思います。また、この特別徴収について、保育園の保育料は、公会計で処理されておりますが、学校給食費や修学旅行費は、本市では私会計で処理されております。学校給食費等、私会計で処理されているものについても特別徴収の対象となるのか、お聞きするものであります。
次に本年度当初予算に計上されておりました県支出金・子育て支援事業市町村交付金2億3600万円についてお聞きして参ります。当初予算編成時に当時の松沢県知事は、子ども手当の県負担分の支出を拒否し、子ども手当の県負担分と同額をこの子育て支援事業市町村交付金として交付するとしておりました。その際には、県の具体的な交付要綱等は明らかになっておらず、本市では主に子育て関連の既存事業へ充当されていたと思いますが、その後この県交付金の取り扱いはどのようになったのでしょうか。説明を求めるものであります。また、松沢前知事は子ども手当の県負担分について、拒否をされておられましたが、知事も代わられました。今回の制度改訂にあたって、支給額の県負担分について、現在県はどのような対応をしようとしているのか、お示しいただきたいと思います。
2011-09-08
2011年9月 一般質問
福島第一原発の水蒸気爆発により、大量の放射性物質が放出されました。本年8月23日衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出された政府資料(細野豪志原発担当相)によると、福島第1原発から放出されたセシウム137は1万5000テラベクレル(テラは1兆)であったということが明らかにされました。広島型原爆は89テラベクレルだったとのことですから、福島原発は広島型原爆168.5個分ということになります。また、ヨウ素131では福島が16万テラベクレル、原爆が6万3000テラベクレルで約2.5倍。ストロンチウム90は、福島が140テラベクレル、原爆が58テラベクレルで約2.4倍となっております。事故直後東日本各地の水道水から検出されたヨウ素131の半減期は約8日と短いのですが、セシウム137は約30年、ストロンチウムは約29年でその影響が長く残ることになります。
また、8月25日独立行政法人国立環境研究所地域環境センターは、福島第一原発から放出された放射性物質の大気中の挙動を明らかにするシュミレーションを発表しました。それによると、「放射性物質の影響は福島県以外に、宮城県や山形県、岩手県、関東1都6県、静岡県、山梨県、長野県、新潟県など広域に及んでいる」ことや、ヨウ素131の積算沈着量は大気濃度と同様に福島第一原発を中心に放射状に分布していたが、それに対してセシウム137の積算沈着量は、大気濃度と異なりホットスポット的に分布すると推計された」と発表されております。すなわち、こうしたことからするならば、本市を含むこれらの地域は、否応なしに少なくとも今後数十年間にわたって、低線量被曝の危険性と向き合わなければならないことになります。なんとも大変なことをしでかしてくれたものであります。
そこでまず市長にお聞きするものでありますが、こうした状況の中で、本市の放射線対策の基本的な認識及びその対応方(基本方針)について、明らかにしていただきたいと思います。
次に、具体的な放射線対策についてお聞きして参ります。本市では7月以降、空間放射線量の測定を開始しました。座間市環境放射線測定実施要綱において「市民から要望の多い幼児や児童生徒への影響を考慮して、市立保育園9園、市立小学校11校、市立中学校6校及び相模川グランド他4箇所のスポーツ施設、合計31箇所で測定を実施する」としております。しかし、要綱で述べられているように「幼児や児童生徒への影響を考慮」するならば、現状の測定箇所で十分でしょうか。民間の保育園、幼稚園、公園、子ども広場なども対象施設として加えるべきではないではないかと思いますが、見解を伺います。また、さきほど述べました国立環境研究所の報告においても、セシウム131は「ホットスポット的に分布する」ということからするならば、測定地点は現在のようなグランド中央部だけではなく、砂場や雨どい周辺など、リスキーと思われる地点でかつ子どもたちが行動しうる地点を加えるべきだと考えものですが、見解を求めるものであります。さらに、測定器について、現在の簡易測定器から、より精度が高いとされるエネルギー保障型シンチレーションサーベイメータによる測定を行うべきだと考えますが、見解を求めるものであります。
次に、低線量被曝に対する対応策について、お聞きして参ります。本市が行ったの空間放射線量の測定では、7月の最大値は0.15マイクロシーベルト/毎時、8月は0.17マイクロシーベルト/毎時となっております。この数値を単純計算で年換算しますと、それぞれ年1.31ミリシーベルトと年1.49ミリシーベルトとなります。ご承知のとおり国際放射線防護委員会(ICRP)の基準でも、また国内法である「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」においても、一般人の年間被曝線量は1ミリシーベルト以下でありますから、それを超えることになってしまいます。もちろん、毎時換算の空間放射線量から正確に年間被曝線量を導き出すことはできませんが、相対比較として線量の多少は明らかになります。本来なら、政府は福島県以外の児童・生徒についても、さらに乳幼児についても、内部被曝を含めて年間被曝線量を1ミリシーベルト以下に抑えるための線量管理と除染対策を講じるべきだと考えますが、見解を伺うものであります。
また、現状で政府の放射線対策が不十分だからと言って、現状を放置しておくことはできないと思います。放射線防護について、本市独自の基準を設定し、基準値を超える場合は土や砂の入れ替えや草刈などの除染対策を行なうべきではないかと思いますが、見解を伺うものであります。
次に、内部被曝の問題についてお聞きして参ります。成長期の子どもたちにとって、放射性物質を体内に取り込んでしまう内部被曝は最大限回避すべきことです。先日、政府の暫定規制値を超える放射性物質が検出された牛肉が、本市の学校給食に使用されていた可能性が高いことが明らかになりました。まず、今回の事態について改めて説明を求めるとともに、教育長の所見を求めるものであります。
子どもたちの食の安全を考えるならば、市の施策として小学校、保育園の給食食材の産地公表、放射性物質濃度の測定を行なうべきだと考えるものですが、見解を求めるものであります。
次に一般質問の2番目のテーマであります再生可能エネルギーの普及について、議論を進めて参ります。2011年8月26日、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(いわゆる「再生可能エネルギー法」)が成立し、日本で自然エネルギーを大きく普及させるカギとなる「固定価格買取制度」が導入されることが決まりました。しかし、法施行にあたって住宅用太陽光発電については、全量買取ではなく、余剰買取となる可能性が高くなっております。再生可能エネルギーへのシフトを本格化させていくためには、様々な電源による電力供給の可能性を追求していくことが必要ですが、その中でも太陽光発電は、有力な自然エネルギー源と言えるでしょう。現在、住宅用太陽光発電の1kwあたりの平均設備価格は低下傾向にありますが、3.3KW〜3.5KWという平均的規模の設備でも現時点で200万円程度の初期費用負担が必要であり、これが普及促進にとって大きな壁となっていることは間違いありません。今後の住宅用太陽光発電の電力買取制度の詳細は確定しておりませんが、可能性が高いとされる余剰買取、売電価格42円、買取期間10年で投資回収が可能かどうか試算してみました。
住宅用太陽光発電設備の能力は3.3KWとし、設備価格はKWあたり60万円で計算すると、初期費用の総額は198万円。これに対して現行の補助制度は、国・県・市合わせて25万6400円ですから、これを差し引くと初期費用負担は、172万3600円となります。一方発電量は、平均的日射量を12%として、3.3KW×24時間×365×12%で、年間発電量は3469KWhとなります。このうち余剰電力として売電する分を6割、家庭での使用電力を4割とすると、売電収入は年間は8万7419円、電気代の節約分は年間3万3302円となり、売電収入と電気代節約分を合わせた年間の経済的メリットは、年間12万721円、10年間では120万7210円となります。補助金額を差し引いた初期費用負担額172万3600円から経済的メリット120万7210円を差し引くと残額が51万6390円となります。つまり、現状の制度では、初期費用負担額172万3600円をキャッシュで支払うことが出来る人でも、10年間ではトータル51万6390円のマイナスとなり、さらにローンで初期費用を賄う人はこれにさらに金利負担分がプラスされることになるわけです。
これでは普及促進にはなりません。逆に言えば、10年間の売電収入と電気料金の節約分で、初期投資が回収されるならば、飛躍的に普及が進むことが見込めるわけです。そして、この課題が解決される条件としては、太陽光発電設備の価格が低下すること。売電価格が上がること。補助金額が上がることが考えられます。このうち、発電設備価格や売電価格に対して地方自治体は、直接関与することはできません。よって地方自治体として取り得る方策としては、補助金額の増額という手法で普及促進を図ることが求められていると考えるものでありますが、いかがでしょうか。見解を求めるものであります。
次に、住宅用太陽光発電に対する補助金の財源について、お聞きして参ります。本定例会に提案されております補正予算では、新たに「低炭素社会推進基金」の造成が計上されております。この基金について、先日の総括質疑において市長は、市内の電気自動車用リチウムイオン電池製造メーカーから、「電気自動車の購入補助金に充ててほしい」との依頼で1000万円の寄付があり、当該メーカーのリチウムイオン電池が搭載されている電気自動車の場合に限って30万円の補助金を上乗せすることになったという旨の説明がありました。市内の法人が、低炭素社会の実現に役立ててほしいとのことで所在する地方自治体へ寄付をされたこと自身は、賞賛されうる尊い行為だと思います。しかし、その目的が、自社製品が搭載された電気自動車への補助金の上乗せにあり、寄付金を受けた自治体側も唯々諾々と、特定メーカーのEV車を購入するものへ補助金を上乗せするというのは、率直に言って公金の支出としては妥当性に欠けるのではないかと思う次第であります。
先日、竹市議員の総括質疑に対して市長は、「寄付をした事業者から自社が 開発・製造したリチウムイオン電池を使用したEV車に支援していただきたい」という依頼があった旨、答弁されておりますが、「市内事業所において生産されたリチウムイオン電池を搭載する電気自動車の場合は、30万円を加算する」という具体的措置は、事業者側のこの意向を受けての判断と理解して良いのか、改めてお聞きするものであります。
さらに、本定例会に提案されております「座間市基金条例の一部を改正する条例」では、「座間市低炭素社会推進基金」は「低炭素社会を実現するための事業の費用に充当」とされております。この充当目的からすれば、この基金を住宅用太陽光発電設備など再生可能エネルギーの導入促進を図る補助事業に充当することも可能ではないかと思いますが、見解を求めるものであります。
次に、一般質問の3番目のテーマとして福祉について、その中でも障がい者福祉について、議論を進めて参ります。
今年度から、「障害福祉サービス等地域拠点事業所配置事業」として神奈川県と大和市、海老名市、綾瀬市、座間市の4市共同で、「短期入所拠点事業配置事業」が、市内の社会福祉法人アガペセンターで行なわれることになりました。重度障がい者へのサービス資源が慢性的に不足している中で、新規事業として開始されたことについては評価をするものでありますが、対象者は「重度障害者等」となっているものの、「原則として障がい者」のためのサービスであり、「障がい児」は対象となっていません。昨年段階で、当局は「医療行為を必要とする障がい児も含めて、利用は可能である」という旨を当時の保健福祉常任委員会で答弁されておられましたが、医療行為を必要とする障がい児だけでなく、「重度障がい児」は原則として利用できないという現状について、説明を求めるものであります。
また、医療行為を必要とする重度障がい者の短期入所(ショートスティ)は、毎週火曜日から水曜日の1泊2日のみとなっています。これは「障害特性により支援が困難な者や緊急的な支援が必要な者に24時間、365日対応できるようにする」という事業目的からすれば、大きくかけ離れていると言わざるを得ません。当局の説明を求めるものであります。
また、これまでアガペセンターは、独自事業として6床の短期入所事業を行なっております。その際に重度障がい者に対して「対応できない」という理由で、契約を拒否されてきた事例もあるようですが、今後はこの「拠点事業」によって、県及び4市から年間約1450万円の補助金及び委託金を受け、体制が整備されることになりましたので、今後は「対応できない」という理由での契約拒否は、なくなろうかと思います。しかし、一方でこれまでアガペが独自事業として行なってきた短期入所6床にプラスして受け入れ人員が増やされたわけではないようであります。年間約1450万円の補助金、委託金を受けた上でも、短期入所のベット数はこれまでと変わらない6床。これまでの短期入所利用者に加え、4市の重度障害者が新たにこの6床を利用することになれば、対象者の範囲は広がったとはいえ、サービス供給量の増加につながったとは言いがたいのではないかと思います。この点について、当局の見解並びに対応方についてお聞きするものであります。
次に、所管上は健康部の所管事項となりますが、精神障がい者への医療費助成について、お聞きして参ります。昨年9月の第三回定例会において、「重度障害者医療費助成制度に関する陳情」が採択されました。しかし、精神障がい者への医療費助成について、議会の意思は他の障害と同様に措置すべきだということになりましたが、残念ながら今年度の予算には計上されませんでした。改めて来年度予算に向けての考え方について、お聞きするものであります。
以上。
2011-07-24
議会は市民とどう向き合うのか
昨今、地方議会についての議論が噴出している。「議会は一体何をやっているのかわからない」「市民の声が反映されていない」「議員の数や報酬が多すぎるのではないか」等々、おしなべて否定的な意見が数多く聞かれる。こうしたことは、現状の地方議会が本来果たすべき役割を十分に発揮していないという「評価」だと考える。今回のレポートでは、議会改革の方向性として、議会が本来果たすべき役割とは一体どういうことなのかということを考えてみたい。
「地方自治における二元代表制とは何か」
国と地方では、民主主義の制度が明らかに違っている。国の制度では、国民は選挙で国会議員を選ぶ。国会(立法府)は内閣総理大臣を指名し、総理大臣は内閣(行政府)をつくる。これは議員内閣制と呼ばれ、国民が直接選挙で総理大臣を選ぶことはできない。
一方、地方の制度では、首長も議員もそれぞれ選挙で選ぶ。つまり二つの民意が存在し、首長には行政の執行権が、議会には決定権が与えられ、相互に牽制し合いながら、地方自治を進めていくことになり、二元代表制と呼ばれている。
国会の場合は、内閣総理大臣を国会議員から選ぶので、どうしても「与党」「野党」という関係が生まれるが、地方議会の場合は別々に選挙に選ばれるわけだから、本来「与党」「野党」という関係はあり得ないはずである。ところが、往々にして「市長の与党だから反対できない」とか「野党だから反対だ」という声を聞くことがある。これは地方自治制度に対する理解不足と言える。
二元代表制とは、決定(議会)と執行(市長)を分けることであり、本来、地方議会は、基本的には行政から独立した「意思決定機関」であり、あわせて議会が意思決定したことをちゃんと執行しているかどうかチェックする「監視機関」であり、さらに条例の制定などを行う「立法機関」であると言える。故に市民の皆さんには、こうした地方議会本来の役割をしっかりと果たしているのかどうかという点から議会、議員を評価・監視していただきたいと思う。
もう一つ国の制度と地方の制度の違いは、直接民主主義制度の違いである。国では憲法上国権の最高機関である国会に主権の行使を委ねている。選挙以外に国民が直接参加できるのは、憲法改正の国民投票と最高裁判事の国民審査だけ。国民が国会議員を任期途中でやめさせることはできない。「こういう法律をつくって欲しい」と直接請求することはできない。「税金の使い方がおかしい」と会計検査請求をすることもできないし、行政訴訟(国民訴訟)もできない。
一方、地方の場合は、市長や議員をやめさせたいと思えば市長リコールや議会の解散請求、「こういう条例を作って欲しい」と思えば条例の直接請求、「これは税金のムダ使いではないか」と思えば監査請求、住民訴訟が認められている。さらに昨今こうした地方自治法に基づく手続きに加えて、重要な問題について住民投票制度を設けている自治体も増えている。(残念ながら座間市には住民投票制度はない)
つまり、国の制度は完全な間接民主主義になっているが、地方は間接民主主義と住民の直接請求など直接民主主義を並立させた制度となっており、いわば地方自治は、市民、首長、議会の三つの力で動かしていくというのが、本来の姿と言える。(私は国の制度としても直接民主主義を並立させるべきだと思っているが)
昨今の地方議会への市民の批判・不満はどこからきているのだろうか。私は、本来議会が果たすべき役割が忘れ去られ、執行権者(首長)と決定権者(議会)が融合し(もっと強烈に言えば談合し)、市民が疎外されているところにあるのではないかと思っている。
一方最近では首長(執行権者)側は、「市民の説明責任」や「政策決定過程への市民参加」の仕組みを整備してきている。一昔前には、こうした行政の市民参加施策は、「市民の代表である議会を軽視している」などという声が議会側からあったが、最近ではさすがにそういう方はおられず、いわば当たり前のこととなってきた。
では、議会は市民との関係をどうするのかということ。私は、議会(決定権者)が決定をする際に、最大限市民の声を聞く、市民と議論をするという市民参加が議会にも必要だと思う。また議員同士の議論の活性化や情報提供を積極的に行い「決定」の過程をわかりやすくする必要がある。具体的には、次の点を提案するものである。皆さんのご意見をお聞かせいただきたい。
市政の重要な問題についての住民投票の実施
・すでに多くの自治体で制度ができている。首長も議会もその結果を尊重する義務を負う。
・すでに座間市でも行政側は実施している。議会側も議決にあたって、市民の意見をもとに決定すべき。
・地方自治法では、公聴会は「常任委員会は、予算その他重要な議案、陳情等について公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聴くことができる」。参考人は「常任委員会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる」とあるが、ほとんど活用されていないのが実情。
・議員個人では行っている例もあるが、議会として広く市民の意見を聞き、決定したことについて責任を持って報告する(情報提供)制度。
請願・陳情者の意見表明の保障
・ある意味当たり前のはずですが、実施されている議会は少ないのが現状。座間市では現在、会議の開会中ではなく、「休憩中」に実施されている。
議員同士の議論の活性化
・これも当たり前のはずだが、座間市議会でも十分とは言えない。首長(執行側)への質疑・質問が中心となっているのが現状。
本会議での一問一答形式での議論
2011-05-08
エネルギー政策の転換を
今回の大震災と原発事故は、私たちに大きな困難と厳しい現実をつきつけています。その中で、今、政治が決断しなければならないことは、大きく二つだと思います。一つは、被災地の復旧・復興のビジョンとその財源を明らかにすること。もう一つは、原発から自然エネルギーへの転換。これまで原発は、「安全・クリーン・安い」と言われてきましたが、福島原発事故で、はからずもその「安全」「クリーン」神話は崩壊しました。今回のレポートでは、ほんとうに「安い」のか? 主に原発の不経済性=費用面から検証し、エネルギー政策の転換について考えてみたいと思います。
<発電コストを比較すると原発は安くない>
まず、東京電力の公式ホームページに掲載されている電源別発電コスト(1kWhあたり)は、一般水力=11.9円、石油火力=10.7円、LNG火力=6.2円、石炭火力=5.7円、原子力=5.3円となっています。これを見ると、原発が一番コストがかからず、「安い」ということになります。しかし、これはいくつもの想定条件を設定して「計算」したもので、例えば、震災前火力はほとんど稼動していないものもありますが、想定稼働率80%と現実にはありえない数字で計算されています。
一方、立命館大学の大島堅一教授が作成した1970年〜2007年までの実績ベースでの発電コストを見ると、原子力+揚水=10.13円、原子力=8.64円、火力=9.80円、水力=7.08円、一般水力=3.88円。これを見ると、原発が他の電源に比べて安いわけではなく、いまや一般的となっている「原子力+揚水(注1)」発電のコストが一番高いことがわかります。
注1)揚水発電とは、夜間などの電力需要の少ない時間帯に原子力発電所などから余剰電力の供給を受け(原発は出力調整ができないため)、下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池)へ水を汲み上げておき、電力需要が大きくなる時間帯に上池から下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式。
<これだけではない原発のコスト>
両者ともコスト計算の対象としているのは、■発電に要する費用=燃料費、減価償却費、保守費用等。■バックエンド費用=使用済燃料再処理費用、放射性廃棄物処分費用、廃炉費用で、私たちが支払う電力料金に算入されていますが、これ以外にも、原発には費用がかかります。
具体的には、■国からの資金投入(税金)=立地対策費(自治体への交付金・補助金)、研究開発費等。■事故に伴う被害と被害補償費用 ご承知のとおり、原発の立地には国から多額の交付金・補助金が地元自治体へばらまかれます。経済産業省の資料によると、1975年〜2007年までの電源立地に係る交付金の総額は、9137億5900万円。このうち原発関係は、その約7割にあたる6251億1700万円となっています。また、国の一般会計予算から支出されている「エネルギー対策費」は、1976年度以降毎年1000億円を超え(2006年度以降1000億円弱に)ていますが、そのほとんどが原発に充てられています。しかし、これらの国からの資金投入(税金)は原発の「コスト計算」には含まれていません。
また、今回の福島原発の事故は、未だ収束のメドさえついておらず、その被害補償額の全容も明らかになっていませんが、まちがいなく何十兆円規模になるでしょう。この事故リスクも含めれば、原発が「安い」どころか、いかに不経済=経済的合理性がないものか明らかです。
*さらに「バックエンド費用」には、これまでの歴代政権が推し進めようとしてきた使用済燃料の再処理費用、高レベル放射性廃棄物処分費用など、全くメドがたたず、その費用計算さえできないものがありますが、今回は省略します。
これまで「安全、クリーン、安い」と宣伝され、国策として推し進められてきた原発推進政策を根本的に改めるべきです。その際に必ずと言ってよいほど語られるのが、「原発をやめると電力の安定供給ができない」というものです。しかし、日本の発電能力の総量は、真夏の電力消費のピーク時においても、原子力を除いた火力・水力で賄うことは可能です。
逆に電力の「安定供給」というなら、今回の事故でも明らかになったように”地震大国”日本で、電力の安定供給のためには、原発から脱却が必要です。これまで原発の立地(地元対策)だけでも1兆円近い税金を投入してきた分を、再生可能エネルギーの補助金として支出するならば、全家庭に太陽光発電や燃料電池を普及させることができるでしょう。
<独占的電力供給体制から地域分散型エネルギーシステムへ>
また、今回の原発事故は、大規模・集中型の電力供給システムの欠陥を露呈しました。一つは、非常時の対応と復旧が迅速に対応できないということ。もう一つは、独占的な電力会社による供給体制では、「公益事業」として「利益」を国から保証されてきたため、危険で不経済な原発を推進してきたことです。コスト面で検証したとおり、明らかに経済合理性からはかけ離れたものです。(世界的にも、市場原理による電力自由化を進めた国々はおしなべて原発から撤退しています)
今回事故をおこした福島原発も、新潟の柏崎原発も、東京電力の区域外に建設され、そこで発電された電力はすべて首都圏に供給されていました。いわば、危険・厄介な原発を「地方」に押し付けてきた構造です。この構造を変えるためにも、再生可能エネルギーへの転換と共に、地域分散型、いわばエネルギーの「地産地消」が必要です。「地産地消」ですから、地域特性にあった多種多様な発電方式が考えられます。太陽光、地熱、小水力、木材、都市ガス、工場の廃熱など。太陽光は全国(あるいは世界)共通ですが、神奈川県は、京浜工業地帯、箱根などの温泉地、丹沢山系など多様な発電インフラがあります。これらを活用すれば、多様な地域分散型エネルギーシステムへの転換は可能です。エネルギー政策の転換へと、今、政治が決断すべきです。
2011-03-07
下水道事業に関する基本的視点
今回の下水道料金値上げにあたって当局は「下水道特別会計は、使用料収入だけでは維持管理費用等を賄うことができないため、一般会計から継続的な繰入金により収支を保っている状況にあり、下水道事業への多額の繰入金は一般会計の財政を圧迫している」とその理由を説明している。こうした現状認識は「間違っているか否か」と言えば、間違ってはいない。しかし、率直に言って「だから料金値上げが必要」という「結論」については、違和感を禁じえない。使用料を上回る一般会計からの繰り入れは、本市の下水道事業開始以来、ずっと続いてきたことであり、何も近年急に「収支が悪化」したわけではない。逆に言えば、これまで一般財源(市税)を投入し、下水道事業の整備と維持管理を行ってきた経過を否定するかの如く聞こえる。
そこで下水道事業の運営のあり方について整理をしてみたい。
確かに下水道事業は、地方財政法の規定により、公営企業として位置づけられ、特別会計の設置と独立採算の原則の適用が義務付けられている。しかし、地方公営企業法の適用については、下水道施設の建設段階では経費の相当な部分を地方公共団体の一般財源で賄うことになるので、地方公営企業法を一律に適用させるのではなく、それぞれの事業の実情に即して適用するか否か地方公共団体の判断に委ねている。(地方財政法第6条「公営企業の経営」 政令第37条「公営企業」)
下水道事業に係る経費の負担区分については、公営企業に係る一般会計繰出基準(総務省自治財政局長通知)が示されているが、基本的な考え方は「雨水公費、汚水私費の原則」により、汚水私費部分は利用者からの下水道使用料で賄うこととされている。
下水道事業は施設の規模が大きく、その建設費は多額となるため、建設段階の財源の大部分は国庫補助金と地方債(下水道事業債)で賄われることになる。この地方債に係る資本費(元利償還金)は、本来は、供用が始まり下水道サービスの提供により受益を受ける利用者が負担することが「原則」とされている。本市においては、普及率は94%(2011年度末見込み)となっており、一般的に言えば、資本費回収の環境は整ってきたと言えるだろう。
しかし、市町村の公共下水道事業の場合、利用者(受益者)と市民はほぼイコールであることから、資本費をどのくらいまで下水道使用料で負担するのか、一般財源(市税)で負担するのかについては、市町村の判断による。すなわち自治の問題だと言える。
この判断基準は本市においては、1)今後の建設事業(投資)をどう見通すのか。2)現下の経済情勢ーデフレ不況下における市民負担増をどう考えるのか。こうした視点から捉えなおす必要がある。
1)について言えば、市街化区域の下水道整備が100%近く進捗した中で、市街化調整区域の「整備」をどう考えるのかということが論点となる。当たり前の話だが、市街化調整区域の面的整備は、市街化区域に比べて割高となる。(人口密集度からして) 当局は市街化調整区域の大半を整備区域として新たに認可申請しようといるが、その事業費総額は、約18億円。今回の値上げによる使用料の増分は、年間約1億円であるので、市街化調整区域の「整備」を10年かけて行う場合、単純計算で年間で1.8億円。今回の値上げ額より多くの経費が建設事業に投入されることになる。一方、合併浄化増による個別処理方式(補助方式)による1戸あたりの経費比較では、合併浄化槽補助方式は下水道整備の約半分で済む。よって、市街化調整区域の下水道整備事業については、費用対効果の再検証をすべきである。
2)について言えば、現在の市民税賦課状況を見ても、一人当たりの所得はリーマンショック以降、急激に落ち込んでおり、デフレ不況下の市民負担増は、明らかにデフレスパイラルを加速させることは明らかである。この点からも値上げの妥当性が検証されなければならない。
この二つの判断基準を土台として、一般的な「原則論」である維持管理費と資本費(下水道債の元利償還金)の「受益者負担」について、どこまでを市税で負担するのか、どこまでを使用料で負担するのかという議論が必要となる。