菱山中央醸造で仕込みのお手伝いです。

大変な作業なんです!

山梨の勝沼では数少ない現存する「ブロック・ワイナリー」である菱山中央醸造さん。有名ソムリエである田崎真也氏が一目置くこのワイナリーへ今回はワインの仕込みのお手伝いでお邪魔させてもらいました。
「ブロック・ワイナリー」とは、農家がブドウを持ち寄り日常のお酒となるワインを醸造するために造られたワイン醸造所で、基本的にはブドウ農家の集まりが経営母体となって自らワインを仕込み、醸造して、それから農家さんがそれを持ち帰るといった形態です。すなわち、農家さんが自分たちが日常のたしなみとして欲しい分をワインという形で還元しているのです。
よく、ブロック・ワイナリーは「生食用の余り物ブドウの有効活用」として位置づけられることが多く、実際に過去そうであった所もあるのも事実です。つまり、元から醸造を目的としたブドウではない上に「勿体ない」が原点で売り物にならない物をワインとして使うという事で低い目で見られがちですが、ここ「菱山中央醸造」さんは、まったくそれが当てはまらない『隠れた銘醸地ワイン』として口コミで知られてます。実際、原料も質の良いぶどうが持ち込まれ、設備はクラシカルなものの若旦那様の陣頭指揮の下でクリーンなワイン造りを心がけておられます。それを裏付ける材料として、先に述べたように田崎真也氏が隠れファンであるという事実(実際、単身自ら買い込みに来ています!)が全てを物語っているのはないのでしょうか。
小生は、勝沼の定宿である勝沼ぶどう郷YHさん繋がりで菱山中央醸造さんにお邪魔させて頂いてますが、今回が2回目です。(前回が2006年3月20日の瓶詰め&打栓のお手伝い。プラスアルファで同年6月16日に訪れてます。もうこんなに月日が経つんですなぁ〜。)
コンテナで次々と運び込まれる甲州ぶどうを次々とローラー式破砕機でブドウをばらし、それを木桶のバスケット式の圧搾機(最近はバスラン式やバルーン式水平式圧搾機が主体。垂直型のバスケット式はホンマにお目にかかれない。)でジャッキを使い手作業で絞る。日本では勿論のこと、外国でも滅多にお目にかかれない古典的な仕込み方法で、効率追求とは縁遠い対極の位置にありますが、手作りの良さと素朴な雰囲気は何処にも真似出来ません。説明よりも、現場の写真を見てもらった方がよう分かると思います。(そんな訳で写真はコチラ。) 今の世の中全てが便利さと効率重視ばかりですが、その過程では失われたものが多く、良いものまで全て捨て去ってしまった味気ないのになってしまった中で、菱山さんの仕込み風景はホントエエ意味でのモノづくりの原点がココにある!といった感じです。
ちなみに、ここのワイン、一般の方にも販売しております。「ぶどうの丘」の真下にある売店は『ぶどうばたけ』の店名(まんま直球勝負(笑)のネーミングもイイですね。)から生食用ぶどうの販売が主ですが、チャンとお店の方に伝えれば親切に出して頂けマス。(勿論、生食用ぶどうのレベルも高い!)
作業は朝9時から昼食はさんで夕方17時までミッチリやりましたが、大変かつ結構神経使う作業の中にも農家のオッチャンの皆さんの真剣さと和気あいあいさがエエ塩梅で同居した働きがいのある所でした。
夜は、ココの若旦那の三森斉氏と親交があり小生が良くお世話になっている塩山のぶどう園園主の方の所でBBQパーティーにご招待を受けソチラヘ。お泊まりもさせてもらい有難き幸せでした。お陰様でゆっくり過ごす事が出来ました。有り難うございました!