それでも退屈なパレヱドの一員になりたいとまでは思わない。

今更言うまでも無いが、筋肉少女帯の『パレードの日、影男を密かに消せ!』という曲は、猟奇と犯罪に興味を抱きながらも退屈な人生を送る事を選んだ男について歌った曲で、俗っぽい価値観を持ってバカでポジな生き方も出来ず、かといって学校そのものをドロップアウトできるアウトサイダーにもなりきれないハンパな根暗少年必聴の名曲である。俺もこの曲を多感な学生時代にうっかり聴いてしまい、着実にアングラ・マイノリティの道を歩み出してしまったワケです。
さて、そんな学生時代に最も身近な“パレード”といえば文化祭です。俺も『パレード〜』に登場する男よろしく、中・高・大と一貫してステージで馬鹿騒ぎしてる奴を横目で見、「こいつ等全員死んでしまえばいいのに。」と、怨嗟の念を発しては、教室の隅でひっそりと漫画読んで過ごすネガチブなコでした。
そもそも、お祭り騒ぎというヤツ自体が大嫌いでして、伝統だからという理由だけで、保険も降りないのに自らだんじりと衝突して肋骨折ったり、腐ったトマトをぶつけ合ったり、坂道を転がるチーズを全力疾走で追っかけるなんて、とても正気の沙汰とは思えません。嬉々として参加してる理解不能な連中を眺めては、「祭りなんてのは所詮、低能者のガス抜き以外にはクソの役にも立たねぇ代物だよなぁ。」なんて結論を出したものでした。
で、なーんでこんな話したかっつーと、明日、大学の学祭に行くことになったからなんだよな。正直、会いたい後輩なんて片手で余る程しか居ねぇから、気が進まないのも確かなんだが、「来て下さい」って言われたら、断る理由も無いし。
まぁ、苦虫潰しながら行くんだろうな。

彼らほどに勇気の無い僕は、退屈なパレードの一員になろうと思っています。
貴方は僕を軽蔑しますか?
筋肉少女帯『パレードの日、影男を密かに消せ!』より

UFOと恋人<『パレード〜』は、アルバム『UFOと恋人』に収録。正直、捨て曲の多いアルバムだが…。