岡村日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2006-04-15

[] 本を出した出版社が倒産した その8(その後のこと3)  本を出した出版社が倒産した その8(その後のこと3)を含むブックマーク  本を出した出版社が倒産した その8(その後のこと3)のブックマークコメント

続きを書く。

テレビ局からの依頼はまあ後ろ向きなわけですが、

一番最初にメールが来た新聞社の取材は受けてみることにした。

日付で言えば昨日となってしまうけど、取材があったのはつい先ほどのこと。


メールには僕のブログを読んで「冷静さ」に関心を持ったとあった。

そこか、と思う。なるほどな。

ブログに書いたのが全てです」といったん返答したところ、

「それでもお話を伺いたい」とのことで、

だったら会って話してみたいという気持ちになった。


仕事を終えて、銀座のとあるホテルロビーで待ち合わせ。

候補には帝国ホテルもあったんだけど、さすがにそれは気後れする。


記者の方は目印のために僕の本を抱えて待ってることになっていた。

(絵に描いたような、取材の待ち合わせっぽいです)

わざわざ amazon で取り寄せたのだという。

売れたところで僕のところにお金が入るわけでもないし、

礼儀として購入しただけなのかもしれないけど、

一冊でも誰かの手に渡って断裁を逃れたとなると作者としては嬉しい。


はじめましてとお互い挨拶して1階の喫茶店へ。

「食事はなされましたか?」と聞かれたのに

僕は会社を出て来る途中でラーメン屋に寄ったばっかり。

不謹慎ながら「ちぇっ」と思う。


取材は淡々としたもの。

債権者説明会の当日の模様であるとか、僕が出したときの出版社の雰囲気とか。

僕は出版社から送付されてきた資料や契約書など一切合財持ってきていて、それを見せる。

僕が最初に受け取った出版社のパンフレットを手にとって、

(そのうちのいくつかは写真に撮って新聞で使うかもということでお貸しした)

「特におかしな内容はないですよね、普通の出版社に見えますよね・・・」と記者の方は言う。

僕もそう思う。当時そう思ったし、今でもそう思う。

刊行物の案内を見ると、AVの男優だったりするが、少しばかり名のある人も本を出している。

自費出版希望者をメインに据えたビジネスを展開する前のことか?)


僕自身は本を出せたし、流通されたし、騙されたという気持ちはない。

僕の知る限り去年の前半まではまあ普通の「自費出版ビジネス系」出版社だった。

それが去年の後半もしくは年末に何かがあったのではないか?

そういう話になる。

「そこがこの件で一番わからないことなんですよね」

自費出版なり共同出版ならば著者が決して安くはない費用を負担しているわけだし、

それに基づいて本を製作して流通させればいい。

手堅く経営していれば、顧客の集まる限り経営の傾く分かりやすい要因は見当たらない。

なのにどうしたらこういうことに?

どこか闇のような部分があって、

そこにとんでもない額の資金が吸い込まれてしまったのではないか?

黒字だったビブロスをも飲み込んでしまうような。

どちらともなく「そんな気がしますよね」とはなるものの、

その原因究明そのものが今回の新聞社としてのターゲットではなく、話はそこで止まる。

まあ仕方がないか。


聞かれたことを話し、記者の方はメモを取る。45分ぐらいか。

僕がブログに書いたことの全体像、あるいはその補足のようなことを網羅的に聞かれた。

最後に、「作家志望なんですか?」と聞かれて「ええ」と答えた。

「でも次はこういうのじゃなくて、新人賞を取ることで、と思っています」

個人的なことはこれぐらい。

そんな感じであっさりと終わり。

いやー役に立ったのか。もっと「怒ってる」人の方がよかったのか。

それでも初めから終わりまで何度も何度も

本日はありがとうございましたと頭を下げられる。


社会部ではなく、文芸部の方だったので

他の自費出版系の出版社の動向は知らないかと聞かれた。さすがにそこまでは知らず。

文芸社とか新風舎とか、どうなんだろう?

実は、碧天舎と大差なくて、碧天舎タッチの差で早かっただけだったりしないか。


今日はどう帰られますか?と聞かれ、

「え?定期があるんで地下鉄で」と即答してしまう。正直者。

もしかしたらタクシーチケットがもらえた?と後から気がついた。

上に書いたメシの話もそうだけど、小市民的にいやしい。


原稿コピーを取っておくこと。

写真などオリジナルは絶対出版社に渡さないでコピーを渡すこと。

新聞社だからと言って出版に詳しいわけではなくて、

忠告するとしたらそれぐらいなのだそうだ。

「昔の新聞コピーを見つけることぐらいしか、頼まれても何もできませんけど・・・」

と苦笑される。

そしてレジのところで「では、これで」となる。


今すぐ記事になるわけではなく、当面先のようだ。

出来上がったら僕のところにも事前の確認のため記事を送ってくれるようだ。

名前はどうしますか?と聞かれて、「出さないでください」とする。

僕は「31歳、会社員」として登場することになる。


お世辞かもしれないけど、「メモ取るのうまいですね」と言われる。

同僚の記者に僕のブログプリントアウトを見せたら、「これはわかりやすい」とのこと。

(よく考えたら「文章がうまいですね」と言われたほうがいいか・・・)

議事録といえばオカムラ」「オカムラといえば議事録」と

ことあるごとに言われてきたわけですが、

ビジネス文書として上手という意味ではなくて、やたら長かったりするから)

これで新聞記者からもお墨付きを得たわけです。

なーんて、素直に喜んでみる。


丸の内線に揺られて帰ってくる。

金曜の夜、22時。周りは酔っ払いが多い。


僕のしたことがなんかの役に立つのなら、いいのだが。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/okmrtyhk/20060415