渋谷HMV閉店

渋谷の HMV が明後日8/22(日)をもって閉店する。
今日は休み、お台場で映画を見て温泉に入った後で渋谷へと向かった。
(そういえば平日なのになんでこんなに人がいるのだろう?
 と思ったら今日って若者たちにとってはまだ夏休みなんですね)


入ってすぐの、以前ならJ-POP、ロックやブラックの新譜が
かっこよくディスプレイされていたエリアががらんとしていた。
70%OFF のワゴンセールに多くの客が群がっていた。
1階の J-POP のコーナーはそれほどでもなかったけど、
3階のロックは棚がスカスカだった。
二度と補充されることはない。新譜だけが目立つ。
新宿高島屋や銀座 INZ の店がなくなるときも最後はこんな感じだったよな。
なんだか寂しい気持ちになった。
今日行ってみたらお台場の店もなくなっていた。
まるで元からなかったかのように。


都内からどんどん HMV が減ってきている。
特にかつて大型だった店舗。
今残っているのは、立川や吉祥寺、豊洲
デパートやショッピングモールの中の小型店舗のみ。
CD ってほんと売れないんだな。もう何年と。
長引く不況とダウンロードの普及と。
タワレコも渋谷や新宿の店がなくなってしまう日がいつか来るのかもしれない。
新宿や池袋の Virgin Mega Store がなくなったときのことを思い出した。


こんなことになるとは学生時代想像もつかなかった。
僕の東京での生活の中心に HMV がある、
そのことを永遠不変の事実のように捉えていた。


僕が初めて HMV に出会ったのは高校3年生の夏。
とある事情で上京して、たまたま知り合った人に
「渋谷に大きな CD 屋がある」「輸入盤を売っている」と教えてもらって、
連れて行ってもらった。
今はビル一棟ごとパチンコ屋になっている ONE-OH-NINE の地下にあった。
店内は薄暗くて、なんだか怖かった。
ものすごく大きな音で体に悪そうなロックがかかっていた。
それでも僕にとっては天国のような場所に思えた。
まだ17歳のオカムラ少年は目を輝かせる。夢中になって棚を漁った。
青森では決して手に入らない、ディスクガイドでしか見たことのない
アルバムがあちこちにあった。


どれだけの間そのフロアで過ごしただろう?
上野からの寝台特急で帰るため、時間はいくらでもあった。
Gangway のナンバリング入り限定盤のレアトラックスと
デンマークネオアコだとは全然知らず、店頭で大々的にプッシュされていたので
 なんとなく買ってしまった)
Can『Monster Movie』の輸入盤(これこそ青森で手に入らないロックの名作)を
買ったのは覚えている。
あと、もう1枚。
Can『Soundtracks』だったか、Tuxedomoon『Suite En Sous-Sol』だったか。
いや、これらは大学受験の帰りに買ったんだったか。


大学に入る。上京する。可能性が広がる。
その象徴が僕にとって、HMV であったように思う。


なんだか寂しいな。
このところ連日、閉店を惜しむアーティストたちによる
ライブイベントが店内で行われ、
昨日は終日曽我部恵一ディレクションだったようだ。
今日は夜まで何もない日で、店内はいつも通りだった。
最終日は須永辰緒沖野修也が出演する。
見に行こうかな。どうしようかな。


さようなら、渋谷 HMV これまでありがとう。