ブルーハーツとレピッシュと

「ジパンク」日本のパンクを聴く、今週末3/18(土)19時より神保町「温室」で開催です。


この1ヶ月の間に高校時代から買い集めていたCDを中心に100枚近く改めて聞き直して、
時にはヤフオクで落札して、AMAZON で数万のプレミアがついてるのを神保町JANISで借りて
裸のラリーズなんかも普通にあるんですね)、いろいろ発見があったわけですが、
例えばブルーハーツが登場したとき、なんで革命的と言われたか。
当時の音楽シーンというかライブハウスでどのように聞こえたか。
カラオケで友達が歌ってるブルーハーツと70年代後半から80年代前半にかけての
アンダーグラウンドなロックが飽和したときに彗星のように現れたブルーハーツとでは
全然違って聞こえるわけです。


宝島かその系列の雑誌でやたら盛り上がってるのが青森の片田舎に住んでる中学生にも伝わってきて、
聞きたいと思っていたら「TRAIN-TRAIN」がドラマの主題歌で使われて大ブレイク。
僕は後追いで「人にやさしく」とか短冊型のCDシングルを買い集めたものでした。
その頃には日本のロックの文脈というものを何も知らずにいたのでした。
18日はそういう話になります。


レナウンのコマーシャルは今見てもインパクトあるなあ。


【CM 1988】RENOWN I.N.EXPRESS 30秒+60秒
https://www.youtube.com/watch?v=m8oSGs8hkco

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当時ブルーハーツの『TRAIN-TRAIN』と並んで
瞬間最大風速的に話題になっていたのがレピッシュLA-PPISCH)だったように思います。
1988年の2枚目、『WONDER BOOK』の頃。
「Our Life」のライブ映像が CM で使われ、
シングル「リックサック」のミモフタモナイあっけらかんとしたラテン気質と
そこはかとないブラックユーモアが受けてあちこちでかかっていました。
前作からのシングル「パヤパヤ」もCMでよく流れていたもんです。
暴れっぷりのいい悪がきフロントの3人、
MAGUMIのスカ、杉本恭一のパンク、上田現の不思議な叙情性が
「混ぜるな危険」となってあの当時にしては早すぎたミクスチャーロック。
(実際、アメリカの「Fishbone」が来日したときに何度か対バンしている)


でもあれかなあ、そう感じたのもあの頃頻繁に青森来てたからかな。
深夜番組「なんだわけ天国」によく出てて。
今でも覚えてるのが青森市の浜辺で夜、3人だけでやった「イージンサン」


その後、鬼才トッド・ラングレンが3作目の『KARAKURI HOUSE』をプロデュース。
ニューヨーク録音。これが転機となったように思います。
ベースの TATSU はそれまで目立たなかったのにいきなりドレッドになって
その後スタジオミュージシャンとして売れっ子に。
キワモノとしてのピークはここかな。
4作目の『make』のシングル「magic blue case」と「ハーメルン」が彼らなりにヒットして
一番マスにリーチしたけどこのときのターゲットが曖昧だったのか、
その後の活動はコアなファン向けとなってしまう。
次の『FLOWER』は思いっきり地味でシングルも切られなかったし。
名曲「プレゼント」を収録、ホッピー神山がプロデュースの『ポルノポルノ』や
スタジオライブ一発録りでパンクなエネルギーを取り戻した『Q』といった隠れた名盤を発表、
これらが後期の代表作かな。
脱退した上田現がプロデューサーとして元ちとせの「ワダツミの木」を大ヒットさせるけど、
惜しくも2008年に逝去。レピッシュ自体は不定期で活動中。


パンクということで今思い出すのは『WONDER BOOK』の「Time Slip」という曲。
これ、最初「昭和生まれ」というタイトルだったんですね。
僕は病気で学校行くのが一年遅れた、僕の生まれた年に昭和が終わった、
といった出だしで「昭和生まれ」とバカにされるというサビ。
昭和天皇崩御は翌年だけど、レコーディングの頃には既に体調が悪くて世の中自粛傾向だったのかな。
さすがにまずいということになったのか、サビとタイトルを無難なものに変えて収録されました。
なんだか残念。
そんな平成の今、生前退位が議論されているという。
たぶん同じ内容で「平成生まれ」って曲を発表してもすんなり通りそうな気もする。


LÄ-PPISCH - OUR LIFE (PV)
https://www.youtube.com/watch?v=gRNAZSlXBPo


LÄ-PPISCH - プレゼント
https://www.youtube.com/watch?v=Eo1QKuJcsG0


レピッシュ ワダツミの木
https://www.youtube.com/watch?v=CdJrl_B1LvI