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2018-04-08

[] 「練馬区独立70周年記念展 サヴィニャック パリにかけたポスター魔法 「練馬区独立70周年記念展 サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」 - 岡村日記 を含むブックマーク  「練馬区独立70周年記念展 サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」 - 岡村日記 のブックマークコメント

この土日は特に予定なし。

今日も一日家でゆっくり過ごすつもりでいたところ、

朝、妻がスマホを見せてこれを見に行きたいという。

練馬区立美術館で開催されている

サヴィニャックというフランスの画家による商業ポスター展覧会だという。

https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201709181505718201


そもそもの話、練馬区に区立の図書館ってあったんだ!?

これまで2年近く住んでいて知らなかった…

西高島平の方から首都高乗るとき、

カーナビに板橋区立図書館というのがモニターの端に映って

板橋区は区立の美術館があるのか、すごいな。なんて思っていた。


調べてみると所在地は練馬区の貫井。駅で言うと中村橋。

笹目通りから目白通りに入って環八にぶつかってもそのまま行けばいいか。

この前のハーフマラソンのルートと大して変わらない。

『Lazy Sunday』が終わって15時過ぎ、散歩がてら歩いて行ってみることにした。

谷原の交差点までまっすぐ行くのではなく、

途中で一本内側に入ってしばらく行くと斜めの道に交差する。

これが中村橋・練馬までのバス通路になるので、そこに沿って進んでいく。

目白通りに出るとそこが中村橋の駅近く。

美術館まで40分ぐらいで着いた。案外近い。


駅のすぐ近くにあって、手前が子どもたち向けの公園になっている。

動物たちのアートな像があちこちに立っている。

美術館の中に入ると結構混んでいる。

区立美術館だからと高をくくっていたらびっくり。

サヴィニャックという画家のことは知らなかったけど、人気なのだろうか。


20世紀後半のパリを舞台活躍

マギーブイヨン、チンザノ、ダノンシトロエンルノージタンなど。

日本でも有名な企業の広告ポスターをカラフルでユーモラスな筆致で描いた。

色遣いが鮮やかで、ほんのり風刺が効いていて、眼差しが優しい。

ブイヨンのポスターだったらデフォルメした牛の胴体の前半分しか描かない、

毛糸ポスターだったら羊の下半身毛糸になっているなど

描き方そのものは実験的なのに、難しさが全くない。ぽすとかー

擬人化というか漫画化のモード構成の巧みさということか。

たしかにこれは芸術品と呼んでよいポスターだと思う。

それがパリの街並みや地下鉄の通路に並んで貼ってあったのか。

「パリの街並みを美術館にした」という評価はまさにその通りだと思う。

日本だとサントリー森永、そして豊島園のポスターを手掛けていた。

豊島園のを描いていたから、今回練馬区で回顧展となったのではないか。


見終わって妻がポストカードと図録を買う。

普段こんなに人が入ることはないんだろうな。

わずかばかりのミュージアムショップチケット売り場の隣にあってレジはひとつだけ。

ポストカードやクリアファイル、図録を買う人たちが長蛇の列をなしていた。

いつもは知る人ぞ知る、国内作家個展が多いようだ。

練馬区独立70周年記念ということで海外作家の大々的な回顧展だったんだけど、

もしかしてこの規模の展示は初めてだったのか。


17時半。中村橋の商店街を歩いて海鮮焼きの居酒屋に入り、

18時までがハッピーアワー生ビールハイボールチューハイが半額というので

30分の間に元を取ろうとたくさん飲んでしまった。

帰りはバスのつもりが、ちょうどいい時間帯がなくて結局光が丘まで歩いて帰ってきた。

斜めに光が丘まで突っ切る道が他にもあって、案外近い。

中村橋まで散歩して歩いて帰ってくるのはありだな、と思った。

2017-12-09

[][] 東京ゲゲゲイなど  東京ゲゲゲイなど - 岡村日記 を含むブックマーク  東京ゲゲゲイなど - 岡村日記 のブックマークコメント

昨晩飲んで帰ってきて、タモリ倶楽部を見る。

さあ寝るかなと思っていたら

妻がノートPCを広げて YouTube を見始める。


椎名林檎 - 長く短い祭 from百鬼夜行

 https://www.youtube.com/watch?v=YLfkgo-3_sk


この曲がそもそもいいわけなんですけど。

椎名林檎もさることながらメンバーの浮雲がいい。

奇天烈なのに色気がある。

妻の詳しい友人曰く、キリンジ解散して以来、ペトロールズに流れているのだと。

昔のアルバムプレミアがついてたけど、今はどうなんだろう。


その後、ドリカム吉田美和が以前はまっていたという「東京ゲゲゲイ」へ。

最初、いったいこれはなんだ!!?? と目が点になった。

以上にスキルが高いし金もかかってるけど、何を表現したいのだろう?

というかこいつら性別もわからないし、いったい何なのだろう? プロ? 素人?

何本か見て、ようやくダンサーたちなのだということが分かった。

ライヴ映像を見ると女性ファンが熱狂的な声を上げている。

なんかもう、確かにこれどっか病んでて、観てる方も病みつきになる。


東京ゲゲゲイ「世界中からサヨウナラ」』

 https://www.youtube.com/watch?v=B7YjU9WkR5s


東京ゲゲゲイ「ゲゲゲイの鬼太郎」』

 https://www.youtube.com/watch?v=z8rly_GCRoA


東京ゲゲゲイ 驚愕ダンスパフォーマンス | TOKYO GEGEGAY』

 https://www.youtube.com/watch?v=3LQlsZwyIEo


最後にもう一つ。その後に見たんだったかな。

どう辿ったのか妻が「IKZO」に行きついて「なにこれー!!」と驚愕

吉幾三の『おら東京さ行くだ』とのマッシュアップ

今も最近の曲で作られ続けてるんですね。そのひたむきさに感心する。

というか技術力がさらに上がってて、とんでもないことに。

どこがつくり込んだ部分で、どこが重ねた部分なのかつなぎ目がわからない。

2つ目のはさらにニコ動とのコラボでもあって。圧倒された。

こんなふうにしてコンテンツの次元があがっていく。


「【IKZO】STAY TUNE in 農協Suchmos】【吉幾三】」

 https://www.youtube.com/watch?v=0UbNHQ_x8nE


「【IKZO】青森スタイル【PSY】」

 https://www.youtube.com/watch?v=AKwMN-QQr2w

2017-11-25

[] 「モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演」  「モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演」 - 岡村日記 を含むブックマーク  「モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演」 - 岡村日記 のブックマークコメント

終日外出。

9時に起きてクリーニング屋。戻ってきて、大江戸線に乗って飯田橋。

快晴。お茶の水まで歩いていく。線路脇の散歩道を初めて歩いた。

お茶の水の DiskUnion を覗いた後、神保町へ。

この前混んでいて入れなかった「AVOCAFE」でアボカドスパム丼。

開店直後にほぼ満席。


三田線に乗って御成門。芝公園まで一駅歩く。

編集学校で知り合った方の「新渡来人プロジェクト」

今回は2回目でタイトルは「複眼」

上海で起業された方たちを中心に何人かのお話を聞く。

普段仕事全で接しているのとは全然違うタイプの人たち。

日本と中国の関係は大きく変わっているのに

そのことに目を向けない、向ける機会のない日本人は多い。

今や中国人がうちの製品を「Made in Japan」ブランドで作って、

と頼んでくるのだという。

このところ仕事でキュウキュウとしていたのが、

実は小さいことだったんだなあと気づかされた。


講演は途中まで、夜の部もあったようだけど

16時半に会場を出て上野の東京文化会館へ。

「モーリス・ベジャール・バレエ団」の日本公演を見る。

招待券のチケットが当たった。

本当は妻と見に行くはずが、編集学校のはずせない用事が。

facebook で募ってみたところ

かつてバレエを教えていた友人がピンチヒッターで来てくれることになった。

ロビーで待ち合わせて、観客席へ。

3階のB席。横から見下ろす形になったけど、結構近かった。

1階はほぼ満席、4階・5階席は割りと空いていた。

モーリス・ベジャールが亡くなって、ジル・ロマンが引き継いで10年近く。

今、人気はどうなんだろう。熱心なファンは減ってきているのかな。

演目は4つ。


「ピアフ」

舞台にはエディット・ピアフの写真がいくつか。

女性ダンサーは登場せず、男性ダンサーばかり。

そこに暗示されるもの。それが彼女の人生を形作ったということか。

単に踊り手と振り付けがあるというのではなく、

それを超えた表現へと向かっているというのがよくわかる。


「兄弟」

ボルヘスの短編に触発されて、

ジル・ロマンの日本での経験が元になって出来上がったという。

男女3人ずつのダンサーのうち、日本人男性のダンサーが2人。

途中から三味線が聞こえた。

恥ずかしながら前半の大半を寝てしまった。


「アニマ・ブルース」

ユングとオードリー・ヘップバーンに捧げる作品。

駅の待合室のような繋がった椅子が壁際に配置され、後半でダンサーたちがそれを片付ける。

ピナ・バウシュっぽいなと思った。

音楽がいい。ギターによるブルース。切り裂くようでいて、どこか心もとない音になる。

ビル・フリーゼルが一番近いか。

しかし、なんでこういう音楽ってアルバムとして発売してくれないんでしょね。

また聞き直してみたいんだけど。もったいない。


「ボレロ」

映画『愛と哀しみのボレロ』でもハイライトの場面で踊られて、ベジャールの代表作の一つとなった。

舞台中央には楕円形のテーブル。

その上で「メロディ」役のダンサーが一人ささやかに腕を動かし始める。

コの字型に椅子が取り囲んでいて、「リズム」役のダンサーたちがうなだれて取り囲んでいる。

ボレロの繰り返されるリズム。楽器が加わり、音も少しずつ大きくなっていく。

それとともに「メロディ」役のダンサーの身のこなしもまた大きくなっていく。

「リズム」役のダンサーが一人一人立ち上がり、テーブルの周りで踊り始める。

群舞となり、同じ動作でリズムを表現する。この躍動感。

ボレロという曲の魔術的、麻薬的なヤバさを体現する。

リアルで見ることができてよかった。

ダンサーの半分は日本人で、東京バレエ団か。身体付きが圧倒的に違った。

ダンサーたちは上半身裸だったんだけど、身体測定に並んでいるように見えた。


終わってカーテンコールが何度も続く。

上野駅前に出て軽く飲んで帰ってきた。

正統派のバレエも見てみるといいですよ、と。

アンサンブルの一糸乱れぬ美しさは日本人の方が秀でているけど、

肉体の存在感や表現力ならば海外の方が圧倒的。

なるほど、そういうものか。

ボレロもやはり肉体的なすごさだった。

2017-10-08

[] 『小さな村の物語 イタリア』  『小さな村の物語 イタリア』 - 岡村日記 を含むブックマーク  『小さな村の物語 イタリア』 - 岡村日記 のブックマークコメント

去年から BS日テレの『小さな村の物語 イタリア』をよく見ている。

土曜の夕方18時と、日曜の朝10時に過去の再放送と。

時間のある時は欠かさず見ている。

今、一番好きなテレビ番組。


青森に帰った時に新聞のテレビ欄を見たら母が赤のボールペンで囲っていて、

18時になってからチャンネルを変えた。

最初はなんて地味な番組だろうと思った。

それが東京に戻って暇なときにたまたまテレビをつけたらやってて、

そこから一気にはまった。


名前の通り、イタリアの小さな村を訪れるという番組。

村は毎回異なる。

北の方だったり、南の方だったり、沿岸部だったり、山深いところにあったり。

あるいはシチリア島であるとか。

僕はローマとナポリの位置も未だわからずにいて、その辺はずっと無頓着なまま。


フォーマットのようなものが決まっている。

その村に住む2人の人物とその家族、身の回りの友人たちを取り上げる。

だいたいのところ、1人は20〜40代で、もう1人は50〜80代。

つまりふたつの世代をということになるんだけど、対比的に描くことはない。

どちらも村を愛して、身の丈に合った慎ましい生活を送っているので

むしろ重なることの方が多い。


淡々とその日々を描く。

朝起きて簡単な食事をして、家事をして、

店を開けたり畑に出たりして、仕事をして過ごす。

昼食の時間になると家に戻ってきて家族と食べて、また仕事をする。

夜になってまた戻ってきて家族と食事。

それで一日が終わる。

週末となると近くに住む息子や娘夫婦や親戚たちが来て大きなテーブルを囲む。

ただそれだけなのに毎回見てしまう。

年配の方を取り上げるときには小さい時の村の生活がどうだったかとか、

必ず夫婦の馴れ初めの話を挟むとかちょっとした味付けもあって、飽きさせない。

カメラはその風景を切り取るだけ。

ディレクターが話しかけたり、

日本人であれイタリア人であれレポーターが出てくることはない。


これがスローライフなんだなあ、こういう生活がしたいなあ、

でも日本にいたらできないなあと思いながら見る。

ほとんどの人がそうなんじゃないか。

2007年に始まってもう10年。昨日が261回。密かな長寿番組。

昨日は出てきたうちの一人が娘が村で結婚式を挙げるというので

一年かけてテーブルの飾りやウェディングドレスの準備をしている。

だけどその結婚式そのものは映さない。そこには入り込まない。

今回も大きな事件が起こることなく、終わっていく。


昼や夜の食事の場面が、おいしそうなんですよね。

必ず作るところから始める。

ありあわせの野菜をトマトソースで煮て、棚の中にあったパスタを加える。

ただそれだけの家庭の味。

僕はほとんどイタリアンの店には入らない。気取っているようでなんか疲れる。

こういう家庭料理としてのイタリアンを出す定食屋みたいな店が東京にも増えないかな。

イタリアで修業したとなるとビストロであるとかそれなりに店を構えたくなるものだけど。


そんなわけで僕もこれから冷凍の挽肉やカットトマトの缶詰だとか、

あり合わせのものでパスタを茹でようと思う。

2017-08-27

[] 沢田教一と荒木経惟  沢田教一と荒木経惟 - 岡村日記 を含むブックマーク  沢田教一と荒木経惟 - 岡村日記 のブックマークコメント

予定のなかった日曜の午後、写真店をふたつ見に行った。

日本橋高島屋で「写真家 沢田教一展 −その視線の先に」

http://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/sawada.html

初台の東京オペラシティアートギャラリーで「写狂老人A 荒木経惟」

http://www.operacity.jp/ag/exh199/

妻の運転する車で回った。


沢田教一の方は年代別に整理されたオーソドックスな回顧展。

三沢の米軍基地で出会った妻サタと共に青森を撮影した若き日々。

居ても立っても居られなくなってベトナムに渡り、戦場の最前線を駆け巡って世界のサワダとなる。

「安全への逃避」でピューリッツァー賞を獲得、ベトナムを離れて平穏な日々を望むも

ベトナム以上に混沌としたカンボジアの地へと呼び寄せられ、若くして亡くなった…

僕もこれまで何度か沢田教一の写真を見てきたけど、青森の写真は初めてかもしれない。

貧しい漁村の風景。赤子を背負う幼子の写真は後にベトナムでの同じテーマの写真に重なっていく。

1950年代半ばにカラーでねぶたを撮影したのは記録としても珍しいという。


荒木経惟はいくつかのセクションに分かれていた。

空の写真を壁いっぱいに集めたもの。

花の写真を壁いっぱいに集めたもの。

「週間大衆」の人妻ヌードの連載。

2017年7月7日に撮影した膨大な量の写真日記。

「八百屋のおじさん」という名の1960年代半ばのスクラップ。

切り裂いて他の写真と組み合わせていく、同じく壁いっぱいのコラージュ。など。


戦後日本を代表する二人の写真家ですが、ここまで対照的な二人はないわけで。

片やエロスを追求し、あらゆるものに潜むエロスを明るみに出す、

日常のあらゆるものがエロスであるとする。

その匂いや湿り気が立ち上ってくる。

片や「泥まみれの死」「敵を連れて」のようにすぐ目の前に迫っている死を、

迎えたならば死体という物でしかなくなる死というものを前にして、

エロスといった「意味づけ」をしている余裕はない。一瞬の事実、その光と影だけがある。


その一方で共通点にも気づく。

青森の子どもたちや「八百屋のおじさん」がそうであったように

昔の日本人はいい笑顔をしていた。生活の喜怒哀楽が素直に出ていた。

いつのまに失われてしまったのだろう。

感情を表すことで社会的な不都合を引き起こす可能性を必要以上に恐れるようになった。

これらの表情は写真家の側の切り取るセンスに寄るところも大きい。

二人とも結局は戦争の奥の、エロスの奥の「人間」を撮っていたのだ。

「人間」を愛しいものと感じながらひとつひとつのシャッターを切っていったのだ。

そこから生まれる片や悲しみと片や哀しみを描いていた。


とはいえ

アラーキーに戦場のヌードを撮ることはできないし、

沢田教一に煽情的なヌードを撮ることもできない。

決して交わることのない二人の写真を同じ日に見ることのできる21世紀の日々、

21世紀の東京というものを思う。