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リプロな日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-10-12 [abortion][Japan][repro][RU486][中絶][学会発表][実態][調査][日本

やはり掻爬が中心〜日本の中絶方法について初の調査結果(第一報)

私も関わってきた人工妊娠中絶に関する調査プロジェクトで、日本の中絶で主に使われている方法や医療者のRU486に関する意識などが初めて明らかにされました。

この画期的な調査結果のうち、今日は一点だけ簡単に説明しておきます。

日本でどのような中絶方法が用いられているかは、これまで一度も調査されたことがなかったのですが、日本の中絶で長年主に掻爬(道具で掻き出す方法)が用いられてきたことは間接的な証拠から推察できたものの、一度も立証されたことがありませんでした。

一方、世界では妊娠初期の中絶に用いる方法として掻爬と吸引法(機械/器械で吸い出す方法)の比較研究が盛んに行われた結果、1970年代頃から掻爬に代わって吸引中絶が主流になりました。さらに1990年代には薬(RU486、ミフェプリストン)を用いた中絶方法が各国に広まり、2003年にはWHOが初期中絶の方法として吸引と薬物中絶を推奨し、掻爬はこれら安全な方法が得られない場合の代替手段と位置づけられるようになりました。

にも関わらず、日本ではやはり今も掻爬が多用されていることが今回の調査で初めて明らかになったのです。この事実がもたらす影響は広範にわたるため、ここでは触れませんが、私の研究やブログで取り上げてきた様々な論点に関わるトピックであることは多くの方がお気づきでしょう。

なお、調査結果の一部は9月30日の日本母性衛生学会のポスター発表3本ですでに公開済みですので、そのうち2本のポスター発表について、発表者の了承を得てここに掲載します。画像が不鮮明であることはお詫びいたします。いずれ解説やもう少し見やすいホームページ等での公開も検討しますが、なかなか時間が取れないためまずは第一報としてご了解ください。

以下は神奈川県立保健福祉大学の杵淵恵美子先生が発表された医師調査の結果です。縦長サイズのポスターを3分割しています。

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以下は塚原が担当した医師と看護者の2つの調査からRU486に関する部分をまとめた結果です。

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なお、金沢大学の水野真希先生も同じ調査プロジェクトの中絶ケアに関する看護者調査の結果を同学会で発表しています。また、調査結果の詳細は、追って論文にまとめて関連学術誌に投稿予定です。