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リプロな日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-12-20 [水子供養][罪悪感][ジェンダー][セクシュアリティ][セクシャリティ]

胎児・女性・中絶・水子

私が監訳した『水子供養 商品としての儀式――近代日本のジェンダー/セクシュアリティと宗教』が、明石書店から近日発売されます!

他国に比べて、日本では、どうしてこれほど「中絶」が罪悪視されるのかと、ずっと考えてきて、その一つの原因が「水子供養」だと長年思ってきました。そして見つけたのが、この本(の原著)でした。それから紆余曲折があり、10年以上かけて、ようやく翻訳出版に至り、ほっとしています。

オビには、こんな文言があります。

戦後発明された新たな「慣行」は なぜ爆発的に広まり、定着したのか

米国の宗教学者による水子供養の画期的論考、待望の邦訳。史料分析と現地調査により、大衆メディアの活用、徹底的な商業化、超宗派的な儀式の性格を多面的に描き、その根底にある女性差別、胎児中心主義的イデオロギーを暴きだす。

オビウラには、私の監訳者あとがきからの抜粋が載りました。

 ここで考えるべきなのは、女性たちを殺人者に仕立てたり、何もない空間に還元したりするのはいったい誰なのかということです。「患者中心主義」であれば主体は患者であり、「自民族中心主義」であれば主体は当の民族の人ですが、「胎児中心主義」の胎児は主体にはなりえません。「胎児中心主義」は、「胎児」と「女性」のあり方をそのどちらでもない第三者が一義的に決めつけた見方なのです。「胎児中心主義」のレトリックを用いる人々は、自ら構築した「胎児」の像を隠れ蓑にしながら女性たちを「脱中心化」しようと試みています。胎児中心主義においては女性たち自身の自主性や多様な見方は捨て去られ、女性たちは「胎児の母」として一義的に決めつけられ、許しがたい「子殺し」を行ったと断罪されます。まさにそのような文脈に基いて、女性搾取的な水子供養ビジネスが展開されたのです。

ぜひご覧ください。

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以下、夕方に追記:

本が到着しました! 美しい本に仕上がりました。

内容も読みごたえがあるはずです。

早くも本の内容を紹介しているサイトがあるのを見つけましたのでご紹介します。発売予定は12月25日です。

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