税理士と公認会計士ならどっち?


公認会計士の隣接資格として税理士の存在があります。
資格取得を考えたときに、公認会計士と税理士のいずれを取得すべきかは思案のしどころです。
結論から申し上げれば、公認会計士試験を受験する方が有利です。
まず、試験の受かりやすさを比べてみましょう。
税理士試験は簿記、財務諸表論など5科目の試験に合格する必要があります。
ただし、科目合格制が導入されており、1科目ずつ合否が判定されます。
一度合格した科目については、その合格は生涯有効です。
そのため、毎年1科目ずつ受験して科目合格を積み重ねて行く長期作戦を取ることができます。
この結果、受験勉強に専念することのできない社会人にとって、税理士試験は受けやすい試験とされています。
これに対して、公認会計士試験は現行試験制度において、科目合格制が認められていませんでした。
しかし、新試験制度においては、2年間限定の科目合格制が導入されます。
この結果、社会人であっても働きながら受験勉強を十分続けていける試験になりました。
しかも、税理士試験は、毎年1科目ずつ受験する人が多いため、各科目の受験生は相当時間をかけて深く勉強しており、そのレベルは公認会計士試験を上回ります。
ですから、今後は税理士試験よりも公認会計士試験の方が受かりやすい試験になるといえましょう。
さらに、公認会計士の資格を有する者は、税理士の登録ができます。
反対に税理士の資格を有していても公認会計士の登録はできず、試験を受け合格しなくてはなりません。
つまり公認会計士と税理士の両資格の関係は、運転免許に例えるならば、普通自動車免許と原動機付自転車免許の関係にあたります。
もし、公認会計士試験がどうしても難しいと感じるのであれば、米国公認会計士(USCPA)の資格をお勧めします。
こちらは、日商簿記1級よりも易しいといわれており、科目合格制も導入されています。
英語や学位の問題などもありますが、税理士試験よりも受かりやすく将来性のある資格です。