児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

法とコンピュータ学会第29回総会・研究会のご案内

P2P」だ、winnyだ、小倉さんだ。

法とコンピュータ学会第29回総会・研究会のご案内
研究会テーマ『安全と私的自治、手続的正義j
開 催 年 月 日   2004年11月13日(土曜日)9:30−17:40
開 催 場 所    情報セキュリティ大学院大学横浜駅きた西口より徒歩1分)
参  加  費     会員 無料, 一般 2,000円 学生1,000円
連  絡  先     法とコンピュータ学会事務局(随 03・3796・5436)
開 催 日 程
10:00.12:00 研究会(午前の部)
「公共の安全と憲法上の権利」松井 茂記(大阪大学大学院教授)
P2Pの法的課題」小倉秀夫(弁護士)
知的財産権の保護と自力救済」小川 憲久(弁護士)
13:30・17:40 研究会(午後の部)
「手続的正義」夏井 高人(明治大学教授)
「通信ログの保全 刑事訴訟法の改正」松沢 栄一(ニフティ法務課長)
「個人情報の保護」 山本 順一(つくば大学教授)
15:00.15:15 コーヒー・ブレイク
松井 茂記(大阪大学大学院教授)

15:15−17:30
パネルディスカッション一手続的正義一  司会 夏井理事
18:00−19:30 懇親会 自由参加・会費別途
※ご出欠については後日、事務局より確認用のハガキをお送りいたします。

データは児童ポルノか?

 新法については、ちょっと考え中。
 旧法については3つ判例があるから、データは児童ポルノではないといのが正解。
 個人的には、特別法なんですから、web掲載罪、メール送信罪、ファイル供用罪という風に、ターゲットを絞って改正して追い掛けていくのが簡明だと思います。

1 大阪高裁H15.9.18

http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/27642C03FB01140B49256E6700180854/?OpenDocument
,【要旨】児童買春児童ポルノ禁止法2条3項は,「『児童ポルノ』とは,写真,ビデオテープその他の物であって,次の各号のいずれかに該当するものをいう。」と規定しており,「その他の物」については,その例示として掲げられている物が写真,ビデオテープであることからすれば,文理解釈上,これらと同様に同条項各号に掲げられた視覚により認識することができる方法により描写した情報が化体された有体物をいうものと解すべきであるところ,関係各証拠によれば,本件において児童ポルノに該当するとされている画像データは,被告人において,契約を結んだ東京都千代田区a町b丁目c番地d所在の株式会社E管理のサーバーコンピューターにホームページを開設し,同コンピューターの記憶装置であるディスクアレイ内に記憶,蔵置させた電磁的記録であり,このような電磁的記録そのものは有体物に当たらないことは明らかである。

2 東京高裁H16.6.25

 東京高裁h16によれば、児童ポルノ公然陳列罪の客体とされるのは,これらの画像データ自体であるという見解は,「いずれも当裁判所とは異なる見解を前提とするものであるから,採用の限りではない。」

東京高裁平成16年6月23日平成16年(う)第462号(被告人上告公刊物未掲載)
5法令適用の誤りの論旨について
(1)所論は,要するに,①本件掲示板に児童ポルノ画像を掲載,公開することは,法7条1項所定の「陳列」に当たらないのに,これに当たるとした原判決には,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令適用の誤りがある(控訴理由第8),②本件犯行において,児童ポルノ公然陳列罪の客体とされるのは,これらの画像データ自体であって,これが記憶・蔵置されている本件ディスクアレイではないのに(ディスクアレイだとした場合には,そこに記憶・蔵置されている適法なデータも児童ポルノとして没収されることになるから,憲法21条,29条,31条等に違反することになる。),本件ディスクアレイだとした原判決には,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令適用の誤りがある(控訴理由第9),と主張する。しかし,本件ディスクアレイに児童ポルノ画像を記憶・蔵置させ,これをインターネットに接続したコンピュータを有する不特定又は多数の者に閲覧可能な状況を設定することが法7条1項所定の「陳列」に当たるとした原判決の判断は正当なものとして肯認できるし,児童ポルノが記憶・蔵置されている本件ディスクアレイを児童ポルノであると認定した原判決の判断も正当である。所論は,いずれも当裁判所とは異なる見解を前提とするものであるから,採用の限りではない。また,本件においては,本件ディスクアレイの没収は問題とされていないから,これを前提とする憲法違反の主張は,その前提を欠いていて失当である。論旨は理由がない。

3 東京高裁H15.6.4

 データを児童ポルノとすれば、媒体が変わっても、児童ポルノとしては変わらないはずなんですが、原田裁判長は媒体にこだわっています。

東京高裁平成15年6月4日宣告
平成15年(う)第361号

第5 法令適用の誤りに関する論旨について(控訴理由第2,第7ないし第10,第13、第14,一部他の控訴理由を併せて主張するものを含む。)
1 本件MOに関する法令適用の誤りについて
所論は,①本件MOはMacフォーマットで記憶されており,Macは稀な機種であるから,一般人は本件画像を閲覧できず,視覚で認識できないから「児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」とはいえず,児童ポルノに当たらない(控訴理由第7),②「製造」とは,撮影,編集等により新たに児童ポルノを作り出すことをいうところ,電子データも児童ポルノであり,MOに蔵置されたデータは,撮影されてコンパクトフラッシュカードにいったん蔵置されたデータを,ハードディスクを経由して無編集でコピーしたものであるから,MOの作成は不可罰的事後行為ないし所持罪を構成するものにすぎず,製造罪(法7条2項)には当たらない(控訴理由第9),③MOはバックアップ用であり,その製造・所持には販売目的がない(控訴理申第10),という。
まず,①の点については,いわゆるマッキントッシュのパーソナルコンピュータは我が国においても広く普及していることは公知の事実であり,それらの機器を使用すれば視認は容易であるし,本件MOの画像データは汎用性の高い形式のファイルで保存されているから,他のパソコンに転送して表示させることも容易であり,「視覚により認識することができる方法により描写したもの」(法2条3項各号)に当たるものと認められる。②の点は,全く同一のデータを異なる媒体にコピーした場合であっても,その媒体は新たな取引の客体となり得るのであって,「製造」というを妨げない。デジタルカメラで撮影し,コンパクトフラッシュカードにその映像を蔵置した行為も当然製造に当たるところ,犯意を継続させてMOにそのデータを転送すれば,両者が包括一罪として評価されることになるが,そうであるとしても,後のMOの作成行為が不可罰となるわけではない。③の点も,本件MOがバックアップ用であるとしても,被告人は,必要が生じた場合には,そのデータを使用して,販売用のCDRを作成する意思を有していたのであり,電磁的ファイルの特質に照らすと,児童ポルノの画像データのファイルが蔵置されている媒体を所持することにより,容易にそのファイルをそのままの性質で他の媒体に複製して販売することができるから,法益侵害の実質的危険性は直接的で,かつ切迫したものといえる。もっとも,本件において,実際には,元のファイルをそのまま複製するのではなく,目をぼかす,サイズを縮小するなどの加工を経た画像ファイルを記録した媒体を販売に供しているが,ファイルサイズの縮小は,機械的に処理できるものであり,目のぼかしも容易な加工であり,児童ポルノと評価される部分は,ほぼそのまま複写されることになるから,MOのファイルは,相当な加工の過程を経て商品となる原材料のような性質のものではなく,販売用の児童ポルノと同質のものであり,MO自体は販売目的を有しなくても,販売目的の所持ということができるものと解すべきである。とりわけ,このことは,製造罪についてみれば明らかである。すなわち,児童の心身に有害な影響を直接与える行為は,児童ポルノの撮影行為であろうが,それによって得られるフイルムや画像ファイルなどの生のデータをそのまま販売するのではなく,これに加工を施した上で販売する意思であれば,撮影をしただけでは販売目的の製造は既遂とならず,販売用の加工を施して商品として完成させなければ製造罪には当たらないということになり,法の趣旨を損なう結果となる。したがって,ここでいう販売の目的には,後にそれに同質性を損なわない程度の加工を施した上で販売する目的を有するような場合も含むものと解するのが正当であり,所持罪についても同様に解される。
以上のとおりであるから,論旨はいずれも理由がない。

明治大学大野幸夫 書評「ハイテク犯罪捜査入門」法とコンピュ−タ22 P101

こんなところにもWINNYの話が。

「ハイテク犯罪捜査入門」法とコンピュ−タ22 P101
ハイテク犯罪捜査入門
大橋充直著
東京法令出版、2003年
1.本書では「法執行機関の皆さん・方々……」という言い方が随所にみられ違和感を持つかも知れないが、これは、「はじめにの部分」の執筆目的にも記載されているように、当初の連載草稿が、本来は身近な仲間達に向けた啓蒙・助言の意図で書かれたことを示している(123頁注85)。
(中略)

丹念に読んでいくと、「ハッカー検事」は、電気通信や暗号技術のみでなく軍事・薬物関係にも高いレベルの知識を持つうえに、映画・小説等でも深い造詣を窺わせる記述が随所に見られる。独学か検察官として学習したのかは別として、この知識の幅が、本書の奥行きを一層深くし、単なるマニュアルや解説本に止まらない水準に至らしめているのは確かである
(中略)

4.現代型ハイテク犯罪への対処例として、2004年5月10日に起きたP2Pファイル交換ソフトWinny開発者逮捕事件についても触れておきたい。直接の容疑は著作権法の「送信可能化権侵害の幇助」である。筆者がどのような見解を持つか尋ねたいところだが、公判(5月31日起訴された)を控え事実関係も不明な点が多いので、問題点の指摘に止める。
ここでも本書で指摘したインターネットの基本技術につき「技術論と法律論」とが噛み合っていないことが如実に示されたといえよう。

(中略)

当初から高いハードル(規制・取締)を設定すると、古い仕組や既得権者を擁護する結果しかもたらさず、将来の重要なメディアの創成や我々の生活を支えるハード・ソフトの国際的市場を失う結果さえ導きかねないからである。著作権法は、社会統制のため必要だが、同時に「公正競争に留意しつつ」技術進歩や社会革新を止めず「文化の発展に寄与する目的」を持つこと(著作権法1条)も忘れてはならない。劇的に進行するインターネット技術の渦中では、Winnyは過渡的なソフトにすぎないし、現時点で、日本以外では「純粋P2Pソフト」作成者を逮捕している先進国はない。「法律論」からみても純粋P2Pにつき米国(上記)はじめ最近カナダ・オランダで示された判決(間接侵害を否定)は、技術進歩面からも、私は将来の正しい方向性を示していると考える。

最高裁判所ホームページへの記事掲載に当たっての留意事項について(事務連絡)

どうでもいい話みたいですね。

高木さんのコメントがあります。
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040815


事務総局局課 御中
平成16年6月10日
広 報 課
最高裁判所ホームページへの記事掲載に当たっての留意事項について(事務連絡)
先般,最高裁判所ホームページ掲載の準備作業をしていた記事について,公開予定前にいったん外部から閲覧できる状態になった事例がありました。
情報の管理については,厳格になされるべきものであり,このような事例が再発することとなると,裁判所の信頼を損なうことになりかねません。
ホームページの運営に当たっては,これまでも十分留意していただいていることとは思いますが,今一度,情報管理の重要性につき確認していただいた上で,改めて各担当者に平成15年7月10日付け当課広報係作成の「最高裁判所ホームページ運営上の留意事項等について」(以下「留意事項」という。)の内容を確認させてください。今回のような事例の再発を防ぐためには,特に下記の事項について周知徹底していただきたいと思います。このほか,準備作業を行うに当たっては,作業方法の適否につき,上司がチェックするなどの態勢をとってくださいますよう, 一層の御配慮をお願いいたします。
なお,ホームページの運営に関してトラブルが生じた場合は,当課広報係(内線■■) にお問い合わせください。
              記
1掲載記事の編集(新規登録,変更)作業に数日,数時間を要する場合は・編集権限を有する各端末の「データベース」(アイコンに■」との表示があるもの)ではなく,「データベース・ローカル」(アイコンに「Local」との表示があるもの)を使用する方法がある(留意事項の記4参照)が,その記事を公開させないためには,データベース・ローカルを作成する際に,サーバーとデータベース・ローカルとのリンクを切断する作業を行う必要がある。この作業を行わないまま編集を行った場合,直近の更新時刻(毎日,午前2時,午後零時及び午後6時)にそのデータがサーバーに送信され,公開されることとなる。
2 データベース(アイコンに■」との表示があるもの)を使用して編集した場合には,更新時刻の経過により外部に公開されることとなる。そこで,記事の編集をする場合には,公開させる日時を検討した上で,その日時に合わせて作業を行う必要がある。すなわち,数日後に公開すべき記事の準備を行うような場合に,この方法を執ることは適当ではない。
また,特定のコーナーにかかわらず,ある文書の下層に置く文書を作成する場合,「汎用フォーム」データベースを使用することとなるが,この文書については,「フリーワード検索」を利用することにより,直接閲覧することが可能となる。したがって,汎用フォームを使用して編集する場合についても,公開できない時期に,このデータベースを使用して準備することは適当でないことに留意する必要がある。

報告書

高木さんのコメントがあります。
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040815

平成16年5月31日
最高裁判所事務総局
内閣官房情報セキュリティ対策推進室 様
報告書
1ホームページを利用した合格発表の事務過誤の発生
裁判所事務官Ⅰ種採用試験(RA,以下「本件試験」という)等の一次試験合格者一覧表について,合格発表前に裁判所ホームページ上で閲覧可能な状態となってしまうという事務過誤が発生し,その事実が新聞報道等された。その過誤の原因は次のとおりである。
(1)裁判所ホームページのデータベースについては,毎日午前2時,午後0時, 午後6時の3回更新されることから,その編集作業に,数時間,数日間を要したり,また,ホームページへのアップまでに時間的な余裕があるために,途中で更新時間をまたぐこととなる場合には,編集途中の文書がホームページヘアップされたり,アップを予定する時刻以前にホームページへのアップがなされることのないよう,広報課広報係作成の「最高裁判所ホームページ運営上の留意事項等について」に基づき,○○上で,データべース・ローカルを作成し, データべース・ローカル上で編集作業を行い, アップを予定する時刻の直前に,ホームページヘアップする手続を行うこととされている。
(2)今回の合格者一覧表の編集作業は,5月27日及び同月28日に実施したものであり,合格発表(6月8日)までにまだ時間的余裕があったことから,本来は,上記データべース・ローカル上で編集作業を行い,合格発表予定時刻の直前に,ホームページヘアップする手続を行うべきであった。
しかしながら,この編集作業の担当者においては,この点を誤信し,直接, ホームページのデータベースで編集作業を行ったことから,5月27日の作業により作成作業中の合格者一覧表の一部が同日午後6時に,また、5月28日に行った作業により作成した最終的な合格者一覧表の全部が作業直後の裁判所ホームページの更新時刻である5月28日午後6時に,それぞれホームページヘアップされるところとなり,外部から閲覧できる状態になった。
2 ホームページへのアクセス状況
(1)5月29日午後0時ころ,職員から「『最高裁ホームページで1次試験の合格発表を見ることができる。』旨の情報が出回っており,実際に見ることができた。」との連絡があったことから,前記担当者において「2チャンネル」というインターネット掲示板の裁判所事務官試験受験者等が書込みをしているホームページを閲覧したところ,実際に,そのような書込みのなされていたことが確認された。また,同担当者が「2チャンネル」で記載されている方法で検索したところ,実際に,合格者一覧表を閲覧できることを確認できた。
(2)(1)の時点で見た「2チャンネル」によれば,5月29日午前2時26分の時点の書込みが掲載されており,遅くともこの時点までには合格者一覧表を閲覧した者がいたことになる。また,各種試験地の合格者名簿をそのまま「2チャンネル」のホームページにコピーして表示した者もいたことから,これによって,裁判所ホームページを閲覧しなくても,合格者一覧表と同様のものを見られる状態になっている。
なお,合格者一覧表を実際に閲覧した人数については把握しきれていない。
3.暫定的な措置の実施
前記担当者は,5月29日午後3時ころ,ホームページのデータベースから合格者一覧表の削除作業を行ったところ,同日午後6時の更新により,裁判所ホームページにおいて2(1)記載の検索を実施しても,合格者一覧表を閲覧できない状態になった。
4 今後の抜本的な措置の実施につぃて
今回の事務過誤は,前記のとおり,最高裁判所ホームページの編集作業についての単純な誤解に基づくものであって,ハッキングによるものや,システムの脆弱性によるものではありません。また,本来公開されるべきでないプライバシー情報が流出したものでもありません。しかし,担当者の勘違いにより上記のような事態を招いたことは,大変遺憾に感じているところであり,今後このようなことがないよう,ホームページ作成に際しての取扱いを全職員に周知徹底してまいりたいと考えている。

最高裁判所ホームページの改修及び下級裁判所ホームページの新設=金2,856,000円

 情報公開についてきたので秘密じゃないみたいです。
 webサイトも最高裁レベルになりますと、285万円でございます。

最高裁判所ホームページの改修及び下級裁判所ホームページの新設
(2)内  容 別紙仕様書のとおり
(3)請負金額 金2,856,000円

第2 契約の概要
l 既存最高裁ホームページのデータベース改修
最高裁判所ホームページ(以下「最高裁HP」という。)について,下記第4の2記載のとおりに改修する(項目名の横に(改修)とある部分)。
2 最高裁HPのコンテンツ追加
最高裁HPに下記第4の2記載のとおりにコンテンツを追加する(項目名の横に(追加)とある部分)。
3 下級裁判所ホームページ(以下「下級裁HP」という。)の新設
下記第4の3記載のとおりコンテンツを作成する。
4 その他(ホームページ全体)
(1)上記1ないし3については,下記第4の1記載の共通事項に従うものとする。
(2)ホームページの各コンテンツについては,上記1ないし3の仕様定義内容に沿って■■データベース化するものとするが,従来のコンテンツのうち,データベース化されていたものについては,改修による仕様の変更や機能追加に耐えうるものであればこれを流用して差し支えない。

買春・窃盗・神戸地裁H16. 3. 9

 cさん、dさんとは示談しています。
 買春事件に被害弁償というのも、浸透してきたみたいです。
 窃盗罪だからかもしれないが。

年令認識が未必的だ」「性交類似行為はしたが性交はしていない」という微妙な争い方をしていますが、被害者の尋問まではしていません。
 「同女において持参したバイブレーターを使用されたことなど各種の性交類似行為を含め性交の状況について具体的かつ詳細に供述している」とは、極めて具体的です。

「A’17,アサコ武庫女」は学校名が固有名詞でてますね。私学だと被害者も自主退学ですね。

http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/39B4B98B08591F6D49256EED000F748C/?OpenDocument
(量刑の理由)
 本件は,被告人が,18歳未満の児童に対し,対償を供与する約束をして,性交等を行ったという児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の事案2件(判示第1及び第4)と出会い系サイトを通じて知り合った女性から現金等在中の財布等を盗んだという窃盗2件(判示第2及び第3)の事案である。
 判示第1及び第4の各犯行は,被告人が自己の性的欲望を満たすために,出会い系サイトを通じて知り合った18歳未満の児童に対し買春行為に及んだものであり,もとより,その犯行動機に斟酌すべき事情は認められないこと,対償の支払を約束しながら金銭を支払わなかった犯行は計画的であって,その具体的犯行態様も卑劣で悪質であること,被害児童の被害感情はそれぞれ厳しいこと,年齢の知情及び判示第1の性交の有無等について,当公判廷において不自然かつ不合理な供述を繰り返して止まないなど,本件各犯行を直視しこれを省みる態度が十分でないこと,判示第2及び第3の各犯行は,援助交際と称する買春行為に及んだ際,買春相手の女性から金品を窃取したもので,被告人は買春相手あるいはその関係者から脅された場合にそなえるため女性の身元がわかるような物を盗もうとしたというのであるが,その供述を信じるとしても,自らの悪行を棚に上げ,逆に相手方に異常な猜疑心を抱くなどというその偏頗な性向には憂慮すべきものがあり,もとより,その犯行動機に斟酌すべき事情は認められず,その犯行もまた計画的で卑劣であること等を併せ考慮すると,被告人の刑事責任は重いというべきであって,この際,実刑に処することも考えられるところであるが,判示第3及び第4の被害者との間で宥恕文言を含む示談が成立したこと,再犯に及ばない旨誓約していること,被告人の母親が今後の監督を誓約していること,前科前歴がないこと,その心身の状況に加えて未決勾留が相当期間に及んだことなど被告人のために斟酌すべき事情を最大限に考慮し,主文のとおり量定した上,今回に限り,その刑の執行を猶予することとするが,その猶予期間は法律上許される最長期の5年とするのが相当である。
 よって,主文のとおり判決する。
  平成16年3月9日
神戸地方裁判所第1刑事部

裁 判 官   杉 森 研 二