児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ禁止法違反:初公判 2被告、起訴内容認める /宮城

 2歳の裸が一般人の「性欲を興奮させ又は刺激するもの」ということで納得されているようです。
 常識で考えておかしいと思いますね。

http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20090818ddlk04040209000c.html
 起訴状によると、被告は今年1月、女に金を払う約束をして、女の娘(当時2歳)のわいせつ画像を製造するようそそのかしたとされる。女は被告から郵送されたデジタルカメラで娘の裸を撮影し、わいせつ画像を製造したとされる。
 検察側は冒頭陳述で「被告はインターネットオークションで、女児の下着や画像が高値で取引されていることを知り、女に子供のわいせつ写真を送ってほしいと持ち掛けた」と指摘。女から画像を買い取り、さらに高い値段で第三者に販売して利益を得ていたことも明らかにした。


 強制わいせつ罪は傾向犯なので女性が営利目的で撮影した場合は強制わいせつ罪は成立しないんですよね。
 権利侵害とか被害者意識という点では、強制わいせつ罪ですね。
性的虐待なのに、性犯罪にならない。
 記者はそっちはおかしいと思わないんでしょうか?

 単純所持罪の話は取って付けた感じ。

自発的に売春していた児童をとがめなかったという主張(佐賀地裁H21.9.9)

 事実上の影響力を薄める作戦ですね。
 情状としては、娘の落ち着き先を決めることですね。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20090818-OYT8T01154.htm
女は弁護側の被告人質問で、昨年末に当時中学3年生の長女が売春をしていることを知り、怒ったが、長女が父親への“口止め料”として3000円を置いて行くようになり、苦しい生活の中で強く注意できなかったと釈明。長女や次女、長女の友人に積極的に売春を持ちかけたことはなく、強制したこともないとした。

大阪高裁にて

 公然陳列罪なのか提供罪かという論点の事件。

裁判長「被告人に対する児童バイシュン、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反・・・事件について審理します。」
裁判長「弁護人は控訴趣意書を陳述しますか?」
弁護人「(カイシュンなんだけどなあ)そりゃ出してるんだから全部陳述しますよ」
裁判長「検察官の答弁は?」
検察官「論旨はいずれも理由がない」
裁判長「弁護人の立証は?」
弁護人「事実取調請求書の通り」
裁判長「検察官のご意見は?」
検察官「いずれも同意します」
裁判長「では採用して取り調べます。」
裁判長「弁護人はさらに主張立証はありますか?」
弁護人「ありません」
裁判長「じゃあ、判決は9月○日、13:15からこの法廷で。閉廷します。」

 難しい理屈なので、傍聴人にはわからないようにやってます。