コトバにならない、なにか。それはダークタワーVII。

本日、ようやく

The Dark Tower VII: The Dark Tower (King, Stephen)
が届きました。アマゾンさん、おそいよ!

呑んで帰ってきたものの、待ちに待ったこの一冊、酔いさめざめに手に取りましたが、開くことができません。本編突入前の、数ページをめくり、どうしても先に進めません。


なぜか?


読みたくて堪らない一方で、この一冊で終わってしまうのが、筆舌に尽くし難く怖いから。

初めての一冊から、この一冊まで、20年あまりの時間がありました。ダークタワーシリーズは、7冊目ですが、その間の多くのキング作品にも、ダークタワーの影が見えました。

12歳の頃から、はや20年。スティーブン・キングという作家の書く文章、いや彼の紡ぐ世界に巡り会い、1ページ目をめくると、最後の1ページまで槍が降ろうとページをめくりう、読書魂に目覚めてから、手の感触からページが残り少ないとわかると、作家を恨むほどのめり込む、という思いに目覚めてから、彼の作品を読んできた時間は、計り知れない。

ただのホラー小説だと罵倒されながらも、彼の作品から多くのことを学びつづけて、はや20年k。パルプ、であるか否かは別の議論として、いかなる物語(=くだらん話し)にも、そこに人生の真実が一片は眠っていると教えられてから、はや20年。

そのすべてが結集している一冊。それを手にしている。そう感じる瞬間、ページをめくる手は、そこで止まる。臆病者と罵られようと、決して手は動くことは無い。

これは、理屈ではない。客観的な分析は存在しない。さらに言えば、20年間の時間という積み重ね、という様なことでもない。誰がなんと言おうと、全く関係無い。感性の、魂の叫びなのである。

これは、ぼくというReaderが、スティーブン・キングというWriterに対する、コトバに表すことの出来ない、最上の賛辞であり、最悪の呪いである。

この感情を表すコトバを、ぼくは持ち合わせていない。いや、コトバに貶める気も、無いのである。

原書読んで調子にのってんじゃねえ!という方。がたがた言わんと、いいから読んでください。指輪物語が至上最大の壮大なストーリーと思ってる方、いいから読んでください。マトリクスってすっごいよね、と思ってる方、顔洗って出直して来なさい。いいから読んでください。ナウシカ原作7巻を読んだ方、うーんあの感動をもう一度、という方は是非。

読む前から、これだけは言えます。逢えて言います。あなた達は甘い。ダークタワーを知らずして、「ものがたり」、というものを語るべからす。

「ページをめくる。その動作に至上の快楽と恐怖を感じること」という経験。これは、読書家としての涅槃であるといま確信する、今日この時。

人生、生きててよかった、と思う瞬間。

おわり

PS:読後感想文、お楽しみに。あとエピソードIII観たら、ぼくは成仏出来ます。ありがとう!キング様!ではおやすみなさい。