花の下連歌の無縁性と脱構築性

そこは社会から断ち切られた特別な場。無縁の自由空間。そこは冥界に通じる超越的な場でもある。
つまりは、境界的な場。無縁平等な人間集団の場。

それは「一揆」というきわめて中世的な人間結合の現象につながってゆく。

一揆とは、一味神水という神前の儀式によって一切の社会的な関係を断ち、なんらかのシンボルのもとに平等の支配する自律的な無縁の共同体を構築すること。

連歌の精神と一揆の精神はひとつらなり。

(思うに、それは、旧秩序の終わりの混乱・混沌の中から新しいはじまりをめざして結ばれた開かれた共同性、ということもできるだろう、今のこの時代にもっとも必要なものでもあるだあろう、連歌の精神、一揆の精神を今ここにどのような形で呼び出すか、それをじりじりと考える)