選手引退のご報告。


皆さんこんにちは。
自分で発表を出す前にチームブログからの情報で知った方も多いと思います。自分からの報告が後出しになってしまいすみません。
改めまして、2017年シーズンを持って自転車選手を引退することをご報告します。
まず始めに、今までたくさんの応援をありがとうございました。


今年はブリヂストンアンカーへ所属して1年目、プロ選手としてはまだ駆け出しでもありますが、選手引退を決意したのは自分が選手として走る限り約束事として常に自分へ投じ続けてきた問いかけに今までのように答えられなくなったからです。


【なりたい自分を追いかけて走ってきた】


photo:JCF 2015年アジア選手権ロードレースU23 タイ


「世界中のロードレースを走り、世界で戦うプロロードレーサーになること」それが自分が自転車選手としてを目指してきた姿です。
ジュニア日本代表のカナダ遠征で初めて世界のロードレースを経験して自転車選手として目指す目標が決まった。あれから6年間、たくさんの人による支えと応援に力を借りながら目指すものに向かってペダルを漕いできました。

6年前に浅田監督へ「自転車選手として世界へ挑戦したい。そして世界で活躍できる選手になりたいです」そう想いを伝えたのを覚えています。そう志願した時に一言だけ聞かれたことがある。「世界は本当に厳しいぞ、それでもやっていけるか」という問いかけでした。

自分は世界でやっていける選手のつぼみを持っていると信じて「はい」と答えた。
それからその問いかけは選手として走る限り自分の中で約束事のようにして、今まで走りながら常に自分に投げかけてきた問いかけです。それに自分の気持ちに偽りなく「yes」と答えられる限り本気で挑戦する。それが選手としての自分であり、自分にとっての自転車ロードレースでした。



photo:橋川さん 2015年ケルメスレース ベルギー


選手として自分の目指すところへ向かって定規で線を引くようにではなく、時には迷い、悩みながらブレる気持ちに補正をかけながらでも真っ直ぐに線を引こうとするように目標到達に向かって走ってきた。自分の目指す理想と現実のギャップの大きさから選手として生きていく自信を失うこともあった。自分の目には世界のロードレースは本当に過酷に映っていて、そこに自分の居場所をつくるということはすごく難しいことだと感じていたからです。



photo:2015年 GP MONTASTRUC フランス


photo:橋川さん 2015年 ケルメスレース ベルギー


photo:辻啓さん 2015年世界選手権ロードレースU23 アメリ



けれど、そんな競技生活の中にも時々感じることができていた「今は世界で戦えてる、今は勝負できている」
そう感じることのできる瞬間があった。それはまさに自分が選手として一番に求め続けていた選手としての喜びだった。そんな瞬間を求めて走り続けてきたと言ってハズれてないだろう。
自分の選手キャリアはレースでの勝利やタイトル獲得を語れるようなものではなかったけど自分が憧れた場所へ、そこに本気でいこうと全力で挑戦した時間です。


2016年 GP MONTASTRUC フランス


2016年 仏アマ第1カテゴリー初優勝 フランス



2015年 ジャパンカップ 日本


【自分にとっての自転車ロードレース、それを全力でやり切れて良かった】


photo:美和さん 2015年世界選手権ロードレースU23

自転車選手でなくなるのは寂しい気持ちもあるけれど、自分にとっての自転車ロードレースを今まで自分らしくやってこれたので心残りや悔いはありません。
たくさんの応援をありがとうございました。
そしてスポンサー様、お世話になったチームの選手方、スタッフの方々、今までたくさんの人たちにお世話になりました。本当にありがとうございました。




photo:岡元さん 2017年全日本選手権ロードレース 日本














皆さん、本当にありがとうございました。
これからまた新しいなりたい自分を見つけて頑張っていきます。
面手 利輝

シーズン最初の一ヶ月。


気がつけばもう3月。オフ明けてシーズンが始まってから時間が経つのが早く感じます。沖縄合宿から今季の活動が始まり新しくチームメイトとなった選手たちと馴染むのに少し緊張して過ごしていたのがつい先日のように感じるがあっという間に最初の一ヶ月が過ぎました。

先月はアンカーデビュー戦として迎えた4日間のステージレース、ツール・ド・フィリピンを走りました。シーズン初戦として迎えたフィリピンの4日間はコンディション的にもまだまだ不十分で受け身のレースをしてしまう日が続いたが毎ステージごとに自分がチームに対して、エースに対して何ができるか。そういうことを考えながら走った4日間はこれからこのチームで走っていくうえで今の自分にはとても大事なことだろう。
最終日にようやく逃げに乗れてチームに貢献できる走りができたツール・ド・フィリピンでした。






一時帰国後すぐに渡仏してクロアチアで走った2レース。
クロアチア1戦目 3/1 ウマグ トロフィー161km (Umag Trophy) UCI EUROPE TOUR 1.2   結果:37位 + 15秒

スタート前は激しく雨が降っていて厳しい天候の中のレースになると思ったがレースが始まるとやがて天候も回復し、レース終盤には路面も完全ドライコンディションになった。コースも平坦系のスピードレース。レース終盤にそれまで最大2分差をつけて逃げていた数人の逃げグループを簡単に飲み込むスピードで集団はゴールへ向かって進み各チームそれぞれが集団ゴールスプリントに備えて激しい位置取りを展開しながらのラスト15km。

ゴールへの距離を10km、7km、4km、3km..と縮めていくスピードの上りきった集団の前方でスプリンター鈴木龍のアシストとして激しい位取り争いをして龍を良い位置で発射させようと試みたが、あまりの位置取りの激しさに最終局面は難しいレースだった。



クロアチア2戦目 3/4 ポレチェ トロフィー154km (Porec Trophy) UCI EUROPE TOUR 1.2   結果:80位 + 0秒
この日は風が強く横風区間での攻撃に警戒して念入りにコースに対しての風向きを確認してからスタート。横風区間では集団がいくつにも割れたりまた戻ったりを繰り返しながら激しい位置取りと横風区間での攻撃に対する警戒で常に気の抜けない150km。この日は最後ゴール前に続く緩い登りで位置を下げてしまい80位でゴールした。

今回のこの2レースでの失敗点と良かった部分を見直して、またトレーニングして次のレースへ備えていきたい。


クロアチアでの2レースを走り終えて自分はしばらくレースが空きます。チームはメンバーの入れ替えをしてこのままクロアチアでのステージレースを控えてるのであと2週間、日本へ帰るまでの期間クロアチア合宿だと思ってトレーニングに励みたいと思う。


写真は移動日イタリアでの一枚とクロアチアでのオフ日。ホテルの近くにはオシャレな港町があって雰囲気の良いところです。

2017年、新天地。


ブログを読みにきてくれた皆さんこんにちは。このブログも5ヶ月ぶりの投稿です。オフシーズン中は更新が途絶えていましたがシーズン中はまたレースのことなどブログ更新していこうと思います。
ブログでは初めて書きますが、2017年ブリヂストンアンカーサイクリングチームへ新規加入しました。自分にとっての新天地、今季よりアンカーチームの一選手として頑張ります。


   


先日、都内で行われたアンカーチーム2017年体制発表の翌日に沖縄入りして8日間の合宿をしてきました。その合宿も今日が最終日。この時期に半袖短パンで練習できる沖縄でのチーム合宿は充実した時間になりました。新しくチームへ加わり、これからともにシーズンを戦っていくチームメイトやスタッフ方と時間を過ごすことはやっぱりチームがチームになるためには不可欠だと改めて思った。


   


今回のトレーニング合宿では自分のまだ力不足な部分を含め自分は今どれくらい走れるのか。とかそういうこともよく見えた。改めて強い選手と一緒に練習することは得るものは多い。
他にも、自分のカラダはどんな筋肉の状態だと調子が良いのか。どんなマッサージが合っているのか。などをチームマッサーと共有できたこともこれからのシーズンへ向けての合宿での収穫だと思う。


充実したチーム合宿を無事終えて今年のシーズンが更に楽しみになった。今シーズン初レースは ツール・ド・フィリピン (2月18日〜21日)です。アンカーでのデビュー戦、頑張ってきます。

今季フランスで走る最後のレースを終えて。


ブログを読みにきてくれた皆さんこんにちは。日本は少しづつ秋へと季節が変わり始めている頃でしょうか。南仏はまだまだ暑い日が続いていますが自分は昨日、今年フランスで走る最後のレースを走り終えました。Team Payname で走る最後のレースでもありました。今は帰国の荷物もまとめ終わりフランスで過ごす最後の夜を過ごしています。


振り返ると今年も自転車ロードレースを通していろいろな経験ができたと思う。希望に満ちた気持ちで1月にフランスへ来た日のことをよく覚えてる。新しいチームの中に自分の居場所を作ることやセレクションに入るためにチームからの評価を獲得することに必死だったり。





何かを求めて5月にタイへ飛んでいき、そこでは新城さんと土井さん方と合宿させてもらって先輩たちの背中を見て走り続けて自分が見失っていたものに気づくことができたり。



全日本選手権へ単騎で参戦して、そこで新しい価値観に出会うことができて...



夏に再びフランスへ戻ってきてこの夏はプロセスを大事にして精一杯走った。







今年も自転車ロードレースという旅に濃い1ページを刻んだ年になった。最後のレースは結果とか順位とかそういうことじゃなくて、この場所へさよならを言うように走った。来年がどうなるかとか先のことはまだ見えてこない。だけど、自分は来年ここへ留まるべきじゃない。それだけははっきりとわかる。5シーズンを過ごした南仏のこの土地は、自分の夢の場所に、憧れた世界へ、そこへ本気で行こうとして走った場所だ。


日本へ帰ったら夏を走りきってスカスカになった身体を充電して新しい時間を過ごしていこうと思います。今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました。




面手 利輝

最近のトレーニングの話。


ブログを読みにきてくれた皆様こんにちは。
8月に入りこちら南フランスではすっかり真夏景色です。太陽が乾いた畑や大地を焦がすような日差しの強い日が続いています。今日は最近のトレーニングネタを話題にブログ書いてみようと思います。


7月中旬にフランスへ来てから順調に積み重ねてきている身体を強くするためのトレーニング。昨日までを一区切りとして順調に積み重ねることができています。ベース走を基本としてそこにメニューを組み込んで1日のTSSが200前後、日によっては250程になるようにトレーニングをしています。


基本のベース走は風を受けて走りたいため人の後ろは走らず3時間平均3.9W/kg〜4.0W/kgで淡々と走りそこにメニューを組み込んだり、日によってはピレネーの山へ行って1400mまで登ったりしています。今は日本からU23ジャパンチームの後輩選手たちが南仏に来ているので先日はピレネーの山へ一緒にトレーニングをしに行ってきました。




ピレネーへの練習でよく行く峠は麓から登りきりまで淡々とペースで登って行って50分ほど。パワーを出して速く登ることを意識するのではなく、自転車の上でいかに身体を上手く使って苦しまずにパワーを出して登っていくかを意識して淡々と登る練習をしています。
調子が良い時期は自分のリズムを掴めていて、調子を崩しているときにはそういうものが掴めていない。というのは今までの自分の経験から。パワー数値にこだわらない自分のリズムと感覚を確認するためのトレーニングでもある。

といってもしっかり筋肉を動員させてトレーニングしないと意味がないので楽ではないけど苦しんで登っているわけでもないくらいでは踏んで登ります。その日のピレネー練習では50分平均 4.9W/kgでした。1400m付近の峠の頂上は少し寒いくらいで大自然が美しく絶景世界です。




その他にもトレーニングは平坦10分走、登りでの3分走、SFRなどのメニューを組み込んでやっていています。トレーニングの効果も実感できていて力がついてきている。間違いなく今、今年一番調子が良いし、今までで一番走れていると思う。

今月14日にはフランスで「Coupe de France」という大きなレースがあります。Team Payname の一選手としてセレクションに入り参戦するのでそこでベストパフォーマンスを発揮して自身の結果を狙うレースをしていきたい。強い選手の走りをしたい。

引き続きレースで結果を出すことと並行して身体を強くするトレーニングも頑張っていきます。またトレーニングネタやレースのことなどブログ書いていきますね。日本からの応援引き続きよろしくお願いします!


面手 利輝

レース優勝しました。


ブログを読みに来てくれた皆さんこんにちは。今回は良い報告です。
今月27日、夏のフランス2戦目の Bruch という町で開催された仏アマ第1カテゴリーのナイタークリテリウムを優勝しました。去年も同じく、今年の最初からもずっと目標としてきた第1カテゴリーでの優勝です。


レースはスペインから見慣れないチームが1チーム来ていたが、そのチーム以外の選手たち地元フランス人選手たちのことは誰がどういう走りをするかはだいたい把握している。今まで散々一緒にレースをしてきた選手たちだから。自分がどういう走りをするかも顔見知りのフランス人選手たちも良くわかっているだろう。


Team Payname は自分を含めて7人でのスタート。数的には多く有利だからどういう展開になってもある程度修正が効かせられる。チームメイトも自分が調子が良いことを知っているから重要な展開にはアシストをして自分を送り込んでくれる走りを前回のレースでもしてくれた。レースは1人では本当に難しい。展開に穴を作ってはいけないから。チームメイトがいれば交互に展開に加わっていける。そういうチームでの動きが機能すれば個人にかかる負担は相当に減らせられる。


photo by Guy Dagot



日が沈みかけてきた21時にレーススタート。常に行きそうな逃げにはチームの誰かが入り、決まりかけたら自分も入れるようにしていた。テクニカルなクリテリウムコースでは周りの選手たちより明らかに自分の方がハイスピードのコーナリングが上手いことがわかった。今回のこの難しいコースではそれはかなり強力な武器になるだろう。レース前半に5人で抜け出すことに成功し50kmを逃げた。


photo by Guy Dagot


photo by Guy Dagot



50kmを逃げたところで集団に一度吸収され新しい展開が始まる。集団で走っていたチームメイトがそれに加わって自分が集団で休める時間を作ってくれたので冷静に勝ちに繋がる展開を判断することがでた。それから強力な展開に加わり今度は自分を含む3人での逃げが始まる。逃げ切る気満々でフランス人選手2人と全開ローテーションをして集団を少し離しレースの優勝争いは3人に絞られた。自分のタイミングを冷静に見計らっていた。


photo by Guy Dagot



逃げの3人でゴールまで残り500m。後ろを振り返るとすぐ後ろに集団は迫ってきていた。それを見て焦ってアタックした選手に2人目も反応した自分は3番目に付いて残り200mで2番手の選手がスプリント開始。冷静にピッタリと後ろについて残り100mを切ってから自分もスプリントして差し切ってレースを優勝した。


photo by Guy Dagot



仏アマ第1カテゴリーで勝つことは2年前からずっと課題としてきたことで去年も同じく、今年の最初からもずっとひとつの目標としてきた。それでもなかなか達成できずにいたから...  だから今回の結果は素直に嬉しかった。
ここまでもだいぶ時間をかけてしまったけれど、やっと出来たぞという気持ちでした。

そして今年誕生した自分が所属するチーム、Team Payname にとっても第1カテゴリーでの優勝は初めてのことでチームスタッフ、選手たちの皆も喜んでくれたことも嬉しかった。

満足や安心なんてものはどこにもないけれど... 達成感としては一夜くらいは味わいたい。

また日本のレースを走る機会は少ない自分だけど、自分のことをいつも日本から色々なカタチで応援してくれている人たちに良い一報を届けられたことをとても嬉しく思っています。

皆様いつも応援をありがとうございます。パワーもらっています!


photo by Guy Dagot

photo by Guy Dagot



これからも夏のフランスでは毎週のようにレース転戦が続くので、引き続き身体を強くするトレーニングを積み重ねて強くなっていくことと並行してレースで結果を出していきたい。大事なことを忘れずにプロセスを大切に。



面手 利輝

今はここが自分の居場所だと思う。


ブログを見にきてくれた皆さんこんにちは。
一昨日、木曜日に夏の1戦目として迎えたレースを走りました。Auch という地域でのナイターレースです。7月と8月のフランスはナイターレースが多く開催されています。暗闇にアタックして行ってライトアップされた街中を駆け回るナイタークリテはその場所が昼間とは全く違って感じられる。走っている選手側も興奮するので好きなレースのカテゴリーです。


チームメイトやスタッフたちとは4月ぶりの再会でした。久しぶりの再会であったけれど握手をしてフランス流の挨拶を交わした一瞬のその後には春に一緒にレースを回って過ごしてきたように打ち解けて「トシキ、元気だったか? 日本でのバカンスは楽しんできたか? 全日本選手権は1人で頑張ったな!」などと言ってくれて、またこうしてフランスへ帰ってこれたことを歓迎してくれました。
チームメイトだけではなくレース主催者、他チームの選手、現地カメラマンまでもが久しぶりに帰ってきた自分を暖かく歓迎してくれたことがとても嬉しかった。


photo by Team Payname



レースは75kmのナイタークリテリウム。スタートは日が沈んで暗くなてきた21時スタート。久しぶりに走るフランスのレースはスピードと流れるような集団の中が気持ち良く、選手たちのお互いにリスペクトというか気遣いのある雰囲気も好き。レース中もチームメイトとは名前を呼びあって声を掛け合ってコミュニケーションをとる。「トシキ、アタック! 集団の前だ、次だ!」などと集団の中は声が飛び交ってる。チームメイトのアタックが吸収された直後に自分がアタックする。自分のアタックが吸収された後にカウンターでチームメイトが行ってくれる。

レースは終盤、一瞬の隙を狙ってアタックして独走状態に持ち込んでゴールをめがけて踏みまくったがラスト2kmで集団に飲まれた。ゴールは先頭集団中程。順位は取れなかったけど Tous plus rapide という表彰をもらった。単独逃げのベストラップ賞のようなものらしい。チームメイトも「C'est bien! Toshiki très fort aujourd'hui!」と言って喜んでくれて良かった。


photo by Guy Dagot

photo by Guy Dagot


夏の初戦として良い手応えを感じることができたし、トレーニングの成果もあってレース中も以前よりだいぶ身体に余裕がある。これから続くレース転戦と並行して引き続き身体を強くするトレーニングを積んで強くなっていきたい。

レースを終えたのが23時前。回復のためにレース後にすぐに食べれるように作って持ってきた弁当を食べて炭水化物とタンパク質を補給し、チームは現地解散。借りたチームカーを2時間半ドライブして家に帰った。




レース翌日の落ち着いた朝は借りたチームカーの洗車から。好きだなぁ洗車...こういう整える時間っていいね。


では、また。