アーバスを観てるひと


何かの雑誌の1ページを撮った、メモ写真です。
額縁の原形はやはり窓だろうか。白い壁があって、写真や絵があって、それを観ているひとがいるっていう光景がすごく好きです。
空間を仕切るという役割の白い壁が、写真や絵を掛けるとそれを飾るための平面というプラスもうひとつの役割になる。もし壁を隔てた『向こう側』に自然が広がっていたら、人はきっと窓があれば窓の外を観る。だとすると、額と窓の違いってなんだろう。それはつまり『時間』だとぼくは思います。 窓の景色とそれを観てるひとは、同時に歳月が流れてゆきますが、写真や絵の場合は額の中の時間は止まっていて、観ている側は風化してゆきます。観ているひとは、止まっている時間の何かをみている。写真や絵が大きければ、観るひとは今度はその中に入ってゆく。...そのうちに技術のなにかで額の中の止まっている時間が、観る方と同じ年月で変化する妙な物が出てくるかもしれません。
写真や絵の内容とは全く別の話しだけど。