井上土筆、論天 俳人親子

「トランパー」には竹馬の友、井上論天の父上「井上土筆」氏の俳句を4句掲載した

土筆氏は吉田町の近隣、野村町の庄屋の次男として生まれた
吉田町俳句大会では入賞の常連だった、昭和49年の作
  ものゝ芽と雪嶺ときに光り合う海のない山奥育ちで、亀三郎生家の近く奥南の海に句材を求めた、昭和54年の句
  汐の瀬の変るや半裸の錨鍛冶
難解極まる代表句の一つだそうで…
  寒三日月しづかに首を廻さねば(寒の三日月は利鎌のように尖っているので静かに首を廻さないと首が刎ねられてしまう)と、語った、すごい感性、宇宙を感ずるダイナミックな句、昭和55年作
石原八束先生を迎えての句、昭和59年作
  師に従いて不器男の秋をさがしけり
  鰻屋の暖簾が干され盆が来る
この店には司馬遼太郎吉村昭が訪れた、前の潮入り川の地獄漁で獲った天然うなぎは評判の味だった
最晩年(平成8年)の作
  かまきりの眼の枯れ残る風の中
  ながらへて恥おほき躬や藪がらし
  死に切れぬ虫の鳴きゐる古籠
《「露のごとくに」文學の森より引用》

先日、論天からFAXが入った、農業の業界紙に掲句されたものだった
  宇和伊達の雪のさんさとなりにけり
  をりからの雨も師走の雪となる


(「宇和島さんさ」を踊る「輪の会」吉田町公民館・みかんの里全国俳句大会からブロガー撮影)

ブロガーは論天が主宰する「加里場」の末席をけがしている
 拙句
  鱛そぼろじゃこ天そばの大晦日