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ずっと、きっと、もっと、会いに行くよ!

5月23日

本日の日付になぞらえてひとつ。

異議あり!!の、おデコと青い所長の話。(おど→なるです)
※多分4、か5の開始前
※おど→なるのつもりで書いていますが、左右固定派の方はご注意ください。
※捏造あり
※突発的に書いたため台詞多めのグダった文。書き直したいけど今日中に上げたかったんだ…ぐす

ということで、大丈夫な方のみどうぞ。


「恋文の日?」


聞き慣れないな、とオレが首を傾げると、テーブルを挟んで向かい側に座るみぬきちゃんが、意外だと言いたげに首を傾げた。

「知らないですか?今日はクラス中その話で持ちきりでしたよ!」
「へえ…。恋は5月の5、2と3で文か。よく考えるよなぁ」

クラス中が、ねぇ。学校から帰って来て早々、何の話かと思えば。
まあ、高校生と言えばそういうことには敏感な年頃なんだろうしなぁ。
恋文の日とやらにはさして興味があるわけではないが、この語呂合わせを思い付いた人物は尊敬に値する。
頭の中の引き出しがとてつもなく多い人なんだろうな。と、思う。

「オドロキさんはもらったことあります!?ラブレター!!」

ぼんやりと事務所の天井を眺めながら考えていると、みぬきちゃんがとんでもない勢いで身を乗り出してきた。

「は、はあ?オレ?」
「どうなんですか!さあ!答えてください!!」

何が楽しいのか目をキラキラさせてこちらの目を覗いてくる。
そんな期待の眼差しを向けられても。もらったこともないし、書いたこともないし。
だいたい今時手紙で告白なんてなかなかないんじゃないだろうか。

「いや、」
「面白そうな話してるね?」
「!」

(…これは面倒なことになってきたな)

答えようとしたところを遮られる。
コーヒーカップを片手に、成歩堂さんがにやにやしながら現れて、隣に座る。
成歩堂さんがこの手の話題に妙に興味津々なところも問題だけど、オレの隣に来たこともこっちとしては大問題だ。
近い。せめて向かい側に座って欲しかった。
思わず拳を握ってしまった。

そんなオレの気持ちなど露知らず、みぬきちゃんは機嫌良さ気にソファへ座り直し話を続けた。

「今日は恋文の日なんだよ、パパ」
「恋文、かぁ」

成歩堂さんはふむふむ、と頷いて足を組んだ。
手に持ったコーヒーの香りがふわりと鼻を掠める。

「で、どうなの?オドロキくん

棒読みに近い言い方でさらりと言うものだから、リアクションに困る。
いや、もうその話は良いですって。

「なんだ。もらったことないのか。つまんないなぁ」
「…何も言ってないじゃないですか!?」

確かに、確かにもらったことはないけど。勝手に決めつけられるのはなんか嫌だ。
必死に訴えたのにも関わらず、ふうん、の一言で片付けられてしまったのも腑に落ちない。
みぬきちゃんまで、なーんだ、みたいな顔をしてるし。悪かったな、もらったことなくて。

「んー…、じゃあじゃあ、パパはもらったことありますか!」

次は何を言い出すかと思えば、元気よく右手を上げて成歩堂さんへ質問を始めた。
再び目に輝きが戻って来る。
うわ、これはさすがに。

(…逃げたい。聞きたくない)

つい顔を背けてしまった。耳を塞ぎたくなったけど、そういうわけにもいかない。
席を外すか?このタイミングではそれも不自然過ぎる気がするし。

だって、きっと誰だってそうだろ?
例え過去の出来事だとしても、自分が好意を持っている相手の恋愛話なんて聞きたいはずがない。
出来れば少しも、一言も聞きたくない。少なくともオレはそうだ。

「僕かい?ううん、…書いたことはあったかも」

記憶を辿るようにゆったりと吐き出された言葉。
つまり、もらったことはないけど、自ら書いたことはある、と。
それ自体は決して珍しいことではないのだろう。
でもやっぱり、ちょっと、その。
少し、胸のあたりが重たくなってきた。

「おー!パパすごーい!」
「あと、手紙じゃないけど…交換日記とかね。懐かしいなぁ」
「交換日記!きゃあ!青春だね!」

交換日記が青春に直結するのかはともかく、みぬきちゃんだけが楽しげだ。
それにしても、交換日記だなんて随分古典的だな。成歩堂さん、そんなマメなことも出来るんだ。
性格的にそういうことは面倒くさがって断っていそうなものだけど。
けど、いくら面倒だとしても、意中の相手からの誘いだったとしたら…断る理由もなかったのか。

「…」

何だか、自分で自分の機嫌をどんどん悪くしていっている気がする。
自業自得と言うべきか。
そんな自分自身に嫌気が差してきて、ふと目線を上げた時。
近くに視線を感じてそちらを見遣ると、成歩堂さんがオレを見て、絵に描いたようなニヤけ顔を見せていた。

「…何ですか!」

じーっとこちらを見る顔が思いの外近くて、驚いてしまい大きな声を出す。
成歩堂さんは一層笑みを深くした。

「いーや、別にー?」
「オドロキさん…?どうかしました?」

今にも大声で笑い出しそうな大の大人と、心配そうに声を掛けてくれるその娘さん。
何だ、この差は。みぬきちゃんが『パパ』のようなひねくれ者に育たなくて本当に良かった。
うん、本当に。

「ねえ、オドロキくん

まったくこの親子は、と頭を掻いていると、成歩堂さんはこちらを見たまま続けた。

「今思い出したけど、今日ってもうひとつあるんだよ。記念日みたいなやつ」

突然何を言い出すかと思えば、笑顔でそんなことを言う。
オレより先に反応したのはみぬきちゃんだった。

「記念日?なんとかの日、ってこと?恋文以外にもあるの?」
「うん、今朝ワイドショーでやってたのを思い出した」

未だに薄ら笑いを浮かべているのが少し気になるが、何を意図してのことなのか単純に興味が湧いた。
ワイドショーか。そういえば午前中、そこのテレビで流れてたかも。
オレもちらっと横目で見てたけど、資料をまとめていたから右から左だったのかな。
その証拠に番組の内容が何ひとつ思い出せない。

「えー!何なに!?何の日!?」

予想通りの、非常に良い食い付きっぷりで、大興奮しながら再び身を乗り出すみぬきちゃん。
一応オレに問い掛けられた言葉だったはずだけど、まあいいか。
聞かれたところで答えは知らないし。

鼻息荒く答えを待ちわびているみぬきちゃんを見て、成歩堂さんは笑った。

「そうだなぁ…みぬきにはまだ早いよ」

肩を竦めて言う。どういうことだ?

「んん〜?早いって…?」
「そのままの意味。…オドロキくんは?知らない?」
「…え、」

唐突に話題を振られ、言葉に詰まる。
みぬきちゃんには早い?…でも、オレにはわかるかもしれないこと、なのか?
そう言われても、すぐには何も浮かばない。『恋文の日』は語呂を合わせたものだったから…ううん、他の語呂合わせとか…。

「5月、23日…一体何……、っ」

ぼそりと独り言を呟いたはずだが、言葉は最後まで続かなかった。
それは何故か。

「…!!?」

答えは、成歩堂さんがオレの唇に、人差し指を立てたからだ。

思考が、…口の動きが、止まる。
本当は一瞬のことだったのかもしれない。でも、唇に押し当てられた指の感触が、あまりにも信じ難くて。

「…君にもまだ、早いかもね?」

楽しげな声が鼓膜を震わせて、ようやくはっとする。
指はすぐに離れていった。その先には成歩堂さんの憎たらしいまでの笑顔。

「……っな、…」

何するんですか、と。言ったつもりだった。言いたかった。
でも、訳のわからない高揚感と、恥ずかしさと、突然騒ぎ出した心臓の音がうるさくて。
それ以上は声にならなかった。

「…ねえパパ!教えてよ〜!」

甲高い声が室内に響く。どうやらみぬきちゃんはたった今の成歩堂さんの行動には特に疑問もないらしく、まったく気にも止めていない様子だ。
それよりも答えが気になるようで。

「みぬきがもう少し大人になったら、ね」
「あ!また子ども扱いするし…!もうっ」

含みのある言い方をしながら、プリプリと怒る我が娘をいなす成歩堂さん。
口を挟む理由も余裕もなくて呆然とそのやり取りを眺めながら、オレは無意識のうちに口元を手で覆っていた。
どうして、あんなことを。

(…まったく、困った人だな)

上がってしまった心拍数を落ち着かせようと必死に深呼吸をするオレを見て、
成歩堂さんは再びくすりと笑った。…ような気がした。



『5月23日 何の日』



夜、自分の部屋に戻ってから、
ノートパソコンで開いた検索バーに、恐る恐る入力した文字。
検索結果として表示されたページを見て、オレは言葉を失い、そしてベッドに飛び込んで、
枕に顔を押し付けた。



(…早くなんて、ないのに)





***
5月23日は、恋文の日。
そして、キスの日…だそうですね。

お粗末様でした。突発的すぎて色々ぐだぐだ。こんなところまでお読みいただいて感謝です…。
相当前からおどなるにどっぷり萌えてたんですが、書いたのは初めてです。
というかそもそもこの作品の文はほぼ書いたことがないです…。もう10年以上愛してやまない作品なのに何故だ。

えーと、どうしてこんなになるほどくんグイグイくるのにおどなるって言い張るの?と言いますと、
私が誘い受けが大好きだからです。以上です裁判長。←
いや、って言っても私は固定派ではありませんしむしろごろごろしてるの好きですし、
肉体的な所まで至らない限りは右も左も曖昧じゃね?と思っているので、どちらも良いのですが!ww

ちなみに見ての通りなるほどくんはおどろきくんの気持ちにほぼ気付いてます。からかって遊んでます。
自分の気持ちには気が付いているのか、そもそもまだ芽生えていないのか。
その辺りは脳内補完でお好きに調理してお楽しみください。(?)



もう頭の中ずっと逆裁のことばかりですよ。困ったね…
2始めてみたり、検事2同時に始めたり、かと思えば5も始めたり。ずっとずっとゲームしてます。
毎日家出る瞬間から「早く帰ってゲームしたい」しか考えてません。
もっともっともっともっともっともーーーーーーっと書きたい話がたっっっっっっくさんあります。
時間と体力、そして文才が来い。
それこそアニメの感想とか近況とか色々書きたいんですけど…ゲームしかしてません。すみません。www