この10年の10本

こないだのシアテレのやつで見た「舞台人の選ぶ10本」が面白かったので、自分でもやってみようと思った。っていうか、オレンジスカイさん*1がやってらっしゃるの見て、なるほど、と思ってやってみることに。あんま、幅広く舞台観てる人間じゃないし、自慢できるようなアレでもないので畳んでおく。

こんな感じかなあ。
※追記:ごめ…あの、ルール間違えてる…順位つけてないや、うわあ。すみません、でも順位は厳しいのでこのままにしておくよ…無理につけたとしたら多分、スターマン→生き死に→その他の伝言、が上位3位になる気がする。多分。
まあ、普通に考えて、20代半ばのほうが感受性が盛り上がっている訳なので、その頃に観たもののほうが印象が強かったりはする。その中で、最後に挙げた2本は特別だったかもしれん、30代のハートを震わせて、奮わせた、って意味で。 新しい扉を開けられた感じがあるもんね、すごいことよ。
次点は2001年の大人計画関連3本(「エロスの果て」「マシーン日記」「悪霊〜下女の恋」)と2004年のニッソーヒ「ドライブイン・カリフォルニア」、今年の「まとまったお金の唄」。つーか「春子」もよかったし、「ファンキー!」も色々衝撃的だったし、大人計画関連はやっぱり、基本的に外れがない*2。同じく宮沢さんも、砂漠監視団シリーズラスト2本と「あの小説の中で集まろう」と…青山円形劇場別役実特集でやってた「会議」もよかったなあ、「スチャダラ2010」もよかったし、「GO GO ガーリー」や、初めて観た「知覚の庭」も格好よかった。「Alt.2」くらいまでの時期の遊園地関連の舞台は全部強烈に好きかも。松尾さん、宮沢さんの舞台で初めて見て好きになった役者さんがいっぱいいるしね。
あとは CB なら「丈夫な足場」とか今年の「マンドラゴラの咲く沼」もたまらん。岩松さんは「傘とサンダル」…は…(調べ中)96年か、じゃあ、「アイスクリームマン」…(調べ中)…も、わたしが観たのは94年だったのかなあ、うーん、なかなか「この10年」に収まらない…あ、じゃあ、竹中直人の会の「水の戯れ」を。うんうん、あれはよかった。去年の再演シリーズの「隣の男」も好みだったなあ。他にも、ここには1作も入れてないけど、ヨーロッパ企画だったら「サマー・タイムマシン・ブルース2005」、長塚さんなら「LAST SHOW」も好きだった。初めて観た新感線、という以上に色々好要素が重なった「メタル・マクベス」は最後まで悩んだ外したけど…んー、入れるべきだったか…?
ウーマンリブは「七恋」挙げてますが、これは契機としての自分内での意味合いが大きかったからであって、舞台作品として観たら、「熊沢パンキース03」が一番ツボだった。でもでも、同じくらい今年の「ウーマンリブ先生」も好きだった、のに最新作を挙げると「最新作が常に最高傑作」と浮かれるバカみたいだし、そもそも今年からウーマンリブを観始めた → だからコレがベスト、みたいに、宮藤さんにハマりたてのマンセーちゃんだと思われるとイヤん*3、みたいな自意識過剰っぷりをどうしたらいいのか…(訊いてない。
つーか、ここまで書いてること見ていただくと分かると思うけど、やっぱりわたしは、舞台を観る=作家に目を向ける、という傾向が強い人間なのだなあ、と再認識。役者の芝居には、実際に観ている間はそれなりに「おおー」と思うけど、時間が経って振り返ると、そのときその役者がどんな演技をしていたかという具体的なことよりも、どんな佇まいで舞台に立ち、どんな表情の言葉を発していたのか、ということのほうが思いに残ってゆく感じがある。それって多分、役者の力というだけじゃなくて、脚本と演出の力、ってことなんだと思うし。なんか、演出家の誘導によって役者の芝居が成立するもんだと思ってる節があるんだよね。役者は演出家に好きなようにされててほしいし、それができる役者がいいなあと思うし、宛て書きとか推奨だし。そうやって演出家が、役者の個性も道具みたいにして、ひとつの「世界を作る」ことが舞台のマジックの大モトなんだと思ってるので、全体的に、そういう力が働いている感じの舞台ばっかりだ。
あ、ちなみに映像でしか観ていない舞台は除外している。やっぱり、舞台映像を観ても、「舞台を観た」という風には思えないタチなので。あと、生で舞台を観るっていうのは、その2〜3時間を愛する役者と共有できるという、ものすごい機会な訳で、それを自分の部屋でねっころがったりして観てた舞台と同じ土俵ではね、やっぱり、考えられないのです。これは「作品」のみを評価するっていう点ではおかしなことだと思うので、自分の気持ち悪い偏りのあらわれだと自覚しているし、同じ土俵で語れるほうがフラットなものの見方をしているってことで、正当だと思うんだけど。
つーか、「チケットを買う」というチョイスをしたことがまず、評価のベースにある、と思ってるので。お金を払ってもいないのに、その芝居の価値を計れるような、強い基準は残念ながらわたしは持ちあわせていないのですよ。自分の時間やお金や労力を支払って観たものだからこそ、優劣をつける資格があるという風にも思うし、音響とか照明とかの効果は、どれだけ映像技術が発達しても、劇場で観たものを再現はできないので、映像でしか観てないものも入れちゃうと不公平な気がする。ま、わたしごときの優劣なんざ、どっちつけられても誰も痛くもかゆくもない、つう話もあるし、「優」しか選んでないじゃん、ということなのかもしれないが、何かを「優」に選ぶということは、選ばなかった何かに「劣」をつけているのとおんなじなんで。と、思っているので。
そんな感じで、一応真面目に10年で観たものを振り返ってみた。どっとはらい

*1:id:orange_sky

*2:唯一「えー?」と思った2004年の「イケニエの人」でも、阿部宮藤演じるビリー雨利夫婦(内縁)のパートについては抜群によくって、バランスこそめちゃくちゃだったけど、全体の「えー?」をカヴァーして余りある「よさ」だった。

*3:苦手なタイプの作品もあるので、実際は。90年代の作品は全般的に「…おーい?」と思わされることが多い。パッション.イズ・オールってことで。