ママはテンパリスト(2)/東村アキコ

大変楽しみにしてました、が、2巻にして、正直早くも飽きてきた感じが…。
アテにならない男に引っかかって妊娠して結婚して子供生んで、前後して作品が売れて、子育て手伝わない夫と別れて…といろいろ大変なんだろうというのはよーくわかるんですけど、なんか基本姿勢が愚痴っぽくなっていて、読んでいて少々疲れる感じがあった。別に愚痴聞きたくてお金を払ってる訳じゃないのだが…みたいな。面白に転化できてたら愚痴だって芸のうち、って感じになるだろうけど、そこまでの開き直りが感じられなく、ちょっとつまらなく感じてしまった。
でも、それというのもきっと、毎月8ページとかだった連載を、別冊付録で20〜30ページ描かせる編集方針が続いているのが大きいんだろうなあとも思う。その方針のおかげで2年や3年で2巻も出たんだろうけども、ごっちゃん(息子)のおもしろ言動(=漫画のネタ)の貯金より、明らかに多いページ数を描かされているせいで、ネタを薄めて薄めて描いている感じが強くなってる気がしました。読んでて少々萎えたな…まあ、今が売り時ってことなんでしょうけど、質落としてまで単行本急いで出すこともないんではないのかなー、と編集方針にぎもんをかんじました。(えらそう)
あと、なんか東村さんのスタンスに飽きてきた、わたしが。ごっちゃんの言動は確かに面白いし、子供の謎めいた行動原理が興味深いのは相変わらずなんだけど、子供(特に男子)の話って、それだけで大抵面白いものだし、そこに親(作者)の捉え方とか考え方とか価値観とかが加えてこそ、いっそう面白くなるもんじゃないのかなあと…東村さんはなんだか、そういう個人的な考えとか価値観とかを出すことを必死で避けているように読める。競争の激しい育児漫画界で生き残るためには…みたいな台詞を「ママ」が作中で吐くシーンもあったけど、その割に腹括れてないんではないのかという気がした。
他の人の育児漫画やエッセイ、コラムを読んでると、どーしたってその人の価値観が出て来るけど、それはきっと、子育て中って自分の価値観の見直しを迫られる機会が多いからなのかなあと思う。ほんで、そういう作者の考え方とか価値観とかを、わたしのように子育て未経験の読者は楽しんで読む訳です。だから、東村さんのスタンスだと物足りなく感じちゃう。あんまり個人的な考えとかを描いて、2ちゃんで叩かれたくない、とかなのかもしらんけど、その腹の据わってなさが中途半端さを招いているなあという感じを、この2巻で受けました。
育児漫画なんて、ネットの悪口気にしてたって、どうせネタにした子供に10何年後に文句言われるのにね。子供や私生活をネタにして小金を稼ぐという、結構なことをしてる訳なんだから、いい子ぶらないでもっと突っ込んだこと書けばいいのにと思う。まあ、目先の実際ネタで埋め尽くすほうが得意技ってことならそれはそれですけど、今の量産ペースだと、実際ネタも薄まっちゃってる気がします。がんばって…! って思いました。