アリハジエフ議長拉致問題、ヨーロッパ人権裁判所へ

ootomi2005-12-20


ロシアの人権団体メモリアルによれば、1997年に民主的に選挙され、99年のロシア軍の侵攻以来行方不明になっているチェチェン議会のルスラン・アリハジエフ議長の母、ズーラ・アリハジエヴァが、ヨーロッパ人権裁判所に対して告訴した。アリハジエフは2000年の5月にシャリの自宅から連行されたのち、行方不明になっている。連邦保安局(FSB)は同議長についての情報はないとしている。メモリアルの担当者によれば、すでに同法廷への告訴手続きを済ませたという。
アリハジエフ誘拐事件は、ロシア連邦保安局が起こした可能性が高い。マスハドフの暗殺同様、民主的に選挙されたリーダーがチェチェンにいることは、ロシア政府にとっては嬉しくないことなので、ありとあらゆる非合法手段を使って排除してきた。最終的にアリハジエフはモスクワのレフォルトヴォ刑務所(KGB時代から使われてきた)で獄死したものと思われている。侵攻の最初期にアリハジエフは始末されたわけだ。
非道、と形容しても言い過ぎではないと思う。チェチェンの親ロシア政権も、先の議会選挙も、こういうことの上に行われている。で、今回の告訴が何を意味するかということだが、もし人権裁判所が関与したことで問題が広く知れ渡り、ロシア側の責任であることが明確になった場合、11月27日の親ロシア派の「議会選挙」とは一体なんだったのか、ということになり、国際的な批判が少しは強まるか、少なくとも補強材料には十分なる。
一応おさえとかなければならないこと:暗殺されたチェチェン大統領マスハドフも、獄死したアリハジエフも、犯罪人なんかではまったくなかった。97年に彼らが選ばれた選挙は、世界が認めたものだった。ロシアのエリツィン大統領が祝電を打ったくらいだ(実話)。むしろチェチェン和平のために、不可欠の人材だった。ただ、ロシアにとって都合が悪いから消されただけなのだ。
なんて戦争だろう。[MI]

FORMER CHECHEN PARLIAMENT SPEAKER'S MOTHER APPEALS TO ECHR.
RFE/RL NEWSLINE Vol. 9, No. 236, Part I, 20 December 2005
European court accepts Chechen's complaint over missing son
MOSCOW Dec 19, Interfax
To the Deputies of the Parliamentary Assembly of the Council of Europe
From the Alikhadzhiyev family