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February 28(Tue), 2006

[][]チェチェン人権活動家がNGOに対する圧力の強化を懸念

公式にはまだ発効されていないはずのロシアのNGO規制法が、チェチェンの人権状況を監視するNGOへの圧力を強め始めている。11年におよぶ戦争の中でチェチェン人に対して執拗に繰り返されてきたネガティブ・キャンペーンが人権団体と独立系メディアに向けられたとき、チェチェン戦争はいつまで続くことになるのだろう。考えたくもないけれど、考えなくてはならない。NGO規制法はあと数十日で発効する。


2006年2月24日、プラハ・ウォッチドッグ/Liza Osmayeva

http://www.watchdog.cz/?show=000000-000008-000004-000093&lang=1

チェチェンとイングーシで活動している現地NGOの代表は、地元当局と法執行機関が最近NGOの活動に対する監視を強め始めたことを指摘している。

現地のNGOによると、各省および官庁は地域で活動している人権団体と独立系メディアの代表を訪問するためにあらゆる口実を使い始めている。原則的にそうした訪問は親善の目的で行われ、今のところ訪問先のNGOの活動について明確な苦情が表明された例はない。

NGO評議会センターの代表タイーサ・イサーエヴァ*1は、最近イングーシのナズラン市にある彼女のオフィスにもこうした「友好的」な訪問があったと語る。先日彼女のオフィスを訪れて法執行機関の職員であると自己紹介をした男性が、ボランティアのデータとセンターの情報が記録されている他のあらゆる情報を引き渡すよう要求したという。

「語り口はあくまで控え目なものでしたが、それでも『訪問者』は自分が望めば合法的にオフィスを閉鎖して団体の活動を停止させることができることを仄めかしていました。彼らは私たちの活動が法執行機関によって詳細に監視されていることをただ知らせに来ているのだと思います。この他にも税務署や別の査察機関がこうした団体やメディアに圧力をかけるために使われている事例があることもいくつか聞いています。特にチェチェンでの人権状況を監視しているNGOに対するこうした圧力はすぐにでも強まる可能性があります」とイサーエヴァはプラハ・ウォッチドッグの記者に語っている。

著名なチェチェン人権活動家であるルスラン・バダーロフ―救国のためのチェチェン委員会*2代表―もこの見解に同意している。プラハ・ウォッチドッグの記者との会話の中で、彼も地元当局が新しいNGO規制法を[NGOに対する]攻撃の許可として解釈しかねないことに対する懸念を表明した。

「NGO規制法は当局が閉鎖の可能性をちらつかせつつNGOに対する統制を強める絶好の機会を与えています。彼らはこれを利用するだろうと思います。ドミトリエフスキーの裁判*3や、信頼性の高い人権団体が巻き込まれた最近の『スパイ事件』*4がよい例です。こうした事件は、今日そうした糾弾や疑惑を受けずにすむNGOが皆無であるということを示しています」と彼は言う。

これに関連して、2月の最後の週に救国のためのチェチェン委員会に関する裁判の審理がイングーシのナズランで再開されることになっている。イングーシ共和国検察局は過去1年半にわたる委員会の活動に「非合法かつ反ロシア的」な性質があることを認め、団体に対して過激主義のレッテルを貼ろうとしている。

バダーロフはこうした結論にまったく同意せず、一連の手続きを団体の活動を禁止しようとするものとして受け止めている。「私たちの発言やプレス・リリースには反ロシア的なものも非合法的なものもまったくありません。それどころか、私たちはロシアと国際社会に対して法が侵害されている事実について知りうる情報を発信しているのです。今回の例では、検察局の行動は団体を閉鎖するためのものだと思います。けれども私たちはそれでも司法の審査が公正で客観的なものであり、委員会に対するあらゆる容疑が晴らされることを願っています」とルスラン・バダーロフは述べている。

チェチェンの人権団体は現地でのNGOへの圧力がすぐにでも高まりかねないことを危惧している。彼らの見解によると、ロシアの人権活動家に対する糾弾や、デンマーク難民評議会*5に対するチェチェンでの活動の禁止、救国のためのチェチェン委員会に対する審理は、すべて同じ糸でつながっており、単純に当局の一部による暴走としては説明できないという。

*1:独立系サイト主催者でもある彼女を含むチェチェン人女性の活動については「女たちのチェチェン〜あるいは『閉ざされた声』」を参照。http://chechennews.org/hayashi/hayashi20050209.htm

*2:2005年1月には同委員会に勤務していたチェチェン人権弁護士のマフムッド・マゴマドフが失踪する事件が起こっている。彼は「拷問、「失踪」、超法規的処刑、市民への無差別殺人を含む、チェチェンの武装紛争で発生した深刻な人権侵害の事件を、欧州人権裁判に申請するために、調査・草稿を行っていた」。http://blog.mag2.com/m/log/0000093520/105125354

*3http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20060202/1138834153

*4http://www.worldtimes.co.jp/w/rosia/rosia2/kr060204.html

*5:デンマーク難民評議会の活動については「チェチェンニュース Vol.02 No.30 2002.08.24」を参照。http://chechennews.org/chn/0230.htm

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