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May 05(Fri), 2006

ootomi2006-05-05

[]プーチン、お尋ね者に

報道の自由を守ることを目的としたジャーナリストによる国際NGO、「国境なき記者団」のトップページにロシアのプーチン大統領がデビューした。彼の顔画像とともに現れるキャッチフレーズは"THE PREDATORS OF PRESS FREEDOM"。直訳すると「報道の自由の捕食者/略奪者」で、要するに報道の自由を抑圧することによって肥え太る人々のこと。2005年に発表された世界報道自由ランキングによると、ロシアは167ヶ国中堂々の138位で、その理由としてチェチェン戦争が挙げられている・・・。


国境なき記者団は報道の自由を守ることを目的としたジャーナリストによる国際NGOで、拘禁・殺害されたジャーナリストやその家族を救出・支援したり、各国のメディア規制の動きを監視したりする活動を行っている。

http://www.rsf.org/

また、2002年以降は毎年各国の報道の自由のレベルを評価する『世界報道自由ランキング』の発表も行っている。『世界報道自由ランキング』は、14の団体と130人の特派員、ジャーナリスト、調査員、法律専門家、人権活動家らが、50の質問に回答する形式で指標が作成される。2005年の最下位はお約束どおり朝鮮民主主義人民共和国。ちなみに日本は37位で、44位の「アメリカ合衆国」や137位の「アメリカ合衆国(イラク内)」よりはマシなものの、先進国としては少々いただけない状況だ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%A2%83%E3%81%AA%E3%81%8D%E8%A8%98%E8%80%85%E5%9B%A3

話をロシアに戻す。国境なき記者団の2006年の報告書は、ロシア国内における報道の自由に関して、以下のように述べている(PDFファイルは http://www.rsf.org/IMG/pdf/report.pdf より入手できる)。

「ジャーナリストの活動状況は2005年に入ってから壊滅的に悪化しており、暴力が報道の自由に対するもっとも深刻な脅威となっている。抑圧と政治的な意図にもとづく政府のプロパガンダによって、独立メディアは弱体化している。当局による外国人ジャーナリストの締め出しは、報道―特にチェチェン戦争に関する報道―を完全な統制下に置こうとする政府の意図を示すものである」

報告書の内容を簡単にまとめると、このようなものになる。

●2005年にはテレビカメラマンと週刊誌のジャーナリストが殺害され、8名の報道関係者が襲撃を受け、さらに8名が逮捕された。

●2004年にフォーブス誌のロシア版編集者が銃殺された事件と、2003年にAFPのイングーシ・チェチェン特派員が誘拐された事件はともに迷宮入りになっている。

●ジャーナリストへの暴力が罰せられない風潮が広がることによって、今やジャーナリストが自己検閲を行うようになっている。

●チェチェン戦争を報道する独立メディアに対しては政府が弾圧を加えている。(アンドレイ・バビーツキ記者によるシャミーリ・バサーエフ司令官へのインタビューを放映したABCテレビ・ネットワークに対して外務省が営業停止を示唆するなど)。

●ロシア国内のテレビ局はすべてクレムリンまたは政府の管轄下で体制万歳路線を爆走中。

「国境なき記者団」のメインページの左下には、"We mustn't forget them!"というタイトルで、失踪したジャーナリストが紹介されているが、15人中2人がロシアで失踪しているというから恐ろしい。上記のAFPイングーシ・チェチェン特派員のアリ・アスタミーロフはチェチェン人で、失踪前から身辺に危険が及んでいたという。もう一人のロシア人ジャーナリスト、マキシム・マキシーモフは、犯罪調査の専門家で、軍の不法行為に関する本を出版しようとしていた矢先に行方不明となった。警察上層部やサンクトペテルブルクの汚職追放委員会代表の関与が疑われているとのこと。うさんくさいこと、この上ない。

5月5日付の読売新聞によると、プーチン大統領はこうした陰気なイメージを払拭するために、世界的に有名な(らしい)PRコンサルティング会社、ケッチャム社と契約を結び、ロシアの国際イメージアップに努めることにしたようだ。7月のサンクトペテルブルク・サミットに備えてのイメージ戦略だが、ロシア人・人権活動家のワレリヤ・ノボドボルカスカヤ氏は「イメージ改善は不可能。PR会社との契約は金の無駄使いだ」とこき下ろしている。