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December 11(Mon), 2006

[]ノーヴァヤ閉鎖か?

Newsru.com/russia

2006年12月8日 22時15分

http://www.newsru.com/russia/08dec2006/novaya.html

ノーヴァヤガゼータの編集長 ドミートリー・ムラートフ氏はアンナ・ポリトコフスカヤが非業の死をとげたあと、ノーヴァヤを閉鎖しようとした。 そのことを The Wsll Street Journal は報じて、ロシアのこの新聞社とその書き手たちの哀しい運命について語っている。

 WSJによると10月半ば、ノーヴァ・ヤガゼータの主要な書き手だったアンナ・ポリトコフスカヤが殺された数日後に ドミートリー・ムラートフは主要な書き手を緊急召集した。ムラートフはアメリカのこの雑誌に「ノーヴァヤ・ガゼータを閉鎖しようとしたんだ」と言った。「どんな職業もそのために死ぬようなものであってはならない」と。(この全文はInoPress.ru) しかし、ノーヴァヤの社員たちは社を閉じてしまわないように彼を説得した。

 ノーヴァヤ・ガゼータの主要な不幸は現在の政治状況では忘れ去られてしまうという危険にさらされていることだ。」以前は この新聞のセンセーショナルな記事によって論争が巻き起こり、議会で聴聞会が開かれ、政府高官の辞職まで引き起こすほどのだった。今も 記者たちは厳しい記事を書いているがそれに心を打たれる者は少ない。発行部数は172000部でとまっている、一方、コムソモールスカヤ・プラウダは200万部を越えているのに、とWSJは書いている。

 こうして、他の自律した新聞がほとんど瀕死の状態か 死んでしまったという状況において ロシアのひとたちは「ノーヴァヤ」のことをすっかり忘れ去ってしまうかもしれないのだ。 国民は政治に疲れ、誰もが もっと気楽な読み物や有名人たちについての記事を読む方を好んでいる。 まさにそういうニュースを 「ノーヴァヤ」の記者たちは軽蔑しているのだ、とアメリカのこの雑誌は書いている。 記者たちは 大統領の支持率が70%を越えているような国では毎日その大統領の欠点について読みたいと思う人の数が充分にいないのだと言う。

プーチンもポリトコフスカヤの殺害について語るとき、 まさに、そのことを指摘していた。「ロシアの政治に与えた彼女の影響は 微々たるものだった」と。 ノーヴァヤの記者たちが独自に進める事件究明の書き手であるロマン・シュレイノフはこう書いている「 もしも我々の新聞に プーチンが クレムリンの入り口で 大金の入った鞄を受け取っている写真が載ったところで 、誰もこれに関心を持つ者はいませんよ」と。

「ノーヴァヤ」に書いていること自体が書き手にとっては世界でもっとも危険なことだ、と WSJは結論している。ノーヴァヤは 職権濫用の暴露をしているし、プーチン・ロシアの闇の部分を専門に報じている。クレムリンやその同調者が報道の大部分を配下におさめたいま、 このようなテーマは御法度で、 そういうことについて書くことは 危険だ。

最近6年で ノーヴァヤは3人の記者を失った。 イーゴリ・ドムニコフはハンマーで殴り殺された、議会下院のユーリー・シチェコチーヒン議員はアレルギー反応の結果亡くなったが、それは薬物を盛られたせいだと疑われている。 ポリトコフスカヤは自宅のエレベーターの中で射殺された。 さらに今ノーヴァヤの二人の社員が 殺害の脅迫を受けている。

 「言論の自由の最後の砦」というこのような立場のおかげで、この自律した新聞は 西側で強力な支持者たちを得た、とWSJは書いている。 10月にアメリカのライス国務長官がモスクワを訪問したとき、彼女は特別にこの新聞の筆者たちを招き、「あなたの戦いは孤立無援ではない、ことを強調しておきたい」と語った。

 アメリカの新聞は「ノーヴァヤ」の過去は非の打ち所が無かったとしている。 ロシアの大部分の新聞と同じく、ノーヴァヤも 有力な政治家やビジネスマンが資金をだすようなネタを載せていた。 今日、この新聞がもっとも危惧していることの一つのは、大部分がプーチン支持である今のロシア社会のマージナルになってしまうことだ。 おおっぴらに反政府の立場をとれば  大衆からも、金持ちからも同じように かけ離れたものになってしまい、ますますロシアの現実の外にはみ出してしまう。

 「ノーヴァヤ」は 1993年に「コムソモールスカヤ・プラウダ」をやめた30人あまりの記者たちが作った。(第一次チェチェン戦争は94年末に始まったー訳注)最初のうちいくつかうまくいったことがあったのは この新聞を ソ連のゴルバチョフ元大統領が 保護したからだった。 「ノーヴァヤ」はそもそも最初から独自の立場を保ってきた。 エリツィンがロシア議会を1993年に砲撃したことときこれを 非難していた、他のリベラルな新聞はどこもエリツィンを支持したのに。 1996年 選挙の年に ロシアの他のすべての報道が エリツィン側についていたのに、 ノーヴァヤは中立を保っていた。 これによって報道関係の仲間の尊敬をかちえ、ロシアで有名な一連の記者たちを獲得できた。

しかし、今は 経済的な問題によって 新聞はこれまでのような 活動ができない。 今年の 6月までに この新聞は 印刷所に対して43万ドルの負債を抱えることになった。

6月にムラートフ編集長は仲間たちを説得して、 株の49%をゴルバチョフと「統一ロシア」の下院議員、銀行家のレーベジェフに売ることにした。 レーベジェフには この新聞の記者たちが国内で起きていることに対する批判的な姿勢がとても気に入っていて、 新聞に大口の投資をした。

 WSJの結論としては、 当局は「ノーヴァヤ」を閉鎖することはできまい、としている。と言うのもこの新聞はゴルバチョフに保護されており、 ゴルバチョフは相変わらず西側で人気があり、またプーチンにも尊敬されているからだ。

(翻訳 TK)