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November 21(Wed), 2007

[][]入国外国人 きょうから指紋採取

2007年11月20日 東京新聞

テロ防止効果 米では疑問符

 「テロとの戦い」を目的に、日本に入国する外国人に指紋や顔画像の提供を義務づけた新たな入国管理制度が二十日、全国の二十七空港と百二十六の港で始まる。米中枢同時テロ後に始めた米国に続く導入だが、指紋は究極の生体情報。「プライバシーを侵害し、共生の時代に逆行する危険な制度だ」と批判や懸念が広がる。「このシステムでテロリストが捕まったという情報はない」などと、米国では既にその効果が疑問視されているのだが――。(社会部・佐藤直子)

運用上の不備続出

 「まるで犯罪者のように扱われる」。今月半ばに東京都内で開かれた集会で、オーストラリア人留学生ステファニー・クープさん(三八)は不安を訴えた。来日して十五年。新聞社勤務などを経て、今は都内の大学で国際法を学ぶ。「もっと早く反対の声を上げるべきだった。今からでも中止をうったえよう」と呼びかけた。

 生体情報を入国審査に使う新システムは、二〇〇四年末に策定された「テロの未然防止に関する行動計画」の一環として導入。米国が一部の国を除く、外国人の入国の際に指紋と顔情報の提供を義務づけた「USビジット」の日本版だ。法務省は本年度、総予算約三十五億円を投じて専用装置を開発した。

■データミスも多発

 新たに採取される指紋は、過去の強制退去者の指紋データ約八十万件や指名手配者情報、約一万四千件の国際刑事警察機構の情報などを元にした「ブラックリスト」と照合し、危険人物をあぶり出す。法務省は「別人に成り済まして再入国しようとする『リピーター』も水際でチェックできる」という。

 だが、先行する米国では、同じ政府機関から運用上の不備などを指摘する報告が相次いだ。「情報のセキュリティーが不十分で、指紋を含む個人情報が外部から改変されたり、コピーされる恐れがある」(米政府監査院)、「テロと関係ある監視リストから抜き出したサンプルの38%に誤りや矛盾が見つかった」(司法省)などだ。

 米国自由人権協会のバリー・スタインハード氏は「実施後三年で、テロリストが捕まったという情報はない。監視リストは非公開だが既に七十万人分が登録されている。テロとは無関係の市民が監視リストに載ったり、空港の保安検査場で呼び止められる事態が起きている」と言う。

■不法滞在対策?

 日本での運用がさらに問題なのは、法的なチェック体制がないことだ。米では七十五年とされる生体情報の保存期間も、日本はテロ対策を理由に「内部の運用基準で定める」として公表しない。法務省は「外国人の不法滞在や犯罪の増加」をシステム導入の根拠の一つにしており、「テロ対策よりこちらが本音では」との見方もある。

 プライバシー問題に詳しい小倉利丸・富山大教授は「電磁記録として採取される生体情報が、将来どう使われるのかは誰にも分からないのに、日本では異議申し立ての機会も保障されていない」と指摘した。

 そのうえで「生体情報を埋め込んだパスポートを発行するのが今後の国際的な流れ。海外で取られた生体情報が相互に流用されると一大国際監視ネットワークが構築される。日本人にも無関係ではない」と警鐘を鳴らす。

 元東京入管局長の水上洋一郎さんも「テロ対策は必要だが新制度は米国への協力とか犯罪対策の性格が濃く、本来の主旨から外れる。テロリストの指紋情報もほとんどない日本では照合などできない」と指摘。「少子高齢化の時代、外国人の労働力がなくては成り立たない。新制度は外国人を管理の対象とみることで共生の視点からも外れている」と再考を求めている。

改正入管難民法

 日本に入国する16歳以上の外国人全員を対象に、入国審査で指紋押なつと顔写真撮影を義務づけた。日本に滞在する外国人の再入国も対象。在日コリアンなどの特別永住者ら、外交・公用目的や国が招聘(しょうへい)した人らを除く、約700万人が対象になる見通し。法相に「テロ関係者」の強制退去命令権が付与されたが、「関係者」の基準は明確ではない。外国人が対象の指紋採取制度は、在日コリアンらの抗議で2000年に廃止された経緯がある。

新入国審査制度 世界67団体が反対声明発表

 十六歳以上の外国人に指紋と顔写真の提供を義務付ける新たな入国審査制度が二十日に始まるのを前に、反対する市民団体の代表らが十九日、都内で記者会見し、欧米や日本などの六十七市民団体による共同声明を発表した。鳩山邦夫法相あてに郵送したという。

 声明は「公の場での議論や政策的な検討がほとんどなされないまま、高度な政治的判断で承認された制度だ」と指摘。「日本へのすべての訪問者を犯罪者であるかのように扱うもので、個人情報を収集し集中管理することはプライバシーを危険にさらすことにもなる」と批判している。

 共同声明は英国に本部がある非政府組織「プライバシー・インターナショナル」が取りまとめ、日本からはピースボートや全国難民弁護団連絡会議などが参加した。

 一方、鳩山法相は十九日午前、成田空港を訪れ指紋採取のシステムなどを視察。

 「テロ防止という大きな目標のために我慢してほしい。個人情報は徹底的に保護する」と記者団に話し、制度への理解を求めた。

2007年11月21日 東京新聞

新入国審査 5人が強制退去者 過去の指紋データと一致 退去手続きへ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007112102065958.html

 外国人に指紋採取や顔写真の撮影を義務づける新しい入国審査制度が全国の空港や海港で一斉に始まった二十日、指紋を読み取る装置が一時動かなくなったり、指紋がうまく読み取れないなどトラブルが相次いだ。

 五人が過去の強制退去者の指紋データと一致。うち三人は偽変造したパスポートを使って入国しようとしたとみられる。一人には既に退去命令が出され、もう一人にも退去命令の手続き中。

 法務省によると午後五時現在、指紋の摩耗などで指紋採取できなかったのは成田、中部国際、とかち帯広、福岡の各空港と博多港で計二十一人。博多港では貨客船で韓国から入港した韓国人三十人の指紋が当初装置で読み取れず、うち四人はやり直しても記録できなかったため、従来のパスポート審査での入国を認めた。「指紋の摩耗が原因」という。関西空港では、バンコクからシンガポール航空で到着した外国人の入国審査の際に、指紋の読み取り装置が作動しなかった。富山県の伏木富山港では五台の装置のうち三台で使用開始直後に不具合が発生した。

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