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2012-04-12

雑記(82)

| 15:18 |

スマートフォンiPhone)を使い始めて少し経ちました。

この種の機械の常として、デフォルトでてんこ盛りになっている機能のほとんどは使いこなせず、外出時に(あと寝床で)メールとウェブ(まれに電話)を使うのが主な用途です。これまで、うちに引きこもって仕事をしているだけだった間は、外出時にネットが使えなくても何ら不便を感じなかった(むしろ望ましかった)のですが、サークル活動をするようになって、こういう機械が売れるということの意味が多少実感できました。通勤・通学で一日の大半を外で過ごす人にとっては必要不可欠だろうと思います。

本当は、いろいろ便利な機能よりも、iOSiPhone の内部アーキテクチャのほうに興味があるんですが、そういうことにはまり出すとまたきりがないので、しばらくは、気持ち悪いながらも、そういうことは不問のまま使うことにします。店頭で、「ホワイトとブラックのどちらにしますか?」と聞かれて、どちらの色にしようか迷ったんですが、結局ブラックにしたのは、ともかくしばらくはブラックボックスとして使おう、という決意のようなものが決め手でした。


あと、生じた変化としては、前は外出時に文庫本を持ち歩いていたのに、スマホがとって代わったことがあります。コーヒー屋さんに入って一服するときなども、とりあえずメールなどをチェックした後は、ついでに Time とか BBC News とか Le Monde とかのアプリでニュース記事を読んだりしているだけで時間が過ぎてしまいます。

それでも時間があるときには、Ancient Greek というアプリを楽しんでいます。これは、有料ですが(といっても非常に安い)、ギリシャの古典がいつでもどこでも原文と英語の対訳で読めるというすぐれもの。収載されているのは、アイスキュロスアリストパネスアリストテレス、エウクレイデス、エウリピデス、ガレノス、ヘロドトスヘシオドスホメロスプラトンソポクレス、ストラボン、クセノポンの主要な作品。これだけあれば一生楽しめそうです。また、ギリシャ語辞典と、かなりしっかりしたギリシャ史まで付いていて非常に便利。

2012-04-08

雑記(81)

| 17:30 |

午前中は「物理の勉強会」。統計力学と振動・波動を私がホワイトボードで講義。そもそもこれらを2時間でやろうというのが無茶な話ですが、私の時間配分も無茶苦茶で、はなはだお粗末な内容になり申し訳ないです。振動・波動は名ばかりで、フーリエ解析のさわりのあたりまでの数学の話で力尽きました。

まあ言い訳になりますが、人前で物理の話をするのは20年ぶりくらいで、あまり物理や数学の予備知識のない方をも相手に、ということになると、さらに何年かさかのぼって学生時代の予備校講師アルバイトのとき以来、ということになるので、仕方ないかもしれません。これからおいおい慣れて、学生の頃の感覚を取り戻していくでしょう、きっと。

一方で、あらためて、自分は物理や数学の話をするのが好きなんだということも再認識しました。かつては好きだったはずですが、上に20年ぶりと書いたように、長らくそういう機会がなかったので、そのへんの気持ちがどうなのか、やってみるまで自分でもよくわからなかったのです。

ただやはり、私はどちらかといえば、自分で話をするよりは、人の話を聴いていて突っ込みを入れるほうが、楽だし、いろいろ考えることができて都合が良いことは確かです。話をしながら考えるのは昔から苦手ですね。

それにしても、以前のエントリに、「かつて大学で物理を学んだ私のような者は、...学習センターで、...一緒に学習するような勉強会を開くとか、すべきなのかもしれませんね」と書きましたが、まさか半年後にそれが現実になるとは全く予想もしませんでした。実現したい願望があったら、心の中で思っているだけではダメで、書いてみるべきだ、というようなことをどこかで聞いたことがありますが、こういうことなのかもしれません。

DOISHIGERUDOISHIGERU 2012/04/08 22:29 お疲れさまでした。興味深く面白かったです。ところでフーリエ変換でブラケット表記が出てきていましたが、波動方程式をブラケット表記で解くことを考えると、時間、空間についての固有状態のようなものを考えるんでしょうか。

∂^2<x,t|φ>=0 みたいな。量子論では時間の演算子って考えてないのですがこの場合はどうなんでしょうね。

それとも∂^2<x|φ(t)>=0なのかな。

ophthalmosophthalmos 2012/04/09 06:52 どうも、どういうことばで話したらいいのか見当がつかなくて、戸惑っているうちに終わってしまいました。

> 固有状態
ご承知の通り、ふつうは時間の演算子とか固有状態とかというのは考えていなくて、時間はパラメータとして入っているだけなので、∂^2<x|φ(t)>=0 でしょうね。
まあ、「時間演算子」とその固有状態のようなものを考える、プリゴジン(『存在から発展へ』)みたいな考え方もありますが...

DOISHIGERUDOISHIGERU 2012/04/09 13:37 プリゴジンは、そんなことを考えていたのですか。ちょっと見てみようかな。

ophthalmosophthalmos 2012/04/09 13:59 ええ、時間演算子というのを導入して、熱力学第2法則、すなわち、エントロピー増大の法則、あるいはいわゆる「時間の矢」を出そうという議論だったような...読んだのはもう20年以上前でうろ覚えです。また、この理論がその後どう展開したのか(あるいは展開しなかったのか)、知りません。でも、思い出したらまた読みたくなってきました。
ちなみに『存在から発展へ』は、たしか大学2年のときにサークルで輪講した本です。こういう、ふつうの教科書とはちょっと毛色が変わっていて、でも古典力学と熱力学くらいが既習ならばなんとか読めそう、という本も、議論が盛り上がっていいかもしれませんね。『現代物理』の次の1つの候補ということで。

DOISHIGERUDOISHIGERU 2012/04/11 01:41 良いですね。興味ある人も広くいるかも。とりあえずAmazonに注文しました。

2012-04-07

雑記(80)

| 20:58 |

今日は、仕事を適当に切り上げて、明日の「物理の勉強会」の準備のつもりで、次の本の最初のほうを読んでました。

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

ちなみに、半日前の short notice でほとんど意味がありませんが、ちょうど前エントリのひな形があるので、今回の「物理の勉強会」の予定を書いておきます。こちらも、放送大学生に限らずどなたでも参加自由です。また、各回の話題はかなり独立しているので、飛び入りでも特に問題ないと思います。

科学サークルウェブサイト「活動予定・活動報告」のページにも予定が掲載されています。


田崎さんの教科書を読んでいて、高校生レベルの確率の問題(二項分布)につっかえたりしています。明日は私が発表する番ですが、こんなんで大丈夫なんでしょうかねえ...

2012-04-06

数学を楽しむ会

| 12:51 |

ここに告知することに意味があるのかどうかわかりませんが、一応やってみます。


私が共同企画責任者になって、「数学を楽しむ会」というのを始めることになりました。

この会は、放送大学の「科学サークル」というサークルの企画として行われるものですが、放送大学の学生でなくても自由に参加していただけます。

第1回の予定は次の通りです。

科学サークルウェブサイト「活動予定・活動報告」のページにも予定が掲載されています。


活動日は、基本的に、平日の日中、月に1〜2回程度を予定しています。

私個人的には、もう少し高頻度(週1とか)でもいいと思っています。例えば何かのテキストを輪講するにしろ、あるいは実質的に私が何かのテキストを読み解きながら参加者とざっくばらんに話をするという形式にするにしろ、少なくとも週1くらいのペースでないと、前回の印象が消えてしまって意欲がそがれそうですから。ただ、実際問題としては、社会人で平日の昼間に毎週時間がとれるようにするのは難しいと思うので、残念ながら、月に1〜2回程度とするのが落としどころなのかもしれません。


具体的に何をどういう形式でやるかなどは全く決まっていません。この第1回で集まった参加者で話し合って決めようと思っています。私自身は、オーソドックスに何かの教科書を輪講するという形式が、(安易かもしれませんが)いちばん参加者の負担が少なくて良いと思っています。毎回いろいろ特別な企画を考えようとすると大変ですからね。

しおしお 2012/04/06 22:15 そういう会があるのですね.うらやましい.
時間的に無理なのが残念.

あと,頭もさびついているので,参加してもついていけないかもしれません.
大人になると,まとまった時間をとれるかどうかも能力のうちですね.

DOISHIGERUDOISHIGERU 2012/04/06 23:51 mixiの放大コミュにも宣伝しときました。集まると良いですな^^。

ophthalmosophthalmos 2012/04/07 06:32 しおさん、こんにちは。

> 時間的に無理なのが残念
ああ、それは残念。
たしかに、まとまった時間がとれるかどうかは重要ですね。私も、動機の半分くらいは、こういう会を立ち上げることで、ともすれば仕事ばかりになりがちな生活を改善しよう、という目論見もありますね。

ophthalmosophthalmos 2012/04/07 06:33 DOISHIGERU さん、ありがとうございます。
「物理の勉強会」のときも、mixi つながりで来てくださった方もいらしたので、なんとなく期待してます!

2012-04-03

雑記(79)

| 07:02 |

早朝から中間処理。

公報を検索しようと思って Espacenet にアクセスしたら、イースターを象徴するラッパズイセン(daffodil)の大きな写真。気に入ったので勝手にコピペ

f:id:ophthalmos:20120403070138j:image:w300

雑記(78)

| 04:12 |

アマゾンから3冊到着。

Time, Space and Things (Canto)

Time, Space and Things (Canto)

オベリスクさんの記事に触発されたもの(その原著)。邦訳は、図書館か何かでちらっと見たことがあった気がしますが、オベリスクさんの感想と同様、あまり読みやすいとは感じませんでした。(一般的に、「叢書ウニベルシタス」の本って、翻訳がまずいように思うんですが、私の偏見ですかね。最近新たに出ているものは良くなっているように思いますが。)

こちらの原著のほうは、まだパラパラ見ただけですが、とても読みやすく感じます。


The Little Book of String Theory (Science Essentials)

The Little Book of String Theory (Science Essentials)

これもオベリスクさんの記事より(やはりその原著)。こちらは、邦訳のほうも読みやすそうで、邦訳でもよかったんですが、原著のシックなカバーデザインに惹かれました。昔から Princeton University Press の本は、その高級感のある装丁も好きで、ついジャケ買いしてしまいます。和書でいえば、みすず書房の本を買うときのような感じ。


Sir William Rowan Hamilton

Sir William Rowan Hamilton

こちらは、ペーパーバックですが、そのみすず書房の向こうを張るような白一色の装丁。ずいぶん前からアマゾンのカートに入りっぱなしになっていた本ですが、今回ついでに買ってしまいました。「物理の勉強会」でハミルトニアンのことが話題に上ったのもきっかけです。

古典物理学を作ってきた人々の考えの中で、光学力学がどのように結びついていたのか、ということに興味をもったのが、もともとこの本をカートに入れたときの動機だったと記憶しています。その後、ニュートンの『光学』を原著と首っ引きで読んだりしたのもその流れでした。

このハミルトン伝は、分厚く字も細かくて通読するのはかなり大変そうですが、図や数式もふんだんに用いられた本格的な評伝で、彼自身による詩の引用も多くあります。ウィキペディアにも書いてありますが、親友の詩人ワーズワースは、ハミルトンとコールリッジを挙げて「私の出会った最も魅力的な人物」と述べている、といい、この本にも、ワーズワースとの交流の記述がたくさんあります。


今回は奇しくも3冊とも大学出版部(Cambridge, Princeton, Johns Hopkins)の本となりました。日本でも、東大をはじめ各大学ががんばっていますが(大学出版部協会のサイトを見ると、こんなにあったのかと、いまさらながらちょっと驚きました)、英米に比べまだまだという気がします。日本の大学出版部の本は、(東大など大手を除いて)一般書店に並ぶことも少なく、情報も得にくいこともありますが、なにせ値段が高いですね。今回の上記の3冊は、最初の2冊が2000円弱。また、ハミルトン伝は本格的な研究書だと思いますが、3000円ほどというリーズナブルな価格です。


なんだかんだでいろいろ忙しく、本を読んだ感想を書きとめておくブログのつもりが、いつの間にか、本を買った感想を書きとめておくブログになりつつあります。もっとも最近は、それでも構わないと思っています。そもそも、買った本を全部読み切らなければならないなどという規則を暗黙のうちに仮定しているから、積ん読がたまっていくと敗北感や無力感にとらわれるわけで、最初から、本を買い集めるのが趣味で、読むことができればもうけもの、くらいのスタンスでいれば、財布の許す限り気楽に本を買うことができるし、劣等感にさいなまれることもありませんからね。まあ、負け惜しみ、ルサンチマンかもしれませんが...

triporttriport 2012/04/03 10:52 光学と力学の結びつき…からの連想で、
『高橋秀俊の物理学講義』を再読したくなりました。

ophthalmosophthalmos 2012/04/03 11:15 そうそう、おっしゃる通りです。ハミルトンと光学・力学というときに私がイメージしていたのはまさに、高橋先生の本の例えば16章「幾何光学と質点の力学」や18章「ハミルトンの主関数、アイコナール」に書いてあるようなことです。
ちょうどこちらの「物理の勉強会」で、熱力学の関係でルジャンドル変換の話題が出てきたこともあるので、それも含めて、私も高橋先生の本を再読したくなりました。気づかせていただき、ありがとうございます。

DOISHIGERUDOISHIGERU 2012/04/06 01:10 最近の月刊数理科学で読んだんですが、ハミルトンの原理から力学が構成できることを指摘したのはヤコビなんですね。力学と光学が最初から近い関係を持っている、後に量子論で更に近づくことを考えると興味深いですね。哲学と同じ様に、物理って姿は変わっても最初っから同じ話題をずっと議論している様にも思えます。

ophthalmosophthalmos 2012/04/06 06:39 あ、いわゆるハミルトン・ヤコビの方程式ですね。
「数理科学」のその号、買いそびれてしまったんですが、やっぱり買っておきたくなってきました。ご紹介ありがとうございます。
たぶん、物理学において光学、あるいはより広く光に関する現象というのは、力学その他に比べて純粋な(夾雑物の少ない)観測・実験系が得やすい、という事情が効いているんじゃないかと思います。そのために、他分野に先駆けて理論化が進んだり、量子論の形成に輻射の理論が大きな役割を果たしたり、ということがあったのではないかと。
私は学生時代、光学(特に古典的な幾何光学とか)にはあまり興味が持てなくてほとんどすっぽかしてしまったんですが、今頃になって面白さが少しわかってきた気がします。