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2010-09-03

lemniscate

| 14:10 |

1週間ほどだらだらと続いていた仕事がやっと終わった。

せっかく前エントリにコメントをいただいたので、少し説明を加えてみることにする。

まず、「カッシーニの卵形線」の方程式を書いてみよう。「2定点からの距離の積が一定」という定義をそのまま書き下せばよい。「2定点」として、xy 座標平面上の2点 (−a, 0) および (a, 0) をとる。曲線上の点を (x, y) とすると、この点から2定点までの距離はそれぞれ

f:id:ophthalmos:20100903132450p:image:h200:right

¥sqrt{(x+a)^2+y^2},

¥sqrt{(x-a)^2+y^2}

である。これらの積が一定ということだから、その一定値を b² とすると、曲線の方程式

¥sqrt{(x+a)^2+y^2}¥sqrt{(x-a)^2+y^2}=b^2

2乗して

((x+a)^2+y^2)((x-a)^2+y^2)=b^4

これが、カッシーニの卵形線の式である。左辺を少し展開すると、

(x^2+y^2+a^2+2ax)(x^2+y^2+a^2-2ax)=b^4

(x^2+y^2)^2-2a^2(x^2-y^2)+a^4=b^4

となる。特に、a=b とおけば

(x^2+y^2)^2=2a^2(x^2-y^2)

となって、レムニスケートの有名な式が得られる。すなわち、レムニスケートは、カッシーニの卵形線の特別な場合である。

と書いてみたのだが、Wikipedia にそのまんまの記述があった。

Cassini oval - Wikipedia

右上の図はそこから借用。2つの黒い点が2定点、横8の字形の曲線がレムニスケートである。

レムニスケート(lemniscate)は、ラテン語の lemniscus(レームニスクス)、ギリシア語の λημνίσκος(レームニスコス)から来ていて、リボン(花冠を留めたりしたもの)のことだと辞書にある。

レムニスケートというと思い出すのは、高木貞治近世数学史談』のガウスに関する記述である。

近世数学史談 (岩波文庫)

近世数学史談 (岩波文庫)

レムニスケートの研究から楕円函数の発見に至った経緯などが詳しく書いてある。たしか前にも書いたが、電卓もソロバンもなしに、凄まじい桁数の複雑な計算を数多くやっている。高木先生も次のように書いている。

 ガウスが計算が上手で、好きで、且つ数字に関して異常なる記憶力を有していたことは有名である。4.81048 の自然対数が 1.5708 で、それが π/2 であろうと推測するなどは驚くべきことと言わねばなるまい。(p.44)

f:id:ophthalmos:20100903135853g:image:right

右の画像はおまけ。次のページから拾ってきたもの。

no title

なお、このサイトには、カッシーニの卵形線、レムニスケート、トーラスのページもある。

no title

no title

no title

petershampetersham 2010/09/03 16:27 こんにちは。この式はシンプルなので素人にも何がおこっているのかわかるようです。
とても面白いのがおまけの画像です。
そこで見てみたいと思ったのが、地球の公転軌道(ドーナツ型ですね?)で、ある地点(緯度)における1年間の移動の軌跡を表した画像(緯度によって形がかわりますね?)です。
すみません、私が言っている日本語の意味がお解かりいただけるかどうかが心配になってきました。
つまり、この前私が言っていたところのイギリスでの季節と時間が楕円形云々と関係する画像を見てみたいという思いつきでした。

ophthalmosophthalmos 2010/09/03 18:26 petersham さん、コメントありがとうございます。
> イギリスでの季節と時間が楕円形云々
これ、とてもぴったりしたいい表現だなと思いましたね。イギリスに行ったことはないのですが、petersham さんの滞在時のご経験のお話や、イギリスの小説などからくる印象で、そう感じました。
> 地球の公転軌道(ドーナツ型ですね?)
これを見て、正直なところ、とてもびっくりしました。ドーナツ型はまさにその通りです。ところが私は今まで、地球の公転軌道は円あるいは楕円としか考えたことがなくて、地球自体の大きさを考慮に入れた「ドーナツ型」というのは、思いもよりませんでした。この発見があっただけでも、今回のエントリを書いて良かった。
ところで、petersham さんのおっしゃっている意味はよく解りましたが、絵にすると、結局のところ、ドーナツの上に、ドーナツに沿って1周ぐるっと円を描くだけという、あまり面白くないものになってしまいます。出発点(例えば夏至)とその反対側(冬至)で、多少上下に軌道の位置がずれるくらいで。
そこで代わりに、上で紹介したサイトの別のページにある、美しい結び目の画像などはいかがでしょうか。フランス語なのがちょっと難点ですが、絵を見ているだけでもなかなか面白いのではないかと思います。ドーナツに沿って q 周する間に p 回巻き付くと得られる図形、などです。
http://www.mathcurve.com/courbes3d/solenoidtoric/solenoidtoric.shtml
http://www.mathcurve.com/courbes3d/entrelac/entrelac.shtml

petershampetersham 2010/09/03 19:51 お返事ありがとうございます。
ドーナツに沿って1周ぐるっと円を描くだけだと確かに面白くないのですが、私が見たいのは自転しながら公転する軌跡なのです。
地球上のある地点にたとえば「私」が立っている。「私」は動くから困るというなら、東京タワーでも良いですが、それは回りながらまわる軌跡になると思いますので。

しおしお 2010/09/03 20:22 おお,新しいエントリーが.

レムニスケートが現れるのは特別な場合のみでしたね.
勘違いしていました.

トーラス(3 次元の図形)の断面から意外な曲線(2 次元の図形)が出てくるってのが不思議だなぁと思います.
とくに関連がないように思えるだけに.

ophthalmosophthalmos 2010/09/03 20:35 ああ、なるほど。これは私が誤解していました。失礼しました。
そうすると、本質的には、天動説における周転円(epicycle)の軌道と似たようなものになると思います。周転円が(地球の地軸の傾きの分だけ)傾いているので、その分、「上から」見ると周転円が楕円につぶれますが。
緯度の違いは、周転円の半径の違いになって現れます。
検索すると、動画を見せてくれるサイトがいくつかありますが、次などは面白いと思いました。
http://astro.unl.edu/naap/ssm/animations/ptolemaic.swf
右側の「Planetary Parameters」の「presets:」を Mars から Saturn などに変更して、少し下の「start animation」のボタンを押してみると、それらしき動きが見られますね。
現実には、1周公転する間に365回自転するわけですから、ほぼ角度1度のピッチで周転円が描かれることになります。

ophthalmosophthalmos 2010/09/03 21:05 しおさん、再びありがとうございます。
コメントが錯綜してしまいました。上記は、petersham さんへのお返事です。
> レムニスケートが現れるのは特別な場合のみでしたね
いわゆる通常「レムニスケート」といっている、上の記事で書いた式で定義されるレムニスケートは、より詳細には、ベルヌーイ(Jakob Bernoulli)のレムニスケート、と呼ばれています。
これより広いクラスのレムニスケートもあって、トーラスを平面で切って現れる8の字形の一般的な場合は、ブース(Booth)のレムニスケートと呼ばれるものに対応しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Lemniscate_of_Booth
今回、しおさんのコメントがきっかけで、こうしたことが勉強できました。感謝しております。
> トーラス(3 次元の図形)の断面から意外な曲線(2 次元の図形)が出てくるってのが不思議だなぁと思います
まったくそうですね。同感です。
でも、楕円函数と密接な関連のある(というか、楕円函数の土台になっている)トーラスから、同じく楕円函数と密接な関連のあるレムニスケートが現れるというのも、何か深いつながりがあるんじゃないかとも思いました。

mathnbmathnb 2010/10/06 22:40 初めまして
レムニスケート上の定速運動でもよいのですが;
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128636575590416205336.gif
こんな問題に遭遇しました。解いてください。
------------------------------------------------------------
      検索すると;
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&rlz=1T4TSJH_jaJP367JP367&q=%E5%AE%9A%E9%80%9F%E9%81%8B%E8%BB%A2&aq=f&aqi=g1&aql=&oq=&gs_rfai=
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4TSJH_jaJP367JP367&q=%e5%ae%9a%e9%80%9f%e8%b5%b0%e8%a1%8c
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
http://www.mindspring.com/~noetic.advanced.studies/Amoroso7.pdf
a=1として この代数曲線上に沿って
http://bg.wikipedia.org/wiki/%D0%94%D0%B5%D0%BA%D0%B0%D1%80%D1%82%D0%BE%D0%B2_%D0%BB%D0%B8%D1%81%D1%82
2象限から1象限を経て4象限と進む動点 Pの 速さが 一定1の とき、
Pの加速度ベクトルの大きさを求めその極値を求めよ。も 解いてください。
(更に何処でその極値をとるかも示し,代数曲線上に加速度vectorを明記願います)

ophthalmosophthalmos 2010/10/06 23:58 mathnb さん、はじめまして。
ご質問の件ですが、mathnb さんほどの方であれば容易に解けると思いますので、おまかせいたします。

ところで、話は変わりますが、上に「はじめまして」と書いたものの、私の勘違いでなければ、mathnb さんにはすでに5年以上前に(はてな上、ネット上で)お会いしていると思うのですが(ただし、ハンドル名は変わっています)。
もしそうでしたら、再会できてとてもうれしいです。(もし本当に勘違いでしたら、失礼をご容赦ください。)

mathnbmathnb 2010/10/07 12:41 興味関心を有せられ、解かずには イラレナイ 
http://www.youtube.com/watch?v=aQXsM1l2wZ8
方 だと 忖度し、お願いを致しました。
(面白く、解いて 損はない 問題の 筈です)

ophthalmosophthalmos 2010/10/08 00:58 mathnb さん、Folium of Descartes だけ、興味をもったので計算してみました。曲率は、例えば次のページにあるとおりになりました。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Folium_of_Descartes_Curvature.svg
手計算で曲率を微分して変化の様子を調べるのは、ちょっと面倒ですが、単純計算なので、少し辛抱すればできます。
対称性より、t が -1 から 1 までの範囲を調べればよくて、t = -1, 0, u, 1 の4箇所(u は 0 と 1 の間の数)で微分が 0 になり、しかもこれらの各点で微分は符号を変えることがわかります。適当な値を代入してみれば、極大は t=0 および t=1 であることがわかるので、結局 t=0 と t=1 の2点で曲率の大きさを比較して、t=1 で曲率最大(すなわち加速度最大)ということが示されます。
微分の計算を楽しみました。

mathnbmathnb 2010/10/08 08:59      有難う御座います。尖点 に 対応 し 顕に 露呈さる ;
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128649521990816206665.gif
-------------------------------------------------------------------------------------------
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128636575590416205336.gif
   をも興味関心を有せられ、解かずには イラレナイ 
http://www.youtube.com/watch?v=aQXsM1l2wZ8
   方 だと 忖度し、お願いを致しました。
(面白く、解いて 損はない 問題の 筈です)

ophthalmosophthalmos 2010/10/08 10:03 mathnb さん、
> 尖点 に 対応 し 顕に 露呈
おっしゃるとおりですね。
デカルトの葉線の縮閉線を初めて見せていただきました。ありがとうございます。

mathnbmathnb 2010/10/08 15:55 「思い入れ」(大辞林第二版より)
「(1)深く心にかけて思うこと。執心」
が 在るのですね;
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&lr=lang_ja&rlz=1T4TSJH_jaJP367JP367&tbs=lr%3Alang_1ja&q=in+saecula+saeculorum+%E8%A7%A3%E6%9E%90%E6%A6%82%E8%AB%96&aq=f&aqi=&aql=&oq=&gs_rfai=
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&aq=hts&oq=&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4TSJH_jaJP367JP367&q=d%c3%a9j%c3%a0-vu
   が 在り過ぎでしょうが 82p-83pの 例を俎上に が ∃ しました;
     対称性が在り,尖点が想定通りの例ばかりですが;
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128651857973316213899_index_gr_1_20101008151619.gif
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128651871002816213899_index_gr_2.gif

http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4TSJH_jaJP367JP367&q=%e5%b0%96%e3%80%80%e5%95%8f%e9%a1%8c
    と ★尖 を 検索★ すれば 只今 Top に。

◆ 対称性が∃しない,で ,尖点が想定通りの例でない 微妙な のを 問題としたい ◆ ので;
前に   レムニスケート上の定速運動でもよいのですが;
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128636575590416205336.gif
こんな問題に遭遇しました。解いてください。と お願いしました。

---------------------------------------------------------------------------------------------
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/000/128609564351616204534.gif
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4TSJH_jaJP367JP367&q=%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi&biw=1071&bih=391
   は 加速度を 体感し 初めの 楕円軌道 に ついては コタエをしっているのかも...

上の 二番目の 曲線 R∋t---p-->p[t]=(t, t^3 + 3*t^2 - 1)∈R^2 について は
 つぶさに 加速度 vector 場 も 添えた グラフ をも
遊び心で  お願い致します。
http://www.youtube.com/watch?v=M5_OK_4AFlI&feature=related

mathnbmathnb 2010/10/08 16:03 仕様でしょうか? それとも 設定次第でしょうか?
Linkが うまく いかない ようですので
http://d.hatena.ne.jp/mathnb/
にも 直上と 同じ内容を 記載しました。

mathnbmathnb 2010/10/10 21:00      azz_______様
http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/kikagaku1table2003.html
  からも学べますと 「私は 学べます」との 私の コメント
  に対する いただいたコメントから 記憶が鮮明によみがえりました。
  村上信吾「多様体」を 仕事の合間に 瞬時に 読了され 驚愕したことをも。
       ですから
http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/kikagaku1table2003.html
     は 知悉内容でしたね。

再再会叶い 欣喜雀躍 して おります。
 
       Linkがうまくいかない。
   場所を占有し、迷惑をかけてしまう。
等等の理由で 仮に 以下に 投稿内容を 記載します
(息抜きの際ご笑覧ください);
http://ameblo.jp/nbgb/

投稿内容は
http://d.hatena.ne.jp/ophthalmos/20100903/1283490615
絡みです。

ophthalmosophthalmos 2010/10/10 22:17 mathnb さん、
村上信吾『多様体』を読んだときのことまで覚えていてくださったとは、まことに恐縮です。
(そういえばこの本、このたび復刊ということで、私としてはうれしい限りです。
http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68314234 )

でも、その後が続かなくて、それっきりなのです。道具を手入れしただけで、その道具を使って何かをする、ということないまま、道具が錆びついてしまいました。
なので、坪井先生の講義は、ちょうどいいと思いました。

24次方程式の問題は、ずいぶん難しそうですね。気が向いたら考えてみようと思います(でも私は、代数、特に方程式論はほとんど勉強したことがないのです)。

mathnbmathnb 2010/10/10 23:38 http://ameblo.jp/nbgb/

mathnbmathnb 2010/10/12 16:51 お邪魔致します。
http://ameblo.jp/nbgb/

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