俺はなでしこ このページをアンテナに追加

2017.12.23 Sat. 下弦の月ドクロ

orenade2017-12-23

[] 劇団☆新幹線「髑髏城の七人 〜Season 月 下弦の月〜」IHIステージアラウンド東京@豊洲市場前

【作】中島かずき

【演出】いのうえひでのり

【出演】

宮野真守 鈴木拡樹 廣瀬智紀 ╱ 羽野晶紀

木村了 伊達暁 松岡広大 インディ高橋 ╱

中谷さとみ 肘井美佳 安田栄徳 ╱

中村まこと 千葉哲也

藤家剛 工藤孝裕 井上象策 安田桃太郎 長谷川聖 青山郁彦 神田丈志 小笠原祐太 岩田笙汰 内田莉紗 大川真煕 北村たくや 小池亮介 後藤祐香 齋藤志野 樹麗 東松史子 中野順一朗 野田久美子 原田賢治 山粼翔太 山粼ちさと

12/23(土)18:00開演、於・IHIステージアラウンド東京。二幕構成、休憩20分を挟む。

同じ舞台を季節ごとの「花鳥風月」に分けたうちの、今回は「月」バージョンですが、さらに「上弦の月╱下弦の月」に分けたWキャストとなっています。俗に言うと、「上弦の月」は芸能人 (主演は福士蒼汰)、「下弦の月」は2.5次元の役者が中心ですね。どちらも若い世代です。あ、でも「下弦の月」は30代前半か。


私、「風ドクロ」は観てないんですよ〜。松山ケンイチがかなりよかったらしいので、後から絶賛後悔しました。松ケンのことはもともと買っていましたが、正直、もう髑髏城には飽きてしまって……ああ、でも観ておけばよかったー!

で、今回の「風ドクロ 下弦の月」は、2.5次元で名前を売っている役者さんが出るので、チケットを取りました。2.5次元の舞台を観る機会がなく、名前だけ聞く役者さんがどんなものか、興味があったのですね。

感想は……うん、私、「2.5次元」の輝きに期待してたみたい。

以下、辛口です。ファンの方、申し訳ありません。


舞台全体の感想は、一言でいうと「薄い」。

花ドクロ、鳥ドクロとは違うように脚本をいじっていて、捨之介が涙もろく熱めの演出でしたね。主演の捨之介役・宮野真守は、子役出身の声優だけあって、セリフがどんな場面でも聞き取りやすかったです。さすがの美声ですね。セリフの感情の込め方が上手かったなあ。2.5次元系では、この人が一番よかったです。花ドクロの小栗旬より、こっちの捨之介のほうが好きだな。

天魔王には、鈴木拡樹。正直、この人に一番がっかりしました。もっと、すごいの見せてくれると思ってた。肩すかしを食らった気分です。演技に、演出以上のものを感じなかった。セリフも一番聞き取りづらく、イライラしました。所作は所々うまかったけれど、心にぐっと来るものが伝わってきませんでしたね。

それと、マントバッサーしすぎ。マントを高く跳ねあげればいいってもんじゃないよ? バサバサしすぎて、かえって「ここぞ」という見せ場がなく思われました。またマント跳ねるのかよ、って感じ。単に跳ねあげるだけではなく、たまには平行にするとか、もう少し見せ方を工夫すればいいのに。一つ覚えで上にバッサー。飽きました。幻滅した。

蘭兵衛(実は森蘭丸)には、廣瀬智紀。この人、蘭兵衛だったときはまだよかったのだけれど、森蘭丸になってからは、がっかりしました。狂気が浅い。セリフは天魔王より聞きやすかったです。

ところで、蘭兵衛が蘭丸になる際の、夢見酒のシーン。いのうえさんの演出に笑っちゃいました。なんかもう、酒を飲ませるというより、ただのキスシーンになってないすか?


贋鉄斎の中村まことは、素敵でした。あんなに美声だったかしら? 可愛いし、安定感ハンパないわ。地に足のついた演技に安心させられました。

渡京役の伊達暁は、久しぶりに観たけれど、よかったな〜! これまた安定感あり。最初配役を聞いたときは「伊達ちんが新感線で、渡京役?」と、まったく想像がつきませんでしたが、さすが役者、きちんと見せてくれました。

兵庫役の木村了もよかったです。弟分たち5人との息がぴったりでした。この弟分たちが、すっごい可愛いの! 全体的に、モブの動きが皆さん綺麗でした。一体感ありました。

兵庫の父親役のインディ高橋は、がんばっているんだけどなー、申し訳ないけれど物足りないですね。

極楽太夫の羽野晶紀は、長年のブランクを感じさせない好演。まあ、後半、かなりセリフ回しが似てたけれど、たまの舞台でもこれだけできるのって、やっぱりすごいですね。好きな役者ではないのですが、実力を感じました。

それと、いつもは少女である「沙霧」が、今回は少年になって「霧丸」になりました。霧丸役の松岡広大は、すごく動けて偉いな〜。松岡広大自身に問題はないし、よかったのを前提に言わせていただくと、脚本上、少女を少年に変える意味があったとは思えませんでした。


捨之介がお人好しすぎるのを除けば (これは私の好みですな)、脚本も演出も新味があり、その点ではよかったです。ただ、まとまってはいるけれど、薄い。

どうして薄く感じるのか。それは、中心になって引っ張る役者がいなかったせいかと思いました。宮野真守はよかったけれど、この人についていくほどではなかったというか……すみません。

メインの3人(捨之介、天魔王、蘭兵衛)の誰かに、もっと演出を超える存在感を出してほしかったですね。宮野真守には工夫と気概を感じましたが、ほかの2人には、演出以上のものが見えなかったのが残念。段取りを踏んでるのが見えちゃったしなー。受けた演出を忠実にこなすのはいいことですが、その演出を踏まえて「この人でないと見られない魅力」が出ないとダメだと思うのですよ。

けっこう辛口に書きましたが、下手な役者さんではないのです。だから、舞台を観て「つまらない」というわけではない。ただ薄い。へー、2.5次元はこんなもんか、で終わった舞台になってしまったのが残念です。