俺はなでしこ このページをアンテナに追加

2018.8.20 Mon. NARUTO歌舞伎

orenade2018-08-20

[] NARUTO歌舞伎@新橋演舞場

縁あって、NARUTO歌舞伎を観てきました。スーパー歌舞伎ではなく、「NARUTO」歌舞伎なのね。

少年ジャンプの看板漫画の一つだった作品で、忍者を扱っていることから、海外でも人気の少年漫画が原作ですが、私、読んだことがなくて……。「忍者学校の少年たちの話なんでしょ?」と思っていたのですが、それは初期の話で、後半は忍者学校を卒業して、なんかいろいろあったお話だったんですね。


脚本と演出は、小劇場出身のG2。G2さん、活躍してるよね〜! 私には、彼の演出で、よくも悪くも引っかかるものはないのですが、うまくまとめていく力があるんだろうな、というのは分かります。漫画原作を読んだ方によると、本当に全72巻分の内容を収めているそうですよ。すげーな。

主役のNARUTOたちは、歌舞伎の若手俳優たちが務めています。うん、まあがんばってた感。ときどき歌舞伎っぽく見得を切るんだけど、セリフが全部現代語だから、なんか違和感あるのよね〜。別に、歌舞伎でやらなくてもよかったんじゃ……と、つい思ってしまいました。春野サクラ役を務めた、女形の中村梅丸が、まじ女の子だった。「歌舞伎にも女性が出るようになったのか?」と思ったくらい、マジモンの女の子でした。これは一見の価値あり。

主人公・ナルトの師匠である自来也を務めた市川猿弥は、1月に観た「近松心中物語」にも出ていた歌舞伎役者さん。そのときもいいな、と思いましたが、今回もいい脇ポジジョンで務めていらっしゃいました。うまい!

ラスボスのうちはマダラは、市川猿之助片岡愛之助のWキャスト。本日は市川猿之助で、こちらはさすがの貫禄、歌舞伎らしさを感じさせてくれました。やっぱり年季が入りようが違うんだなあ。

2018.8.19 Sun. 新生阿佐スパ

[] 阿佐ヶ谷スパイダース「MAKOTO」@吉祥寺シアター

【脚本・演出】長塚圭史

【出演】

中村まこと

大久保祥太郎/木村美月/坂本慶介/志甫真弓子/伊達暁/ちすん

長塚圭史/中山祐一朗/藤間爽子/森一生/李千鶴

8/19(日)13:00開演、於・吉祥寺シアター。

昨年までユニットだった阿佐ヶ谷スパイダースが、何を思ってか、時代に逆行して「劇団」化! そんなに劇団員を増やして大丈夫……?と心配になりつつ、新生・阿佐ヶ谷スパイダースの第1弾公演を観に行ってきました。まあ、劇団員といっても、阿佐スパ専属ではなく、本属(?)は他劇団、という人が多いのですがね。

そんな劇団員の一人、中村まことさんが、タイトルロールを背負った主演をつとめております。あーん、まことさんカッコいい〜〜〜! ダメ男なのに、なんでこんなに渋くカッコよく見えるんでしょ。ほんっと、この人、芝居うまいよなあ。


あらすじは、紹介するのが難しいな。まことは、売れない自称漫画家で、妻を病気か何かで亡くしたばかり。亡き妻の弟(長塚圭史)が、妻子を連れて、まことのもとを訪れるが、ちょうど留守中だった。まことの住むボロアパートの住人たちも、癖のある者ばかり。

まことはバイトで交通整理をやっているが、妻が亡くなってからというもの、身が入らず、同僚の若い男の子に叱責される始末だ。実は、まことの妻は、医療事故による過失死の疑いがあった。そのことを言い立て、病院と執刀医を訴えて金で解決させたがっているのが妻の弟で、彼は不倫で会社に居場所がなくなり、金が欲しいのだった。

話が進むうち、そこかしこでダブルミーイングが見られる。亡き妻の弟は不倫をし、仕事も金もどん底だ。その妻は自分から別れる気はないが、自らを卑下して夫とのコミュニケーションは噛み合わない。一人娘は、そんな両親を冷めた眼で見ている。

一方、妻の弟が医療過誤を責め立てる執刀医も、これまた不倫をしており、引く気のない不倫相手と、攻撃的だが別れる気もない妻との間で板挟みになり、酒だかクスリだかで朦朧としているときに執刀を誤ってしまったのだった。一人息子は、父には憎しみを、母にはとりあえず従順にしてみせるが、時折冷めた様子をみせる。妻の弟と執刀医は、一対の鏡であると言えよう。

一方、まことは、妻の死因には興味がない。彼にとって重要なのは、愛する妻がこの世にいないことだ。執刀医を責めても、妻が生き返るわけでなし、と、そこはやる気がない。ただ、妻の思い出を掘り起こし、妻の服を自ら着てみては、妻の余韻に浸る。

主人公の名前「まこと」は、役者の芸名と同じで、タイトルロールでもある。今の生活が真(まこと)なのか、それとも妻の幻影とともに生きる裏側が真なのか、医療過誤が真なのか、嘘なのか。東京オリンピックを控え、東京の街並みもどんどん変わっていく。妻と歩いた風景がなくなっていく。同じ場所を歩いていても、それは果たして、前と同じ空間なのか。何が「MAKOTO」なのかを問い続ける。

妻を失ったまことの悲しみは、なぜかエネルギー爆発に変換されて、世に現れる。人の想いの質量、とは何でしょうね。

そんなお話でした。東京オリンピックに向ける街並み変化を、暗に当てこすった描き方は、明治に背を向けて江戸の幻を追い求めた永井荷風に通じるものがあるかも。


役者陣は、玉石混交という感じ。役者の芝居の出来に、差がけっこうあったな〜。今回は、中村まこと、という役者に尽きます。もともとの阿佐スパのメンバー3人もよかったですが、あとは森一生さん。最初はうまいとは思わなかったんだけど、最後の芝居がよかったです。

2018.8.5 Sun. 橋さと凱旋!

[] 劇団☆新幹線「メタルマクベス disc 1 」@IHIステージアラウンド東京

【脚本】宮藤官九郎

(原作:W・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より)

【演出】いのうえひでのり

【音楽】岡崎 司

【振付&ステージング】川崎悦子

【出演】

橋本さとし 濱田めぐみ ╱

松下優也 山口馬木也

猫背 椿 粟根まこと 植本純米 ╱ 橋本じゅん ╱ 西岡紱馬╱

山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 村木 仁 冠 徹弥 富川一人 小沢道成 他

8/5(日)14:00開演、於・IHIステージアラウンド東京。

また豊洲市場前まで行ってきましたよ。同じ劇場「IHIステージアラウンド東京」で、約1年3カ月のロングラン公演を果たした「髑髏城の七人」に引き続き、今度は「メタルマクベス」を演出・キャストを変えて3公演やります。

「メタルマクベス」は2006年初演のメタルロック芝居です。そのときの主演は松たか子内野聖陽で、とにかく松たか子がすっっっごく!!!!よかったんですよーーーーー!!!!! 森山未來くんの、場末のスナックチーママにしか見えない王子も、そのお守役の情けない北村有起哉も、橋本じゅんも、殺されちゃう王様の上條恒彦も、皆よかった。

初演がよすぎて、正直、再演には興味なかったんですよね。劇場のある豊洲も遠いし、ここ最近の新感線に思うところもあり、チケット取るのは悩みました。

でも、橋下さとしがこの舞台で新感線に戻ってくるというからさ〜……。彼が主演のdisc1だけ、チケットを取りました。


いまやミュージカル・スターとして活躍中の橋下さとしですが、昔は、新感線の役者だったんですよ。主役も張れる若手として期待されていたのですが、劇団を出て独り立ちしたんですよね。一応、円満退団らしいです。

タッパがあって、声量よし、スター性あり、おバカなところがかわいいワンコ気質で、愛されキャラだったんですよね〜。と、こう書くと、すごく昔から知ってるぽいですが、私は橋さとが退団する少し前から見始めた程度でして、まあ聞きかじりです。それでも、彼が退団すると聞いたときは、残念だったのを覚えていますよ。

前振りが長くなりました。今回の再演、しょっぱなの「disc1」で堂々の主演で帰ってきた男・橋下さとしはどうだったかって?

最高でしたよ!!!!!

もう一度書くけど、初演の松たか子(マクベス夫人)がすっごくよくてさあ、いくら橋さと凱旋舞台と言えども、あんま期待してなかったのよね、ぶっちゃけ。

でも、よかった。橋さとのマクベスはすごく、すんごく、よかった。成長したな〜、と思った。

今回のキャスティングで、橋本さとしが、色眼鏡抜きでダントツによかったです。初演のうっちーもよかったけれど、橋さとは、ぴったりハマり役ですわ。陽気さと闇落ちのバランスがよい。とても落ち着いて観られました。

マクベス夫人役の濱田めぐみは、ちょっと姉御すぎたかな。歌はさすがだが、前半が鬼嫁ぽく見えました。しかし、これは初演の松たか子がよすぎたので (これ言うの3回目だな)、どうしても再演キャストは分が悪いですよね。

今回、残念だったのは、橋本じゅん。やる気あんの? 全然魅力ない。初演と同じキャスティングなのに、まったく輝いていない。つまんない。ただ、8月下旬に公演を観た人によると、その頃には普段の調子を取り戻して、きちんと演じていたそうなので、公演前半は調子が悪かったのかなあ。そういう時期にあたってしまい、残念でした。

今回、王子のお守り役を演じた山口馬木也は、立ち姿がカッコよかったです。ただ、カッコいいだけで、キャラクター造形がいまいち伝わらなかったですね。王様役の西岡紱馬は、歌がまあアレですけれど、この舞台を楽しんで演じているのが伝わってきて、好印象でした。わりと嫌いじゃないよ。歌で言えば、初演は上條恒彦だから……比べないであげて。


脚本・演出で言うと、初演よりも、世紀末伝説感を強く打ち出してました。ゲームか深夜アニメ風? 最後のオチが分かりやすくなっていました。核弾頭だったんですね!

2018.3.15 Thu. 初めての宝塚「ポーの一族」

[] 宝塚歌劇団・花組「ポーの一族」@東京宝塚劇場

【原作】萩尾望都『ポーの一族』(小学館)

【脚本・演出】小池修一郎

【作曲・編曲】太田 健

【出演】

エドガー・ポーツネル:明日海 りお

シーラ・ポーツネル男爵夫人;仙名 彩世

アラン・トワイライト:柚香 光

大老ポー:一樹 千尋╱老ハンナ:高翔 みず希╱レイチェル:花野 じゅりあ╱ブラヴァツキー:芽吹 幸奈╱フランク・ポーツネル男爵:瀬戸 かずや╱オズワルド:冴月 瑠那╱ポール・メイヤー:冴月 瑠那╱マダム・ビゴー:白姫 あかり╱メリーベル:華 優希╱ほか

3/15(木)18:30開演、於・東京宝塚劇場。日比谷です。2幕構成で、約30分の休憩をはさみ、3時間ほどの公演でした。

お初のタカラヅカを「ポーの一族」で観る豪華さ! 原作好きなので、とても楽しみにして行きました。チケットを一緒にとってくださった方に感謝、感謝です。

オーケストラ・ピットがある〜! 生演奏なんですね、って当たり前か。なんか、すごかった……。ヅカって、独特の雰囲気がありますね。

原作は、作品世界を流れる時間も飛び飛びで、順不同でモザイク状に語られる出来事を頭の中で並び替えていくと全体像が見えてくるのですが、さすがに舞台では時間軸に沿って話を進めていました。エドガーとメリーベルの幼年時代、エドガーのバンパネラ化、エドガーとアランの出会いに絞っています。それでも原作をかなり端折った紹介にせざるを得なく、かなり説明的な台詞もありましたが、これはしかたがないね! むしろよくまとめたよ。

メリーベルとシーラ、どちらが娘役トップかと思ってましたが、シーラのほうでしたね。エドガー役の明日海りおさんは、漫画から抜け出た容姿で忠実に再現してました。アラン役の柚香光さんは、レビューの素顔(?)のほうがカッコよかったです。

小さい頃のエドガー兄妹が、乳母たちに置き去りにされるところや、シーラの婚約式のシーンなど、たびたび原作を思い出しながら観ていました。あ、大老ポーが、原作と違って村人たちに消されてたな〜。エドガーが大老ポーの最後の血を受け継ぐ者になっていて、彼の悲劇性をより高めようとしたみたい。


ふだんは、第2幕は最初からレビューらしいのですが、今回は大作のため、2幕の途中までが劇でした。劇が終わったとたん、すぐにレビューにスイッチしてびっくり! 間がないのね〜。男役と娘役に分かれてショーを見せてくれました。

劇のときも、レビューのときも、圧倒的ヒエラルキーの世界。トップ以外は、基本的にモブなんですね。有名な階段昇降も観ました。ほんとに階段の幅せまい〜! あれでよく降りられるなあ。すごいすごい。

最後は、男役トップが羽根をしょって出てきてくれました。軽々して見えるけれど、あれ絶対重いよね。ひゃー、すごい〜。

宝塚は、華やかな夢の世界でした。

2018.1.28 Sun. 観劇と熊谷

[] SISカンパニー「近松心中物語」@初台・新国立中劇場

【脚本】秋元松代

【演出】いのうえひでのり

【出演】

堤真一 宮沢りえ 池田成志╱小池栄子 市川猿弥 立石涼子 小野武彦 銀粉蝶╱

池田倫太朗 伊藤安那 大久保祥太郎 大野香織 大原康裕 金松彩夏 駒井健介 陣内将 高柳絢子 内藤裕志 山崎美貴 山田悠介 吉野実紗 頼経明子 ほか

1/28(日)13:30開演、於・新国立劇場中劇場。上演時間は約2時間30分 (休憩込み)。

「近松心中物語」は、もともと蜷川幸雄演出で名高い舞台だったそうです。「冥途の飛脚」、「ひぢりめん卯月の紅葉」とその続編「跡追心中卯月のいろあげ」の3編を秋元松代が大幅に脚色・仕立て直した作品を、蜷川幸雄が平幹二朗、太地喜和子、菅野菜保之、市原悦子で1979年に初演したのが始まりだとか。すごい顔ぶれですな。

生前の蜷川さんが「いのうえの近松が見たい……」と言ったのが機縁で、いのうえひでのり演出の舞台が実現しました。蜷川さんといのうえさんの演出って、大掛かりで大上段、派手なのが共通しているので、親和性高そうよね。


近松といえば心中物。ちゃんと読んだことはなくとも、文学史的に知ってはいる、その程度のアタマで観てきました。

堤真一が飛脚屋の跡取り養子・忠兵衛で、宮沢りえがその敵娼・梅川。池田成志が調子のいいダメ男の入り婿・与兵衛で、小池栄子はそんなダメ男にぞっこんの、傘屋の跡取り娘・お亀。いわゆる「家つき娘」というやつです。

その2組のカップルの行末を描くのですが、メインは堤真一と宮沢りえ。王道の悲恋で、ある意味、型にはまった芝居しかできないからちょっとかわいそうだったかも。池田成志と小池栄子はコメディ・パートで、メインカプは堤&宮沢に譲りながらも、その喜劇性と人間臭さが演じ方に幅が出て、面白みのある役柄だったのではないでしょうか。少々、笑いが表に出すぎた嫌いはありますが。


舞台セットがすっごくよかった! 格子をうまく使い、花と見紛う赤い風車の群れが、苦界の華やかさと憂き世を象徴しています。

舞台設定が江戸初期ということで、歌舞伎っぽく黒子に場面転換をさせていました。今回、何がよかったって、3Dプロジェクションマッピングも、スクリーン映像も使わなかったこと。私ね、その演出はもう、ほんと飽き飽きしているんです。ちょっとさー、いくら暗転が嫌いだからといって、いのうえ演出はスクリーン多用しすぎですよ。今回はそれがなく、真っ向勝負な感じがして好感が持てました。まったく個人的な感慨ですがね。


お堅い朴念仁の忠兵衛を、結果的に遊女屋に誘って梅川と出会わせ、破滅に追いやらせたのが、飛脚屋仲間の丹波屋八右衛門。八右衛門を演じたのが市川猿弥で、これがまた大変味わいがありました。さすが歌舞伎役者ですね、締めるところは締めて、凄みの出し方がとてもいいです。

市川猿弥と並んでよかったのが、銀粉蝶。こちらも「さすが」の一言です。傘屋を取り仕切る、しっかり者の母親役で、なんの大げさな演技をしなくとも、すっと感情やセリフが聞こえてくるんですね。

今回、いのうえ演出には珍しく(笑)、演者にマイクがない舞台だったんですよ。そのせいか、モブとメイン級の役者の差がくっきりと浮かびあがってしまいました。そう、モブの方々は、セリフが聞き取りづらいんです……。身体は動けていても、何かもろもろ、伝わってこないんですよ。芝居の出だし、モブの方々の応酬が終わったあとで堤真一が出てくるのですが、セリフ回しから何から、モブとは違っていてびっくりでした。セリフがめちゃくちゃ聞きやすいし、身ごなしが自然なの。売れる役者って、やっぱり理由があるんだと認識させられました。

あ、モブでも、宮沢りえのいる遊女屋の女将など、かなり出番のある役者さんはちゃんとしていましたよ。本筋とは関係ないけれども、「役者の力量」について考えさせられた舞台です。

それで言うと、小野武彦は、もったいない使われ方だったなあ。出番がちょこっとしかなくて、「え、これだけ?」と思いました。


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さて、舞台を観終わってからは、急いで熊谷まで移動。高校時代の友達、3人と会うのです。

3人のうち1人は、2年ぶりかなあ? 一緒に熊谷まで来ていた旦那さんとお子さんにも会えて、ラッキーでした! お子さんが、生まれた時からイケメンだったけれど、成長してもイケメンだったわ。かわいかった〜。

旦那さんとお子さんに挨拶してから、イタリアンの店に移動。18時から20時半まで、あっという間でした。電車の時間の都合で「あともう少しだけ」と、駅構内のモスバーガーに入り、短い時間でも、めいっぱい再会を楽しみましたよ。21時半頃の電車で帰宅。