俺はなでしこ このページをアンテナに追加

2018.3.21 Wed. ポスターの魅惑

[] サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法@練馬区立美術館

友達から教えてもらった、「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」展に行ってきました。練馬区立70周年記念で、練馬区立美術館での開催です。

練馬区独立70周年記念展 サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法 | 展覧会 | 練馬区立美術館

「美術手帖」による本展の見どころ


フランスを代表するポスター画家、レイモン・サヴィニャック(1907−2002)の作品を過去最大規模で展示。ポスターが貼られた街角の風景写真も含めて計201点を見られます。サヴィニャックは1950〜60年代を中心に活躍した人で、いかにもパリッ子らしい、シンプルでウィットに富んだ作画でした。

ポスターとは広告。今のデジタル全盛の時代と違い、サヴィニャックの頃は全部手描きです。それこそ、ポスター中のレタリングも。原画と、実際に仕上がったポスターとを見ると、印刷時に色みを操作してるな〜とか、ここ加工してる、とか、そういうところも含めて面白かったです。

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一世を風靡したサヴィニャックでしたが、実は遅咲き。1949年、牛乳石鹸のポスターで注目を集めてから快進撃を始めるのですが、そのとき齢41歳でした。1958年には、森永チョコレートの宣伝ポスターも作っています。驚き〜!

しかし、時代はどんどん世知辛くなります。サヴィニャックの考えるポスターのあり方と、広告会社が求めるものが合致しなくなり、サヴィニャックは「大家」であっても、使われることは激減しました。うん……切ないね。

都心というには遠いせいか、観客もほどほどで、2時間くらいでゆったり観られました。面白かったです。

2017.11.24 Fri. 有休で美術館

[] 2館めぐり

昨日の木曜日は勤労感謝の祝日、今日の金曜日を休むと、続けて土日で4連休。

はい、有休とりました! やったネー。

せっかくの平日休みなので、土日は混んでいそうなところに行ってみました。上野にGO!


まずは、中野京子さんの「怖い絵展」@上野の森美術館。

怖い絵展

ツイッターを見ると、休日は入館まで2〜3時間超えになってきている、怖い展覧会です。朝イチで行けば大丈夫でしょ、ああでも思いつきで決めたからチケット買ってないや、スマホ入場できるよね……って、できないんかーい!

事前にチケット用意していなかったせいで、このあと、痛い目を見ました……。

プレイガイド系のコンビニ発券で買うと、発券手数料がかかるからヤダナーと、上野駅か、上野公園の案内所で買うことにしたのですが、これが間違いだったわ。どちらも、すんげーーー並んでる。駅構内のチケット販売所の並び具合を見て、上野公園の案内所に行ったら、そっちも同じくらい並んでて泣いた。購入まで30分かかった。買ったとき「120分待ちですがよろしいですか?」と聞かれ、実際に行ってみたら、150分待ち(2時間半)だった。泣いた。

スマホにヘッドホンで音楽聴きつつ並んでいたから、なんとか耐えられました。午前中は天気もよく、暖かかったですしね。上野公園の紅葉が、なかなか綺麗でした。帰りに撮るつもりが、午後は曇って雨降ってきたのが予想外だったな〜。

さて、ようやく入場できたので、珍しくイヤホンガイド借りようとしたら、ここでも20分待ち。諦めて、そのまま観ることにしましたよ。

さて、肝心の展示内容ですが、とにかく人が多すぎ! まあ、私もその一員なのですが。列は進まないわ、絵画は見にくいわでストレスがたまり、楽しいより疲れました。上野の森美術館て小さめだし、動線がイマイチだから、もともとあんま好きじゃないんだよね〜。やっぱりか!てな感じ。

ハーバード・ジェイムズ・ドレイパー「オデュッセウスとセイレーン」がよかったな〜。そして本展の目玉作品、ポール・ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」がさすがだった。正直、これを観られたから来た甲斐があったというもの。観るまではなんとも思ってなかったのですが、いざ目にしたら、すごく迫力がありました。天地2.5メートル×左右3メートルの大きさは伊達ではなく、劇的な緊張感のある絵でした。


入館までに2時間半、鑑賞に2時間弱で、美術館を出たのが14時頃だったかなあ。ちょうど公園内で、伊賀の物産と飲食の屋台が並んでいたので、オム焼きそばを買って食べました。ここで小雨が降ってきたのよなあ。

「怖い絵展」が、人に揉まれて終わってしまった気分だったので、もう1か所くらいちゃんと観たいと思い、上野公園の入口近くにある西洋美術館へ。こちらは館内が広いから、混んでいても見やすいだろうと踏みました。正解だった!

北斎とジャポニスム ―HOKUSAIが西洋に与えた衝撃

はい、「北斎とジャポニスム」展です。先月末に両国で観た北斎がよかったので、ふらりと入ってしまいました。こちらも混んでいたけれど、人溜まりはそれほどなく許容範囲です。楽しく作品を観られました。これ大事だよね〜。

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ジャポニスムだけあって、印象派の絵画が多かったかもしれません。アールヌーヴォーのポスターやガラス工芸も展示されていましたよ。どれも脇に、元ネタと思われる北斎の絵が、ちんまり並べられているのが面白かったです。これは観てよかったなあ。


せっかく西洋美術館に来たので、常設展示のほうも冷やかしてから、さて夕飯をどうしましょうか。もう18時を回っていたような……。

なんとなく今日は贅沢をしたい気分だったので、西洋美術館内のレストラン「すいれん」で、ビールと洋食をいただいてまいりました。ランチタイムでないと、高いのねえ。

2017.10.29 Sun. 北斎はおもしろい

[] すみだ北斎美術館@両国

飲んでからのお泊まり会チウ。昨日は眠くて寝ちゃったため、朝風呂です! 宿から徒歩5分の温泉SPAで、朝7時から真っ黒な温泉を楽しんできました。都内の温泉はお湯が土色のところ、多いよね。

さて、宿の無料朝食サービスをいただいてからチェックアウト。10月末だというのに台風が近づく中、また両国に舞い戻って「すみだ北斎美術館」へ行ってきました。

雨だったけれど、けっこう混んでましたね〜。企画展が終わり、次の準備をしているところで、常設展のみだったけれど、見せ方が工夫されていて楽しかったです。番町皿屋敷や、富獄三十六景の中でも有名な神奈川沖や赤富士もあり、「これこれー!」なんて言って盛り上がりましたね。すみだ北斎美術館、オススメ!

体験型の遊びもあって、今風でした。写真撮影も基本的はOKなのが、さらに今風。最近は「一部写真OK」が増えましたよね。しかし、それに気づいたのが展示を見終えてからだったので、1枚も撮ってません(笑)。まあ、むりやり撮るものでなし、自分の目で見て楽しめたからいいのだ!

両国は、ちょっとオサレな店が増えた感じ。美術館ができたのもあるでしょうけれど、下町人気のせいかな〜。

お腹が空いてきたけれど、雨も強くなってきたし、遠くまで行くのはやめて、駅併設のレストラン街でお昼を食べました。ちょうど両国国技館でコンサートがあり、その開始を待っているのか、若い女の子たちが駅の周りで屯(たむろ)していました。スゲーな。

2017.6.23 Fri. バベルの塔展

[] ブリューゲル「バベルの塔」展@上野・東京都美術館

24年ぶりに来日の、ブリューゲルの最高傑作と言われる「バベルの塔」を観に、上野の東京都美術館へ。

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【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展


午前半休をとったのですが、思ったより混んでました! もっとゆっくり観られるかと思っていたけれど、7月2日の会期最終日に近いのも災いしたかなあ。展覧会を観たあとは、上野で早めのお昼を食べてから出社のつもりが、そんなヒマありませんでした。パンを買って、会社でササッと食べたよ。


ブリューゲルの「バベルの塔」は大小2点あって、今回は小さい方です。大が描かれたあとに小が制作されて、より洗練されたとかナントカ……らしいですよ。

目玉展示の「バベルの塔」は、小さめながらも、本当に緻密。当時の建築技法や生活が随所に描かれていて、「バベルの塔」のイメージ自体、この絵が後世にかなり影響したそうです。じっくり観たかったけれど、絵が小さめの上、人が群がるのを阻止するために、この絵だけは立ち止まることを許されず、流れ作業のように人が回遊していったのでした。開館直後か、閉館間際なら、人が少ないから好きなだけ眺められたかもしれぬ……ぐぬぬ。

もうひとつの目玉展示は、ブリューゲルの少し前の画家、ヒエロニムス・ボスの真作2点です。これも面白かった!

現存する油彩は25点で、奇妙な人や怪物を多く描いた画家です。暗喩が多く、意匠を読み解く面白さがあります。有名なのは「悦楽の園」ですね。これはさすがに来日していなかったけれど、どこかで目にされた方も多いのではないでしょうか。

ボスの絵画(もしくは銅板)よりも、それを模した後世の画家たちの銅板画のほうが多かったですね。ブリューゲルもその一人で、変な怪物てんこもりの絵が楽しかったなあ。そのぶん、来場の皆さんがじっくりご覧になるので、やっぱり一枚一枚、人だかりになります(笑)。


開館に合わせて行けばよかった、とちょっぴり後悔。のんびり支度してたら、家を出るのが遅くなっちゃったのよね。

2017.5.14 Sun. ミュシャ展

[] ミュシャ展@六本木・新国立美術館

アールヌーヴォーのポスター画で有名な、ミュシャの展覧会に行ってきました。

ミュシャ展(音あり注意)


今回の展示の目玉は、なんといっても「スラヴ叙事詩」全20点!!! 約6メートル×8メートルの巨大カンヴァスに描かれた油彩は、圧倒的迫力です。実際に目にすると、全部同じ大きさではないのね〜。ちょっと小ぶり(といっても、10畳はありそう)なものもありました。

「ミュシャ (Mucha)」の発音はフランス語読みで、出身のチェコ語だと「ムハ」だそうです。チェコからフランスに渡り、そこでアールヌーヴォーの代表作を何点もモノしたため、ミュシャ読みが日本でも一般化したらしいですね。

以下にもミュシャミュシャしい、女性と装飾的な枠線で彩られた絵画(やっぱり綺麗でした)も展示されていますが、こちらの大半は堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館所蔵品です。「カメラのドイ」創業者の土居君雄が蒐集したもので、土居の死後、堺市に寄贈されたそう。すごいなー。

まあ、そちらは堺市に行けば見られるので、今回、全20点まとめては初の国外展示だという「スラヴ叙事詩」をじっくり拝見しました。細かな筆使いや彩色を見るのに双眼鏡があるといい、と言われていますが、私は美大生じゃないし、ナシママで行ったよ。だって、ああいう巨大絵画って、離れて見るのにちょうどよく作られているものでしょう。

いやはや、すごい。でかい。空間把握力というか、まとめ方がすごいわー。少しくすんだような色使いがいいなあ。ほんと、よくこんな大きな画面に描けるもの

何点か、写真撮影OKのスラヴ叙事詩があったのでパシャリ。絵が大きすぎて、写真フレームに収まりません。

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「聖アトス山 〜正教会のヴァティカン〜」。光の射し込みがきれい。


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「スラヴ菩提樹の下で行われるオムラジナ会の誓い 〜スラヴ民族復興〜」。左のハープを弾く少女はミュシャの娘、右の少年はミュシャの息子がモデル。真ん中は、オムラジナ会というチェコ民族運動団体の青年たちが輪になって、古代の伝説にのっとり、スラヴの女神スラヴィアに誓いを立てる場面です。

この絵画だけ、一部の人物の顔が描かれておらず、ミュシャが最後まで手を入れていたのもあって、未完成とも言われる作品。あえて顔を描き入れなかったような気がするなあ。

「スラヴ叙事詩」を描くくらいだから、ミュシャは、自分の故郷のチェコのこと、スラヴ民族のことを真剣に考えていたと思うのですね。チェコスロヴァキア共和国ができたとき、紙幣や切手、警官の制服までノーギャラでデザインしたくらい。紙幣の女性モデルが、自分の娘なのはご愛嬌です。しかし、スラヴ民族の連帯と統一を願った汎スラヴ主義は、ミュシャの晩年には時代遅れになっていました。さらに時代くだって、ユーゴスラヴィアの内戦解体と民族浄化の凄惨さ、チェコスロヴァキアの無血解体、ソ連解体後のいざこざを思うと、現実の「連帯」の難しさに思いを馳せずにはいられません。


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「イヴァンチツェの兄弟団学校 〜クラリツェ聖書の印刷〜」。ミュシャの生まれ故郷を描いた作品。左下にいる少年(2枚目参照)は、ミュシャの若かりし頃の自画像だそうです。


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「スラヴ民族の賛歌 〜スラヴ民族は人類のために〜」。正面の男性が手に持つ輪は、スラヴ民族連帯の象徴である「ソコルの輪」でしょうね。ここではお花の輪っかですが、他の絵画では、フラフープみたいなソコルの輪が、あっちでもこっちでも出てきます。

さて、ご興味のある方へ。「スラヴ叙事詩」各作品の説明は、Wikipedia「スラヴ叙事詩」をどうぞ。


だいたい2時間半〜3時間くらいで見ました。混んでいたけれど、入場制限はなかったですよ。あ、券売機はけっこう並んでました。私はwebチケットで入場したから、並ばずに済みましたね。

てか、同時開催の「草間彌生 〜わが永遠の魂〜」のほうが凄かった! めっちゃ人並んでました。美術館の木も草間彌生仕様でしたし、なんか力入ってたな〜。野外展示の、草間さんの南瓜だけ見てきました。

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最後に、地下1Fのカフェテリアで、ミュシャ展特別メニューを早めの夕飯として頂きます。

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「グーラッシュ風ビーフシチュー バターライス添え」。“やわらかく煮込んだ牛頬肉をチェコの伝統料理「グーラッシュ」仕立てに。相性の良いバターライスと共に”だそうです。うーん、まあ、ビーフシチューかな……。こんなとき、自分のバカ舌が悲しいッス。