新作「サイ」

Rhinoceros
(リンク先Flickrに別アングル写真あり)

パピヨン以来5年ぶりに四つ足獣の作品を作った。足を1対1+��2の直角三角形で折り出すというのがアイデアの核になっていて、これ自体は10年以上前に遡る。当時のテーマとして「足のカドを素の22.5度で折り出さない」ということがあり(ポニー、日本猿など)その流れだったのだが、結局途中で放置してしまっていた。この分だと自分が作る前に誰かにやられちゃいそうだなと思っていたのだけど大丈夫だったようだ(多分)。



全体の基本構成はライオン・オオカミ系統で、造形面はデフォルメ感が少し強めの、カバに近いテイストになった。実のところ自分の中での新味は足の面構成のみであって、後はほぼいつものやり口でまとめあげた感覚(これ以上盛り込もうとすると作品ができない)。
創作過程は足のパターンをはめ込むことがまず最初の課題だったが、前足をはめこんだ段階で想定外の僥倖として「前足つけ根のシワ」を表現できる構造を得た。そこからはこれを如何にして残すかが中心課題となり、こういう予想外の展開が創作していて胸躍るところだ。頭部は予め別パーツとして考えていた候補を、前足〜首との整合性を取りつつ、変形させて使っている。
テーマから言うと足を素のパターンで残したい気持ちがあったが、ちょっと大き過ぎたので四角柱(錐)状に折り込むことにした。その結果「前足つけ根のシワ」の基本形段階での面白さ(少し足からずれるところ)が少し失われてしまったのが心残り。