折り紙創作法に関する情報が掲載されている書籍等

(主にコンプレックス系作品を)創作したい人用リンク集」ではウェブ上で参照できる資料をまとめているが、この記事ではリアル書籍・雑誌で読める資料をまとめてみた。もっと昔の本で創作法を扱っているものももちろんあるが、あまり古いのを挙げてもしょうがないかもしれないので、80年代以降のものとした。(ぼく自身が通ってきた道として多くを学ばせてもらってきた本たちでもある。)
『季刊をる』やJOASの会員向け資料などは入手困難なものもあるが、書籍については図書館を当たれば読めるはず。

『ビバ!おりがみ』笠原邦彦前川淳(サンリオ 1983)

 22.5度系一値分子を用いる「前川設計」のオリジナル。背景理論のテキストもあり、作品自体展開図のカタログと言える。

『創作折り紙をつくる』津田良夫(大月書店 1985)

 易しい実例を挙げて試行錯誤の裏にある発想を解説。蛇腹の付加による指表現の紹介。

『最新・折り紙全書/伝承折り紙の展開と応用』笠原邦彦日本文芸社 1988)

 伝承作品をさまざまな切り口で検討し、創作の発想法を紹介。(氏の本は多くがテキスト豊富で読み応えがあるが、個人的に推す1冊)

『折り紙3/イメージと技巧』桃谷好英・澄子(創元社 1988)

 創作テクニックに絞った書として、さまざまな折り技法やアイデアを紹介。

『本格折り紙』前川淳(日貿出版社 2007)

 創作法に関する記述は少ないが、現代折り紙理解のための基礎知識が網羅されている。

『神谷流 創作折り紙に挑戦!』神谷哲史(ソシム 2010)

 創作法に関する記述は少ないが、コンプレックス系を折るに当たって必要となる知識が網羅されている。

『Origami Design Secrets: Mathematical Methods for an Ancient Art, Second Edition』Robert J. Lang(A K Peters/CRC Press 2011)

 基本の折り技法、基本形、カド割り、付加法、円領域による設計法、蛇腹設計法等、幅広く網羅。英語だが図版豊富。

記事「制約への挑戦」川畑文昭

 『季刊をる』1〜4号連載。簡単な分子設計や表現技法等の紹介。

記事「伝承折り紙再発見」中野獨王亭

 『季刊をる』1〜4号連載。付加を主として伝承基本形の応用法。

記事「私の折り紙 新・工夫論」笠原邦彦

 『季刊をる』5〜8号連載。「イメージ・ゲーム(見立て)」を中心にした創作法。

記事「カドを折り出す話」川畑文昭

 『空想おりがみ』(おりがみはうす)巻末掲載。円領域分子法の紹介。

記事「実用折紙設計法」目黒俊幸

 第13期JOAS会員特別配布資料。『折紙探偵団新聞』連載記事の再録。円領域分子法に関連する基礎を紹介。同様の内容は目黒氏HPに掲載されている。

記事「蛇腹折り設計方法入門」川畑文昭

 第16期JOAS会員特別配布資料。神谷パターンは扱っていないが22.5度との接続法など。

記事「気軽に始める22.5度系創作法」小松英夫

 『折紙探偵団マガジン』121号〜連載(全6回)。前川設計の基礎知識とケーススタディ