天国の風(天国の風は、とてもあたたか)

2018-03-23 庶民信仰の対象に

[] 「おくの細道」における俳句(22)

    • 閑かさや岩にしみ入る蝉の声

 (しずかな山寺では他の物音は聞こえない。ただ蝉の声だけが岩にしみ入るように聞こえてくる。そのためにいよいよここの静けさが感じられる。)

 名吟としてよく知られているこの句の詠まれたのが、山寺として名高い立石寺でのこと。

 尾花沢名産のべにをあきなう清風らに薦められて、芭蕉らはルートから少し外れた宝珠山立石寺を訪ねます。

 宝珠山は死者の帰る山とされ、庶民信仰の対象となってきたところ。

 天台宗慈覚太師により860年に草創されたものと言われています。

 むきだしになった岩肌に、はりつくように幾つもの堂が立っていて、山水画さながらの景観とか。

 芭蕉は、その静寂さにひたっていると、心が澄んでいくのを感じました。

 この句は幾度か推敲されています。

    • 山寺や石にしみつく蝉の声 (初案)
    • さびしさや岩にしみ込む蝉の声 (再案)
    • 閑かさや岩にしみ入る蝉の声 (定案)

D