ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

追記:戸籍のIT化は夫婦別姓の実現を見越していたという話

夫婦別姓法案、通常国会にも提出 千葉法相 (NIKKEI NET 9月29日)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090929AT3S2901029092009.html

これについて、戸籍や住民登録のシステムにどんな影響があるのだろうかと心配する人も少なくないと思う。以下、以前調べたメモを参考までに。

『戸籍』(全国連合戸籍事務協議会) Vol.770 (平成17年3月号)

「戸籍事務のIT化」(金井智洋) p23-

  • 平成元年 そのまま移す
  • 平成2年 項目化
  • 平成4〜5年 「母の氏」を省略しない。将来夫婦別姓が実現したことを見越して
  • 平成8年頃 夫婦別姓の実現機運が盛り上がった

ちなみに、紙の戸籍だと、戸籍筆頭者が夫であれ妻であれ、その戸籍に入る「子」の両親は、父母が婚姻中ならば父はフルネーム、母は名のみで記載される。これは、父が改姓した場合でも同じ。母の氏が省略されているか否かで、父母の婚姻ステータスを表示していたということだ。だが、これはあるデータに複数の意味をのせてしまうという意味でよろしくない。父母の氏名と、父母の婚姻状況は本来は違うデータとして記載されるべき、という点もメモしておきたい。