日々雑論 歴史修正主義の考察 5

 えーと、間がだいぶ開いてしまったんですが、別に他のネタで遊んでいたわけでもなく、ただニッポソ研究をしていたの言うのが本音です。まあ、ニッポソ人と愉怪な仲間達の研究も大変香ばしくて宜しいのですが、そればっかりも一寸飽きちゃうよねというのと、こんなことやってりゃそりゃ日本は戦争に負けるよ、という馬鹿な例として、どれをとりあげたもんかいなーと考えていたわけです。躁病のかみさま辻政信とかね。で、いろいろ考えた結果、こいつを挙げる事にしました。
 牟田口廉也です。
 ノモンハン後の会議では、怪我をしてないのに片腕を包帯でつり、日中戦争の引鉄を許可も無く勝手に引いた上、インパール作戦では自身は芸者遊びをしながら前線に対しては突撃命令、補給要請を受けても「現地調達」「大和魂」を指示するのみ。壊滅が決定的になるとさっさと敵前逃亡し、敗戦後戦犯不起訴処分となり天寿をまっとう…
 まあ、インパール作戦についてはアッサム油田に加えてイギリスのインド航空基地もあり、更に当時建設中だった、新しい援蒋ルートであるレドハイウェイの封鎖の件も含めて、このまま指をくわえて敗戦を迎えるよりは一か八かでやるしかない、という理屈もわからんではないですが…
 まず「現地調達」ってあんた…
 うっそうと生い茂るジャングルや、うねり流れる大河、更に標高2000m級の山がそびえる進軍ルートに現地調達(と言う名の略奪犯殺)ができる町や村があると思っていたのだろうか?牟田口自らが勝手に始めた日中戦争のときは確かに現地調達(と言う名の略奪犯殺)は容易に出来ただろう。挙句に三光作戦なんてのまでしてるんだし。で、当たり前ですがこんなものはすぐに破綻します。だって鬱蒼と生い茂る密林や大河、2千m級の山地では、流石に略奪犯殺する対象がありませんから。更にこの地方特有の雨季がやってまいりまして、マラリアと食糧難とで勝手に自滅です。加えて英国軍機甲部隊の洗礼を浴び、撤退時には既に文字通り阿鼻叫喚の地獄絵巻で、白骨街道とまで言われるほどの燦々たる有様。ちなみに、インパール作戦で投入兵力9万のうち戦死傷者7万2千…文字通りの壊滅ですね。
 何が言いたいか。
 旧軍は身内すら大切にしてないんです。 
 自軍の兵士を大切にしない組織が他国の人間を守る訳が無いんです。自軍の兵士ですらこんな使い捨ての有様で、統治下の住民を保護する、なんて常識でも考えられないんですよ。こんなのは牟田口だけだ? 辻政信が居ますよ。ノモンハンガダルカナルで大損害を受けても罪に問われてませんが?
 かたや、前にもここで述べましたが、ノーマン・ベチューンの活躍により、移動医師班を整備して負傷者の回復に努めた紅軍、かたや、現地調達の名の元に当時最新鋭の武装で略奪犯殺を繰り返した皇軍と言う名の蛮族…
 負けて当然だこんなもん。