ひっぱたかれるような私ですけど

404 Blog Not Found:人間の価値を賃金の多少で差別したがるのは誰か?

ポイントは二つあります。第一は弾さんが赤木さんをクソ呼ばわりするような価値観をもって、生きて
こなかったこと。つまり、赤木さんをクソ呼ばわりしない、赤木さんがひっぱたかなくてすむような
年長者(しかも金持ち)がすくなくとも1名はいること。

その中学を辛うじて卒業した私は、暫く土方として働いていた。そんなある日、高校の玄関の補修工事をする機会があった。その高校はその地域で最低ランクの高校として知られており、卒業生たちは今ならワーキングプア一直線といった趣きである。そこでタオルを首にかけヘルメットをかぶった私は、中学生の時の同級生とはちあわせた。

そいつの名は覚えていない。しかしそいつの嗤い顔だけは一生忘れることがないだろう。その嗤い顔は実に雄弁だった。「おまえ、おれより下だな」、と。

その時私の心に湧いたのは、「そんなことはない」では全くない。「こいつのようにだけはならない」という嫌悪感だった。「おれのものさしは、おまえのそれほどくだらなくないよ」。その時実際どういう表情を私が返したのかは、鏡もなかったので確認したわけではないが、体が覚えているのは私が笑い返したということだ。

第二は、赤木さんも弾さんのように金持ちになる可能性があること。

これって、赤木さんに個人的にいうなら、別に普通なんですよね。赤木さんに対して、「世間がどうであれ、俺はお前をクソ呼ばわりしない」。そんでもって、金に困っている彼に具体的にお金をもうかる可能性を示唆する。

でも、多分、弾さんのアドバイスは、それが単に貧困をぬけだす可能性を示唆するだけなら、個人的には、つまりミクロ的には有効であっても、多分、マクロ的には有効でない。なぜなら、赤木さんは初めから、参加者希望者より参加者が少ないゲームに参加できなかったので、この参加者数が増えない限りは、敗者は減らないから。

ただし、弾さんは単に貧困から抜けだす方法を伝えているだけではないようにも思う。たぶん、ゲームの外でも生きていけるし、弾さんはそうして来たし、ゲームの外で金持ちになった人さえいるといっているのだと思う。

だとすれば、私が感じるのは金持ち云々は余計ではないか。私は私と同年代でゲームの外で生きてきた友人が何人かいる。金持ちではない。でも、貧困でもない。私はゲームの外なら飢えなくて済みますよとはいえない。ただ、彼らが何かと無理心中するようなことはけっしてしないことは確信しているが。だけど、私はゲームの中から彼らを見ているのにすぎない(だから、私は赤木さんにひっぱたかれるような人間だ)。でも、ゲームに参加しようとして、できなくて、いま不幸なら、ちょっと、ゲームの外の世界も、試してみたらと、無責任に思う。

私がいうと無責任にしかならないけど、弾さんだったら、実体験にもとづいてゲームの外へのいざないができるんじゃないかと、これまた無責任におもう*1。実際そういういざないをしているんだろうけど、金持ちのすすめにもよめてしまうんで残念。

*1:読んでいるかどうかわからんが、これ見て無責任だといちばん怒りそうなのは、きはむさんだろうな