「みっつ数えろ」第八戦・第九戦補足 〜「みっつ数えろ」が選ぶネットプロレス大賞2013〜

 2013年12月25日、有料メールマガジン水道橋博士のメルマ旬報」にて拙作「みっつ数えろ」の連載第九戦が配信されました。みなさまお読みいただけましたでしょうか。今回と前回は、「みっつ数えろ」の現在の主要3名が選ぶ「ネットプロレス大賞」を考えてみました。今回は解説というのも何なので、というか「みっつ数えろ」連載本編の中で言いたいことは全て言い尽くしているため、ここでは結果だけ転載してみます。

 この結果を読んでいただいて、こいつとはなかなかうまい酒が飲めそうだと思っていただいた方がいらっしゃいましたら、是非ご購読のほど、こちらのページからお願いします。「みっつ数えろ」とはざっくり言うと「女子高生がプロレス部を設立しようとするが、危険すぎるという理由で学校から却下され、その代わりに演劇部を設立して演劇だと言い張りながらプロレスを行う」というお話のマンガ原作です。プロレスを知らない人でも楽しめるようなわりと真っすぐな青春ストーリーとして書いてるつもりですが、そうでもなかったら申し訳ございませんということで、何卒。

 なお、ネットプロレス大賞2013の投票はこちらのページから。プロレスファンの方は一年を振り返るきっかけに、そうでない方は「今こんなのが盛り上がってるんだ」というプロレス入門のきっかけに。プロレスについて考えるということは、とても楽しいことなのです。

 それでは以下、「みっつ数えろ」が選ぶ、ネットプロレス大賞2013の各賞です。

<MVP>
第1位:渕正信
第2位:飯伏幸太
第3位:マサ高梨
次点:DJニラ

<最優秀試合>
第1位:2013/08/04 新日本プロレス大阪府立体育会館中邑真輔vs飯伏幸太
第2位:2013/07/17 ゼロワン(後楽園ホール) 星川尚浩vs丸藤正道
第3位:2013/10/20 DDTプロレスリング後楽園ホールアントーニオ本多vsスーパー・ササダンゴ・マシン
次点:2013/06/30 全日本プロレス両国国技館) 諏訪魔vs秋山準

<最優秀タッグチーム>
第1位:ヤンキー二丁拳銃(木高イサミ宮本裕向
第2位:佐藤光留坂口征夫
第3位:中邑真輔YOSHI-HASHI
次点:重鎮(2013/10/17 センダイガールズ・後楽園ホール

<最優秀興行>
第1位:2013/05/04 我闘雲舞 板橋グリーンホール
第2位:2013/07/28 全日本プロレス 後楽園ホール
第3位:2013/10/14 ビアガーデンプロレスin札幌 札幌テイセンホール
次点:2013/08/18 DDTプロレスリング 両国国技館

<最優秀団体>
第1位:我闘雲舞
第2位:DDTプロレスリング
第3位:全日本プロレス
次点:新日本プロレス

<新人賞>
第1位:福田洋
第2位:夕陽
第3位:赤井沙希
次点:「ことり」

<最優秀マスメデイア>
第1位:みっつ数えろ(「水道橋博士のメルマ旬報」連載)
第2位:我闘雲舞メールマガジン
第3位:「KAMINOGE
次点:徳光康之「ファイヤーレオン」(「月刊ブシロード」連載)

 各賞の選考理由は「みっつ数えろ」本編で語ったのでここでは割愛して、総括的なところを。何と言っても2013年は、自分にとっては我闘雲舞の年でありました。正直なところ去年1年間はわりとプロレスから離れている部分があり、と言いつつ気になる大会には足を運びサムライもちょいちょい観てはいましたが、2010年にマッスル坂井選手が、2011年に澤宗紀選手とディック東郷選手が去り、どこか心に穴が開いてしまったのが2012年でした。

 そんな中、2013年5月4日に板橋グリーンホールで開催された我闘雲舞興行。これがぼくにとって我闘雲舞の初観戦だったのですが、まあちょっと本当にどうかと思うくらいに面白くて楽しくてハッピーで。そうだよ!プロレスってこんなに楽しいんだよ!って、誰かれ構わずその場にいるみんなと手を叩きたくなるあの感じ。好きなものを好きでいさせてくれる、こんなに好きなものをもっと好きにさせてくれる、そんな団体がいま現在活動しているってことが嬉しくて仕方ないのです。

 我闘雲舞の素敵なところっていうのは沢山あります。でも何と言っても、リングに上がっている誰もがプロレスを大好きで、プロレスを信じていてくれる、彼らの一挙手一投足で、それが観客席にいる自分に伝わってくる。好きなものを好きで良いんだと、もっと言えば、自分は自分で良いんだと、自分の好きなものや生き様やそのやり方は自分自身で決めて良いんだと、そう思わせてくれるところです。

 プロレスは、エンタテインメントの興行です。ぼくらにとっては、お金を払って観るものです。でもそれは現実逃避なんかじゃない。目の前にあるこのリングと、リングの上に立つプロレスラーは、ぼくらの人生とそのまま続いている。プロレスラーがリングの上で表現できることは、それが人間のやっていることである以上、プロレスファンのぼくらが自分たちの人生で表現できることです。我闘雲舞にはそれがある。プロレスファンであることを誇らしいと思わせてくれる。我闘雲舞が素敵な興行をやってくれるあいだは、ぼくもぼくの人生を目一杯頑張れる、我闘雲舞はぼくにとってそういう団体です。ありったけの感謝を。そして2014年も、何卒宜しくお願い致します。

 それでまあ、言ったらこういう種類のプロレスファンが「みっつ数えろ」の連載を始めたのが2013年。本当にありがたい限りです。でもまだ、やっぱり全然足りてない。第九戦で日々野瞳が「くたびれたり、あきらめたりしてる場合じゃねえんだよ。俺らには、挫折する資格なんてねえんだよ!」って、中島らも前田日明に送った言葉を叫んでましたが、実際、その通りなんです。2014年は、「みっつ数えろ」も、もっと頑張ります。目の前に素敵なプロレスがあるんだから、どうってことねえよ!

 あと、補足として、基本的に観戦した試合の中から選んでいまして、どうしても今年タイミングが合わずに一度も観戦できてない「ガンバレ☆プロレス」が入れられなかったのは、心残りです。2014年は絶対にどこかで観戦したいと思っていますので、大家健選手がもしこれを読んだとしても、怒らないでいただけるとありがたいです。

 それではまた次回。まだ「水道橋博士のメルマ旬報」読んでおられない方で興味もっていただいたなら、ご購読はどうぞこちらのページから。以上、「みっつ数えろ」第八戦・第九戦の、お粗末ながら解説でした。エレガントに、さよなら。