平つかの行灯

osamuharada2005-07-06

このブログで、5月に書いた銀座「平つか」さんにて、(id:osamuharada:20050506) 竹と和紙と杉でつくられた、涼しそうな行灯(あんどん)を買いました。このデザインは昭和30年代の一時期に、平つかさんで作っていた、久しぶりの復刻版でした。ぼくは初めて見たので一目惚れというわけです。特に日本間の間接照明というものが好きで、以前は京都で買った露地行灯を自分で細工して、蝋燭の替わりに電球がつくようにしたものを使っていましたが、竹のカゴメが細かいのと、ちょっと小振りなところが、どうも物足りなかったので、こんどの平つかさん製のこの行灯は、ぼくに理想のサイズとデザインです。大振りの竹の網目が、あっさりとしていかにも江戸風です。浮世絵で例えるなら、初代歌川豊国の味がする。下の籠を置くための、八角形の杉の台座は江戸指物(さしもの、釘を使わず木をさしあわせて組み立てる)で、本来の平つかの専門分野です。竹は丸いままと、板状に裂いた竹で編むのとでは、昔から職人さんが別なそうです。厚手の楮(こうぞ)を漉いた紙は、40Wの電気の明かりを柔らかく透過させます。この明るさって、秋冬には暖かく、春夏には涼しげに目に映るから不思議ですよ。イサム・ノグチのAkariシリーズも好きだけど、日本の季節感では負けている。ぼくは夏の都会のクーラーが苦手(すぐ鼻炎になっちゃう)なので、いつも暑さ対策で、島へ逃避しています。草木を通過してくる涼風が、なんといってもありがたい。そしてヴィジュアルな仕事をしてるせいもあって、目で涼しさを感じるインテリアもおろそかにはできませんよ。ひんやりした漆喰の白い壁、床は籐ムシロ、杉の箱型蚊遣り(これもモチロン平つか製)、風鈴(下の短冊は自家製なり)、うちわ(あれこれコレクション中)、水を張った吹きガラスの大鉢、などなど、来たる夏に用意万端。そして今年はさらに新兵器、平つか行灯というわけで、猛暑よ来るなら来い!と強気です。
平つか http://www.ginza-hiratsuka.co.jp/