鳥を描く

osamuharada2008-09-29

芸術新潮10月号、ぼくの美術コラムは「鳥を描く」。赤勘兵衛さんについて書きました。いつもは物故美術家たちのことばかりを書いていたので、現存しているしかも古い友人のことを、客観的に書くことは難しかったのであります。彼の仕事を、素直に賞賛したくて書いたものですが、知り合いのことを書く馴れ合い情実ネタと読者から思われたくはなかったのです。雑誌は、超個人的なブログとは別のもんだと思うから。
芸術新潮のコラムは http://www.shinchosha.co.jp/geishin/200810/invitation.html
ブログのほうは[id:osamuharada:20080717]でした。
右の絵は、図鑑で勘兵衛さん描くキジの雛鳥。サイズがわかりやすいようにと、雛鳥が女性の両手のひらに乗っている図です。小さな小さなこの子のサイズが解かると、より絵がリアルに感じられるでしょう。生き物としての気配までが、それこそ手に取るようによく解かる。図鑑としての素晴らしいアイデアだと思います。生まれて数日のこの雛鳥は、たまたま獣医さんで保護されたものですが「人になれず、2日後に死亡。」とデータに書かれてありました。単なる図鑑を超えて、この雛鳥の短かかった命に胸が打たれます。しかし「自然」とはそういうもんなんですね。