壇上の夜04

 というわけで、日本SF大賞の講評を述べる宮部さんなのだが、それがもう魅力あふるる語り口で、会衆はとてもカワユいファッションとのダブルパンチ的に魅了されたのでした。
 わが青年も、宮部さんがこれほどまでの絶賛したのだから、読まないわけにはいかないだろう。ねっ、そうでしょう。
 その受賞作とはご存じの通り、月村了衛さんの『機龍警察 自爆条項』と宮内悠介さんの『盤上の夜』、特別賞に円上塔さんと伊藤計劃さんの『屍者の帝国』。そんぞれ登壇された受賞者の、それぞれ個性に満ちたご挨拶に、会場は惜しみない拍手に満たされる。すみません、省略しちゃって。
 そんなこんなで贈賞式が終わり、あとは恒例のご歓談となる。
 まずは新井素子さんが目の前を通り過ぎようとしていたので、とある記事での写真使用をご了承いただいたことのお礼を申し上げる、といっしょに挨拶回りをしていたらしい若い女性をご紹介される。
 おおっ、彼女こそ今回SF作家クラブへの入会をはたした池澤春菜さんではないか。かつて文フリで撮影された酉島伝法さんといっしょの写真をネット上で拝見したことはあったけど、ナマ春菜さんはもちろん初めてである。
「よろしくお願いします」
「いえ、ここちらこそ、よろしくお願いしまます」
とオジサンはどぎまぎしているのを、隣の青年が呆れて見ていたのだった。