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このはずく医者の「よろず備忘録」

2017-12-11 今冬のインフルエンザワクチン事情

22:55

今冬はインフルエンザワクチンには頼れません!

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t303/201712/553955.html?n_cid=nbpnmo_mled_html-new-arrivals

供給不足はなぜ起きた

使用するワクチン株はA(H1N1)pdm09型(AH1pdm09)、A香港(H3N2)型(A[H3])、B(山形系統)、B(ビクトリア系統)の4種類。

ワクチン株は鶏卵で増えやすくする工程(卵馴化)をたどるが、近年特にA(H3)で、その工程で抗原変異が生じる問題が起こっている。

ここ6〜7年のA(H3)はこの傾向を示しており、今後も継続すると考えられる。

実は近年、卵馴化による抗原変異を生じない「A/埼玉/103/2014(CEXP002)」というA(H3)ワクチン株(以下、埼玉株)が発見されていた。埼玉株は発育鶏卵で20回継代しても抗原性の変化が少ない特殊なワクチン株で、昨シーズンのA(H3)ワクチン株「A/香港/4801/2014(X-263)」(以下、香港株)と比較しても、有効性の改善が期待された。

ところが、埼玉株の製造効率は非常に悪いことがメーカーの報告で判明。

埼玉株のまま製造を進めると、ワクチン供給量が昨年度比で7割程度に落ち込むと予想された。

流行シーズンを前にして、希望してもワクチン接種を受けられないケースが相当数発生し、社会的な混乱が生じる可能性が高いと判断されたことから、昨シーズンと同じ香港株に選定し直した結果、製造に遅れが生じた。

このような背景から、感染研は今年のワクチン株に埼玉株を選んでいた。

世界的に頭を悩ませているA(H3)の抗原変異の問題を解決できるとして、国内外の専門家が注目していた。


流行ウイルス、全国的にはAH1pdm09が47%

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/flu/topics/201712/553892.html?ref=RL2

11月26日までの1週間で、全国的に流行期入りしたインフルエンザ。気になるのは流行しているウイルスのタイプだが、国立感染症研究所の集計によると、全国的にはA/H1N1pdm2009が47%と最多だった。

ただし、岩手県栃木県富山県石川県など8県はA/H3N2のみで、地域的に流行ウイルスが異なることも明らかになった。

2017-11-19

インフルエンザ予防接種と時間帯の関係

23:53

インフルエンザ予防接種は午前中が効果大!? ワクチンと時間帯の深い関係性

https://doctors-me.com/doctor/respiratory/13/column/5289

2016年11月15日(火)大阪大の研究チームが交感神経及び免疫のシステムの特性に関して研究を行った結果、交感神経が高まる時間帯、つまり人間であれば午前中にワクチンを接種することでより高いワクチンの効果が得られることが発表された。

・交感神経の働きが最も高まる午前中にワクチンを接種することで、最も効率よく抗体が作られ、効果が得られやすいと考えられる。

2016年5月に公表されたイギリスの研究では、健康な高齢者の276人の半数には午前中、残り半数は午後にワクチンを打ち、1カ月後験者から採取した血液を検査する実験がおこなわれた。

その結果、午前中にワクチンを接種した被験者の方が抗体の数が多く、ワクチンに対する反応がより有効的であったことが示された。

院長コメント

他のワクチンも同様な可能性はありますが、午前中に予防接種の予約枠を作っている医療機関は少なそうです。

2012-05-29

定期接種3ワクチン追加を決定 厚労省

21:34

厚生労働省は23日、子宮頸(けい)がんや子供の細菌性髄膜炎などの3ワクチンを定期予防接種に加える方針を正式に決めた。

同日の厚生科学審議会の予防接種部会で承認された。

同省は今国会に予防接種法改正案を提出し、来年度から実施する方針だが、「法案提出には関係自治体と財源の調整が必要」(結核感染症課)としている。

このほか、病気などで定期接種を受けられずに対象年齢を超えてしまった場合も接種を受けられる特例を設けることを確認した。

全ての定期接種が対象で、早ければ今夏にも政令を改正する。

ワクチンは、子宮頸がん、細菌性髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児用肺炎球菌。定期接種の対象は、子宮頸がんは原則中学1年生の女子、ほかの2つは0〜1歳児を軸に検討する。

ワクチンは現在任意接種だが、国が10年11月から全市町村に接種費用を助成しており、今年度まで期間が延長されている。

出典  日経新聞 Web刊 2012.5.23

版権  日経新聞社

2012-03-26

インフル増殖たんぱく質:ヒト細胞で特定 

23:50

インフル増殖たんぱく質:ヒト細胞で特定 全型対応に道

インフルエンザウイルスが増殖する際に重要な役割を果たすたんぱく質を、東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)のチームがヒトの細胞で発見した。

ウイルスの型によらず有効で薬剤耐性ができにくい抗ウイルス薬の開発につながる可能性があるという。

5日付の米国科学アカデミー紀要に発表した。

インフルエンザウイルスは自身では増殖できないため、宿主(ヒトなど)の細胞に侵入して増殖し、他の細胞に広がる。

河岡教授と同研究所の大学院生、五来武郎さんらは、感染したヒトの細胞を詳しく調べ、細胞表面にある「F1ベータ」と呼ばれるたんぱく質に着目。

この量を減らすと、細胞から出てくるウイルスの量が減った。

F1ベータを含むたんぱく質の複合体が、増殖したウイルスを細胞外に放出する手助けをしていると見ている。

B型や、09年に大流行した新型(H1N1)など、どの型のウイルスでもF1ベータが増殖に重要な役割を担うことも確かめた。

こうしたたんぱく質の存在は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)などでは特定されているが、インフルエンザウイルスで特定したのは世界で初めて。

「タミフル」などの治療薬は、ウイルス表面のたんぱく質の働きを抑えるが、ウイルスが変異すると効きにくくなることが問題だった。

河岡教授は「ヒトの細胞にあるたんぱく質を標的にすることで、より有効な治療薬の開発が期待できる」と話す。【久野華代】

出典  毎日新聞 2012.3.6

版権  毎日新聞社

http://mainichi.jp/select/science/news/20120306k0000e040190000c.html

2011-10-29

インフル「狙い撃ち」抗体を発見

14:53

インフル「狙い撃ち」抗体を発見 藤田保健衛生大など

毎年のように流行するインフルエンザで、ウイルスの変異しない箇所を見抜いて「狙い撃ち」する抗体を、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)などの研究グループが発見した。

25日付の米医学誌ジャーナル・オブ・バイロロジー電子版に発表した。

インフルエンザは、体内に侵入したウイルスの表面にある突起(HA)が人間の細胞にくっついて増殖する。

突起は棒の先に球がついたマッチ棒のような形で、抗体は突起にとりついてウイルスを撃退する。

だが、人間のほか、豚や鳥にも感染するA型インフルの突起は変異しやすいため、過去の感染で作られた抗体ではうまく撃退できないと考えられていた。

藤田保健衛生大の黒沢良和学長(免疫遺伝学)らは、世代の違う男性3人の血液から様々な抗体を採取。

1968〜2004年に流行したウイルス(H3N2)12種の突起と抗体との反応を調べた。

その結果、30代男性から得られた抗体の一つは、12種全てを撃退する働きがあることを発見。

突起が人間の細胞にくっつく際に接点となる球の「穴」の部分めがけて攻撃しているらしいことがわかった。

この穴はウイルスの他の部分が変異しても構造は変わらないと見られ、同様の抗体を人工的に作ることができれば治療に応用できるという。

黒沢学長は「新型インフルにつながるH5N1型にも同じ『穴』がある可能性が高い。今後、構造を詳しく調べたい」と話している。(高山裕喜)

f:id:osler:20111029143512j:image

出典 asahi.com 2011.8.25

版権 朝日新聞社