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このはずく医者の「よろず備忘録」

2018-04-09

JRC 蘇生ガイドライン 2015

06:22

JRC 蘇生ガイドライン 2015:

心停止かどうかの判断に自信が持てない場合も、心停止でなかった場合の危害を恐れずに、ただちに胸骨圧迫を開始する。

なお、CPR に熟練した医療従事者が心停止を判断する際には呼吸の確認と同時に頸動脈の脈拍を確認することがあるが、市民救助者の場合、その必要はない。

傷病者に反応がなく、呼吸がないか死戦期呼吸が認められる場合、あるいはその判断に自信がもてない場合に心停止と判断することは理にかなっている。

市民救助者は,傷病者が心停止でなかった場合の CPR による危害を恐れることなく,心停止を疑った場合にはCPRを開始することを推奨する(強い推奨、非常に低いエビデンス)。

重要なアウトカムとしての有害事象について、院外において心停止でないのに市民救助者から CPR を受けた計762 名を対象とした観察研究が4件あった(非常に低いエビデンス:バ イアスのリスク、不精確さによりグレードダウン)。

このうち3件は、診療記録を元に、CPR を受けたことによる有害事象を調査し、うち1件では、その後の電話インタビューも行われていた。

これら3件の研究の対象者は計345名で、1.7%(95% CI 0.4~3.1)に骨折(肋骨と鎖骨)、8.7%(95% CI 5.7~11.7)に胸骨圧迫部位の痛みを認めたが、臨床的に問題となるような内臓損傷はなかった。

別の1件は、消防職員による現場での観察に基づいた報告で、 417名の対象者において外傷の報告はなかった。

2012-03-15

心筋梗塞の死亡率 カテーテル普及で50年前の3分の1以下に

07:46

がんと並ぶ三大疾病のひとつに心筋梗塞がある。昨年は、元サッカー日本代表松田直樹選手が34歳の若さで亡くなった。

心筋梗塞による死亡者は年間4万人にものぼる。これは、がんに次ぐ哀しい記録になっている。

 

1960年代には心筋梗塞の死亡率が3割。やがて集中治療室ICU)の登場で15%に減少し、現在ではカテーテル治療の普及で10%以下になっている。

 

さらに、心筋梗塞治療には新たな光明がさしつつある。

脚の閉塞性動脈硬化症治療で信州大学の池田宇一教授が、「血管再生治療法」を大きく前進させたからだ。

 

2005年、池田教授は重度の狭心症患者から骨髄液を採取。

そして、血管の元となる「CD34陽性細胞」を分離採取し心臓に移植、血管を再生する手術に成功した。

 

池田教授はいう。

 

心筋梗塞は死に至る動脈硬化性疾患の代表です。骨髄細胞はさまざまな細胞に代わりうることがわかっているだけに、心臓の血管にも応用できないかと研究を続けていました。しかし、患者さんへの手術数が少なくエビデンス(科学的根拠)が不十分で、先進医療適用までは、もう少し時間がかかるかもしれません」

池田教授は10年以内の実用化を期待している。

出典 週刊ポスト2012年3月23日号

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120314-00000019-pseven-soci

2010-09-28

男性の睡眠不足

12:18

睡眠不足が男性の寿命を縮める

十分な睡眠を取らないと、寿命が縮む可能性があるという。

新しい研究で、不眠症や睡眠時間の短い男性は14年の間に死亡する確率の高いことが示された。

研究共著者の1人である米ペンシルベニア州立大学医学部教授のEdward Bixler氏は、「不眠症は非常に重い有害作用を有する可能性がある治療の必要な疾患であり、最善の治療選択のためにもっと力を注ぐ必要がある」と述べている。

女性にも同様の影響がみられる可能性もあるが、今回の研究では追跡期間が10年と短く、死亡率に有意差を認めることはできなかったという。

 

以前の研究でも睡眠の寿命に対する影響が検討されているが、今回の研究は自分がどのくらい眠っているかという被験者自身の感じ方(間違っている可能性もある)と、実際の検査室での睡眠量をともに考慮している点がユニークである。

Bixler氏らは、ペンシルベニア州中心部から1,700人強の被験者を集め、男性(平均年齢50歳)を14年間、女性(平均年齢47歳)を10年間追跡。被験者は質問に回答するとともに、睡眠検査室で1泊の検査を受けた。この知見は医学誌「Sleep(睡眠)」9月1日号で報告された。

研究期間中、男性の5人に1人、女性の5%が死亡。この男女差は、男性よりも女性の寿命が長いことと、女性の追跡期間が短かったことによるものと思われる。

睡眠時無呼吸の罹病率などの因子による誤差のないよう統計結果を調整してもなお、不眠を訴え、検査室でも睡眠が6時間未満であった男性は、「安眠型」の人に比べて14年間に死亡する確率が高かった。

安眠型の男性で研究期間中に死亡したのは約9%であったのに対し、不眠の男性は51%が死亡。全体では、女性の8%、男性の4%が不眠症を訴え、検査室でも十分な睡眠を取ることができなかった。

米ウィスコンシン医科大学のB. Tucker Woodson博士によると、睡眠障害が動脈血栓や免疫系の乱れに寄与するといういくつかのエビデンス(科学的根拠)があるという。

今回の研究は、睡眠不足が直接的に男性の早期死亡の原因となることを明確に立証したわけではなく、他の因子が関与している可能性もある。女性の場合は寿命が長いため、さらに長期的な研究を実施する必要があるとBixler氏は述べている。

また、別の専門家は今回の研究について「適切に実施されている」とする一方、女性に比べ男性の健康状態が悪いように思われ、結果に誤差が生じている可能性があると指摘している。

http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100909hj001hj

出典 HealthDay News 2010.9.1

版権 Health Day 

2010-09-25

グルコサミン、コンドロイチンの関節痛緩和効果

12:15

グルコサミン、コンドロイチンには関節痛緩和の効果なし

股関節や膝の変形性関節症(骨関節炎:OA)の痛みを緩和する目的で多くの人がグルコサミンおよびコンドロイチンのサプリメント(健康補助食品)を利用しているが、このようなサプリメントに治癒効果があるとのエビデンス(科学的証拠)は認められないことが、大規模研究の新たな分析によって示され、英国医師会誌「BMJ」オンライン版に9月16日掲載された。

 

これまでにもいくつか今回と同様の報告がされており、研究を率いたスイス、ベルン大学社会・予防医学研究所のPeter Juni博士は「評価した2つのサプリメントのいずれも、患者の疼痛緩和という点で、臨床的に意義のある有益性は認められなかった」と述べている。

この10年間、医師によるグルコサミン、コンドロイチンの処方や、世界中で何百万人という人が市販薬(OTC)としてこれらサプリメントを購入しており、2008年の世界でのグルコサミンサプリメントの売り上げはほぼ20億ドル(約1,700億円)に達し、2003年より60%増加している。

今回の研究では、3,800人強の膝または股関節の関節炎患者を対象とした10件の無作為化臨床試験の結果を分析。いずれの試験もサプリメント使用者群と非使用の対照群を比較したものであり、グルコサミン、コンドロイチンのいずれかまたは両方を使用する患者の疼痛レベルの変化をプラセボ(偽薬)との比較や互いの比較により検討したものであった。

全データの検討の結果、コンドロイチンおよびグルコサミンには、関節痛または関節腔狭小化に臨床的に意義のある効果はないことが判明した。

ただしJuni氏は、もし患者がすでにこのようなサプリメントを使用しており、実際に効果を感じている場合には(疾患の自然経過やプラセボ効果によるものである可能性が高いが)、有害であるとのエビデンスはないことから、積極的に使用を止める理由はないと述べている。

米マイアミ大学ミラー医学部のAndrew Scherman博士も、このようなサプリメントが役立っていると報告している患者がいることを認めており、使用しても(費用がかかる以外に)害はないだろうとする一方で、サプリメントの製造元による表示内容については、大規模研究でその有効性が認められない限り、見直して精査する必要があると指摘している。

「現時点では有効性を認める研究は存在しない」と同氏は述べている。

http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100924hj001hj

出典 HealthDay News 2010.9.16

版権 Health Day