児童文学作家 山本悦子先生のお話

 読書週間に合わせて,児童文学作家の山本悦子先生をお招きして,2年生と6年生で講話をしていただきました。
 2年生では,著書の紹介のあと,「学校かっぱのイケノオイ」の読み聞かせをして本の楽しさを伝えてくださいました。学校の池で見つけた,手のひらにのるほど小さなカッパを連れて帰ったのですが,水道水のせいですっかり体が弱ってしまいます。池に戻して甘いものをあげるとすっかり元気になって,ぼくたちを池の底の世界に連れて行ってくれる・・・というお話です。
 山本先生はもともと中学校の国語の先生をしておられ,著書には学校を舞台にしたものが多くあります。先生の楽しい読み聞かせに,児童たちは目を輝かせ,身を乗り出して聞いていました。

 また,6年生では,将来の夢についてご自身の人生を通してお話をしてくださいました。
 子どものころ,宇宙人やタイムトラベルに夢中だったことや,ホチキスに興味を持って自分の小指と薬指をとめようとして痛かったこと,自分は風や雨を自由に操る超能力があるのではないかと空想したりしていたそうです。
 5年生のころから物語を書き始め,大人になって中学校の国語の先生になったものの,教員の仕事をしながらお話を書き,コンクールの入賞がきっかけになって本格的に作家としての活動を始めたことや,そこから初めて自分の本が出版されるまでに,7000枚の原稿を書いたとのことです。
 本を書くときは,編集者から「こんなテーマで,何枚,いつまでに」と依頼があり,それに合わせて何ヶ月もかけて,何百枚も原稿を書くこと,書いてから編集会議などを通して何回も書き直したりすること,それでも本になるかどうかは最後までわからないことなどを教えてくださいました。また,依頼されなくても自分で書いて,出版社に持ち込むこともあるそうです。
 一冊書いたから「プロの作家」というわけではなく,常に新しい本を出し続けなければならない,作家であり続けることが大切,と話されました。
 編集者の朱の入った原稿や,イラストレーターが書いた原画などの本物を見せてくださいました。また,今日発売予定の新刊の見本が先生の手元にあり,それを大田小学校に寄贈してくださいました。先生ありがとうございました。