2006-03-15
■[教育][BOOK] 志水宏吉「学力を育てる」岩波新書を読みました。

- 作者: 志水宏吉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/11/18
- メディア: 新書
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志水宏吉「学力を育てる」岩波新書を読みました。志水さんは,59年生まれ,大阪大学大学院人間科学研究科の教授です。「01年東大関西調査」や「04年学校効果調査」などの学力調査を基に,「効果のある学校」について考察しています。
学力調査から,通塾小学生と非通塾小学生の学力が2極化していることを確かめました。しかし,文化的な環境*1に恵まれていると思えないある学校では,国語,算数の平均点がきわめて高く,しかも点数のバラツキが少なく,非通塾でも平均点が高いことがわかりました。欧米では,このような学校のことを「効果のある学校(effective schools)」といいます。
このような学校のフィールドワークから,「しんどい子に学力をつける七つの方法」を次のようにまとめています。
- 子どもを荒れさせない: 本当にしんどくなる前にしんどいことをしておく
- 子どもをエンパワーする集団づくり: しんどい子どもに積極的に働きかける
- チーム力を大切にする学校運営: 名人芸,個人プレーはいらない。
- 実践志向の積極的な学校文化: can do culture「やればできる」,can do better culture「もっとうまくできる」という思いを!
- 地域と連携する学校づくり: 家庭学習支援,家庭・地域の教育活動参画,幼保・小中連携
- 基礎学力定着のためのシステム:
- リーダーとリーダーシップの存在: ミドルリーダーとその他の教師たちとの円滑なコミュニケーション
この本は,学力の階層間の格差,学習の習慣づけ(ハビトゥス),基礎学力を保証する学校の役割,イギリスやフィンランドの海外教育事情,地域が学校を支える教育コミュニティなど様々な角度から,子どもの学力を育てるということを見据えて書かれています。
また,単に,学力低下を論ずるのはなく,フィールドワークから,その改善策を簡潔にまとめているところに好感がもてます。そして,自らの生い立ちをこれらの問題と合わせて,書いており,志水さんの人柄が,この本の一層の理解をすすめます。絶対おすすめの一冊です。
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*1:「家の人はテレビでニュースを見る」「家の人が手作りのお菓子を作ってくれる」「小さいとき、家の人に絵本を読んでもらった」「家の人に博物館や美術館に連れて行ったもらったことがある」「家にはコンピュータがある」というアンケートの回答を基にした尺度をつくった。








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