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こんな映画は見ちゃいけない! このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-04-09 ワンダーストラック このエントリーを含むブックマーク

otello2018-04-09

ワンダーストラック WONDERSTRUCK

監督 トッド・ヘインズ
出演 オークス・フェグリー/ジュリアン・ムーア/ミシェル・ウィリアムズ/ミリセントシモンズ
ナンバー 77
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

父がどんな人なのかは知らない。聞き出す前に母は死んでしまった。残された手がかりは古い解説書とふたりが愛し合っていたことを示すメモ物語は、父の消息を求めてひとりで大都会にやってきた少年の軌跡を追う。突然の落雷聴覚を失った。手持ちの現金もすべて奪われた。だが、そのおかげで不思議な縁に恵まれる。必然に導かれた彼は、両親の足跡をたどるうちに、自分がなぜ生まれなんのために生きるかを学んでいく。並行する二つの冒険時間を超えて同じ場所にいた少年少女運命の糸で結ばれていく過程ファンタジックで、言葉ではなく流麗な音楽が彼らの喜怒哀楽を代弁する。時に饒舌になりすぎる場面もあるが、子供向けの映画と思えば許容範囲現在過去カラーモノクロで色分けされた映像もワンショットずつ丁寧に撮影され、決して先を急がない。

母の遺品からNY自然博物館カタログを見つけたベンは、栞に記された書店を目指してNY行のバスに乗る。書店はなかったがジェイミーという少年と知り合い、彼の手引きで博物館内部に入れてもらう。

ジェイミーは博物館の裏まで知悉していて、ベンの両親が出会ったきっかけになった展示にベンを案内する。初めて知る若き日の母と父と思しき人の情熱、誰も話してくれなかったけれど、目には見えないけれど、そこには確実に人の思いが存在している。博物館とは、モノのみならず、それに付随した記憶感情を保存するところでもあるのだ。同時に生まれつき聴覚障害少女ローズにまつわるエピソードが挿入されるが、そこは無味乾燥の彩を欠いた世界。聞こえなくても視覚だけで楽しめたサイレント映画時代終焉が、彼女の寂しさを一層深めるシーンが印象的だ。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて50年の時を経て交わったベンとローズ人生孤独人間なんかいない、気づかないだけで人はどこかでだれかと繋がっている。壮大なNYパノラマは、そんな2人の願いを象徴していた。

オススメ度 ★★*

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