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2018-05-08 アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル このエントリーを含むブックマーク

otello2018-05-08

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル I, TONYA

監督 クレイグ・ギレスピー
出演 マーゴット・ロビー/セバスチャン・スタン/アリソン・ジャネイ/ジュリアンヌ・ニコルソン/ポール・ウォルター・ハウザー/マッケナ・グレイス
ナンバー 101
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

周囲のすべてに悪態をつきまくる母。考えるよりもパンチが出る夫。愚かで短慮、しかも本人たちはそれを直そうとしない。そんな人々と暮らすうちに、やがてヒロインの心も荒んでいく。物語は、米国フィギュアスケート界最大のスキャンダルを起こした当事者人生に迫る。母は貧しい家計の中からコーチ代をねん出してくれた。夫は感情抑制できないけれど何かと手を貸してくれた。夫の親友も、安っぽい自己顕示欲のために夫婦の力になろうとする。誰もが根っから悪人というわけではない。ただ愛しているのに愛し方を知らず、友情勘違いし、思いをうまく伝えられず、先のことまで頭が回らないだけ。主要登場人物は強烈にネガティブキャラばかり、だからこそ、そこから必死で抜け出そうと努力する彼女の姿がいとおしい。

母・ラヴォーナの勧めで、4歳からスケートを始めたトーニャは才能を開花させ、全米大会上位に食い込む実力者となる。その間ジェフ結婚するが、私生活では貧困暴力に耐える日々だった。

競技にはカネがかかる。毛皮のコートを着るような子女フィギュアスケートには望ましいと言われ、父が狩った野ウサギで作った手製コートで颯爽と試合会場に臨む幼い日のトーニャが印象的だ。ボクシングバスケットボール選手なら底辺から這い上がる過程共感を持って迎えられるのに、ここでは逆。技の難易度よりも演技の芸術性が求められ、トーニャに対する審査員の態度は冷たい。労働者階級出身トーニャが実績を残すほど憎まれ役になってしまうあたりに、米国格差問題が凝縮されていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

リレハンメル五輪代表選考会直前、ライバル選手殴打事件が起こりFBI捜査対象になるトーニャ。実行犯に指示したジェフ親友が口にするバカげた言い訳は、嫌悪感を通り越して滑稽ですらある。さらに親切に振舞うラヴォーナの不自然さ。彼らの、目先の小銭に目がくらむ卑小な心根は、人間真実象徴していた。それでも、追放されてもなお挑み続けるトーニャは魅力的だった。

オススメ度 ★★★★

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